土曜日, 9月 18, 2021
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さめほしの個展「entropy | エントロピー」を開催

この度TRiCERA MUSEUM では、6/12(土) – 7/10(土)の会期にて、
さめほしの個展「entropy | エントロピー」を開催致します。
崩壊と生成をテーマにペインティングを行ってきたさめほしの活動を、
物理学用語であるエントロピーという概念に擬えながら、新作と共にご紹介致します。

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【さめほし個展entropyのご案内】 明日11:00〜6/25金までの間 新作版画の制作につき、
展示作品の一部が会場から持ち出されます為 ご高覧できない作品がございます。
持ち出し中の作品に関しましては 6/26(土)に復帰予定です。
上記期間中ご来場の際はご理解ご協力のほど よろしくお願いいたします。

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さめほしは1997年京都府出身、2020年武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒し、
現在は東京を拠点に活動。
これまでは「One Scene」(新宿眼科画廊/2018/東京)、
「ショートケーキのうみで目が覚めたら」(新宿眼科画廊/2019/東京)といった個展、
さらに今年度のアートフェア東京2021に参加するなど活動を行なってきました。

崩壊と生成をキーワードに、顔の造形が崩れた少女等をモチーフとした、
細かい線描を交えたペインティング作品を中心に発表してきましたさめほしですが、
一見するとその作品は2000年代から台頭しつつあったイラストレーションを背景にした
ペインティングの特徴が目立ちますが、その先には可愛らしさを崩壊させることによる、
本人の言葉を借りるならば
「取り返しのつかない現象とそこに対する感情」を描き出そうとする試みが見られ、
それは言うなれば、東洋的な無常の美的感覚にも通じる要素を持った絵画作品とも言えるでしょう。

今回の展示では物理学において《乱雑さ》を意味するエントロピーになぞらえ、
一貫して可愛らしさを持った少女たちが崩壊していく様を描いてきたさめほしの活動を
新しいアングルから紹介することを目指します。会場では新作ペインティングに加え、
リアルタイムで崩壊していくデコレーションケーキ、
19のかけらに粉砕したメインビジュアル作品などをご案内します。
この機会にぜひ、お楽しみください。

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開催場所:TRiCERA MUSEUM
https://g.page/tricera?share
開催時間:11:00-19:00 ※日・祝は休廊
TRiCERA Page(プリント作品販売中):
https://www.tricera.net/ja/artwork/art-prints-and-multiples/giclee-printing/id81021490001

さめほし
Instagram @samehoshi
Twitter @Samehoshi

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出品作品や個展詳細についてのお問い合わせは下記までお知らせください。
03-5422-8370
customer_support@tricera.co.jp 

会社概要:世界80カ国、17,000点の作品を購入できる、
アジア最大級のグローバルアートマーケットプレイス「TRiCERA ART」を運営

TRiCERA ARTは下記画像リンクから

Soichiro Masudahttps://www.tricera.net/
CMO / ArtCLip Editor-in-Chief

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抑圧され、薄れゆく自己を見つめる。齊藤拓未インタビュー

公園の遊具、部屋の片隅、道端など日常のさりげない景色を虚心としたタッチで描いている齊藤拓未。「大人になるにつれ抑圧される自分がいる」と語る彼女は、自身の幼い頃の感性を呼び起こすような風景やオブジェクト、そしてそこに紐づく幼少期の自らの感情を少女の形姿に変換し、キャンバスに描き出す。今回はこれまでの経歴から自らの情緒性をベースにする齊藤の制作背景について話を聞いた。 齊藤さんは日常のスナップのような風景と少女を組み合わせたペインティングをメインに発表していますが、絵画の中ではそれぞれがどう関係しているのか、まずは作品の背景から伺ってもいいですか? 私の絵には女の子が登場するものとそうでないものがあるんですけど、女の子は私自身そのままというより、昔の自分につながる感情のような存在です。風景の方は幼少期のことを彷彿とさせるものが多いです。普段から景色とかものとか、どこか昔のことを連想させる何か見かけた時にはメモをしたり、カメラで撮影したりするのですが、それが作品のベースになっていますね。 WAITING ROOM, 2020, 29.7 × 42cm, Giclee Printing on paper, edition:50 齊藤拓未の作品はこちらから つまり少女はかつての齊藤さん自身のメタファーのように登場している。風景もかつてのことを連想させる役割をになっていますが、どちらも昔のことがキーポイントになっているんですね。  大人になるにつれて自分が抑圧されていると感じていて。それにつれて昔の自分なら持っていたような何かが流れていってしまうというか、どんどん自分がなくなっていく感覚がある。とても嫌な感覚なんですけど、それは。 でも風景とか、あとはモノですよね、そういう存在が昔の自分を思い出させてくれて。自転車を漕いでいる時に香ってきた落ち葉とか、雨が上がったあとの匂いとか、そういう日常的なものを通して昔のことを思い出せることがあるんです。「あ、これだ」というか、言葉ではうまく言えないんですけど、記憶が蘇ってくる感触がある。「あの時と同じだな」って。 その抑圧というのは人付き合いによって自分が押し止められるということですか。 ニュアンスは近い…かもしれないです。だんだんと集団でいることが嫌になっていくんですけど、でもそれに合わせてしまう自分がいる。「一緒に帰ろうね」とか「どこそこで待ち合わせね」とか、周りの友達がそう言ってくれることさえ少し窮屈だった。悪気があるとかはもちろん考えてないんですけど。 私にとって中高は空白期間で、思い出せる出来事がほとんどないんですよね。本当に、どうしてと思うくらい何もない。大人になるにつれて多くなると思うんですけど、そういう人付き合いとか、色んな制約とか、我慢しなくちゃならないこととか。でもそれに合わせているとだんだんと自分の中で何かが薄れていく感じがしていて、それにすごく危機感がある。「ああ、このまま自分が無くなっちゃうのかな」と。 friend, 2020, 45.5×38cm, oil on canvas そうすると作品はある意味で記録に近いようでもあるし、単純な風景や少女の描写ではない。 残しておきたいとしたら風景とか、目に見えてる何かというよりは感情の方ですね。女の子を描いていない景色も、あとはモノとかも、全て昔の自分につながる働きをしていて、だから人は描いていないけど、でも痕跡として残っているようには見せたいと思ってます。 だから「風景と女の子の絵ね」と思われがちな気がしますが、でも状況を描きたいわけではないんです。 経歴の話に少し移ると、齊藤さんは日本画を学ばれてますね。もともと日本画が志望だったんですか?  というより、最初はイラストの方でした。中高と漫画研究会に所属していたのですけれど、でも漫画というよりはずっとイラストを描いていました。その頃からなんとなく女の子の絵とかは描いていましたけど、当時は本当にイラストで。  でも周りの子みたいにものすごい詳しいとかでもなかったし、好きなイラストレーターの人の挿絵がある本は読んだりしてたけど、でもどっぷりという感じでもなくて。だから中途半端。  高校一年生の頃からぼんやりと美術系の大学に進みたいと考えていて、イラストを描いていたせいもあると思うんですけど、特に平面的な表現ができるなと思った日本画を選びました。どちらかというと画壇系の盛り盛りな感じよりはフラットな表現が好きだったし、受験の頃から立体的に描くのがすごく苦手で。デッサンとかも本当に苦手なんですよ。  現在ではアクリルや油彩を使っていますが、マテリアルの扱いに関しては文法が大きく異なると思うんですが、違和感はなく?  学部の頃は日本画の画材を使ってたんですけど、でも岩絵具を使っていると「なぜ使うのか?」のような意味づけを求められてしまう。あとは学部の頃から女の子を描いていたんですけど、日本画材でそれをすると美人画の文脈で受け取られてしまうんじゃないか、と。そちらに進みたいわけではなかったし、自分の描きたいものを考えるとアクリルでも問題なくできた。だから画材から描き方までけっこう変えましたね。 昔は髪とか顔とか、もっとディティールを描き込んでいたんですけど、もっと単純化させ、平面感を強める方向にシフトしました。普段描いていたドローイングがそれに近かくて、ノートにちょこちょこと描いていたものをタブローとして描いてみようと。結果的にそっちの方が自分にとって苦じゃなかったんですよね。 ただルールというか、自分で制限はもうけているとは思います。もうできないことはあまりしないようにしよう、と思っていて。色合いも薄くして、場所によっては色鉛筆を重ねてみたり、曖昧になってしまうので特定の方向に強めるような感じです。 忘れる, 2020, 31.8×41cm, oil on canvas  現在の風景と少女の組み合わせを画面に持ち込んだのはいつ頃から?  2年前くらいです。学部を出た頃かな。その頃は写真で切り取った風景とかを入れたり、少し画面がごちゃごちゃとしていたんですけど、それも幼少期という時間に設定しようと決めて。  よく分からない感じというか、より複雑にはしたいと思ってますね。ただでさえ平坦なタイプなのでペラペラになってしまいがちになる。もっと分かりにくく、もっと複雑に、とは気をつけているかな。その方が何回も見たくなると思うんです。でも最近はそのまま描きすぎているかな、とも。  作品と自分自身のつながりが強いことに抵抗はありますか?  個人的な作品になっているということがですか? それは前に少し悩んでいて、というか、今も時々は考えるんですが…。 あまりにも描いていることが個人的過ぎるのかな、と。ただマイクロポップの作家さんのように、あとはナビ派の人たちとか、いつの時代にも個人的なこととか、身の回りのことを描く人たちはいるのかなとも考えていて。自分の描きたい作品とか、描いていて無理がない作品について考えるとそっちなんじゃないか、と。あとは納得の問題だとは思うんですけど。 個人的なことを描いている作家は好きですか?  好きですね。個人的というか、さりげない、身の回りのものを使った作品と日常の断片を描いている方々は好きです。この間ワタリウムでやっていた青木さんとか、西村有さんとか、古いところでいうとドニ、ヴュイヤールとか…。  モランディも好きです。いつも画集は近くに置いてます。あとはナビ派の人たちはやっぱり好きですね。テーマとかモチーフの点ですごく参考になる。それから画家ではないんですけど、青山静男さん。子供を描き始めた時に一番影響を受けたし、今でも見失いそうになる時によく見ています。  イラストをずっと描いてきたということですが、イラストの遺伝子は自分の絵画に感じますか?  …どうだろう。でも、確かに言われる時はありますね。「イラストだね」とか、そこまで露骨なわけじゃないですけど、でも言われます。  ただ最近はどっちもかな、とは思います。イラストとも言われるし、絵画とも言われる。確かにイラストはずっと描いてたので、その感じがあっても不思議ではないと思う。好きなイラストレーターの人とかもいますし。だから最近は中間でいいかなって考えていて。 イラストと絵画の中間を。 どっちの要素もあっていいんじゃないかって。どっちの要素もあるんなら、それはそれで本当なんだろうし。 描いている少女には表情が描かれていませんね。  描いている時の自分は冷静なんです。だから描かれている人物には表情がない。そこには距離があるんですよね。前に絵を見てくれた人から「齊藤さん自身は諦めている感じだね」と言われて、それはそうかもなと思いました。女の子というか、子供が登場している理由はさっきも話したと思うんですけど、でも子供を描いている理由自体はコンプレックスというか…、どこか憧れに近いのかもしれないです。子供であることに対しての憧れ。 やはり幼少期の自分自身や現在の自分を取り巻く環境とか、あり方に対する強く関係している。  やっぱり今の自分と小学生の頃の自分が地続きでない感覚がどこかにあって。小学生の頃の写真とか、先生からのコメントとか見ているとずっと明るいんですよね。「ああ、そうだったんだ」って。環境も変わったし、自分が変わってきて、昔から大人しい人もいると思うんですけど、私は変わったんだなって。 午後の公園, 2020, 33.3×33.3cm,...

“現代アートの歴史を辿る” 広重からゴッホの作品等1億画素の高精細画素による複製画の特集

この度、TRiCERAは大日本印刷株式会社による高精細印刷技術を活用した「プリモアート」の販売を開始致します。今回は精密な複製技術により制作した葛飾北斎、歌川広重、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、フィンセント・ファン・ゴッホ、ヴァシリー・カンディンスキー、ピート・モンドリアン、グスタフ・クリムトの作品を販売します。 1億画素の高精細撮影による高い再現性 プリモアートとは、DNPが長年に渡って培った技術を用いた、高精細印刷技術。高解像度でデータを処理し、原画に限りなく近い色調やタッチを忠実に再現し、画材紙・キャンバス ・和紙・バックライトフィルムなど多様な用紙へ印刷することが可能です。 通常の印刷では4色のインキ(CMYK)を使用しますが、プリモアートは10色のインキによって再現可能な色域が通常よりも広いことが特徴の一つ。 作品の撮影には、1億画素超の高精細デジタルカメラ「PHASE ONE」を使用し、作品の色調や筆致、キャンバスや紙の目まで忠実に読み取り、原画に近い再現性を出すことが可能となっています。 広重からゴッホまで-今回の特集作家たち- | 葛飾北斎(1760〜1840 / 日本) 江戸時代に活躍した浮世絵師の一人。「北斎漫画」などの作品を残し、ゴッホなど西洋美術にも大きな影響を与えた。 【作品詳細】作家名:葛飾北斎作品タイトル:冨嶽三十六景_神奈川沖浪裏作品サイズ:29.7×42㎝ 作品価格:30,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック 【作品詳細】作家名:葛飾北斎作品タイトル:冨嶽三十六景_凱風快晴作品サイズ:29.7×42㎝ 作品価格:30,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | 歌川広重(1797〜1858 / 日本) 江戸時代に活躍した浮世絵師の一人。風景をメインにした作品は「ヒロシゲブルー」など色使いに特徴があり、ゴッホやモネなど西洋美術にも影響を与え、「ジャポニズム(西洋における日本文化の流行)」のきっかけともなった。 【作品詳細】作家名:歌川広重作品タイトル:名所江戸百景_亀戸梅屋舗作品サイズ:42×29.7㎝ 作品価格:30,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | クロード・モネ(1840〜1926 / フランス) 印象派を代表する画家の一人。「印象派」のネーミングの元となった作品を手掛けた画家でもある。 【作品詳細】作家名:クロード・モネ作品タイトル:オランダのチューリップ畑作品サイズ:42×59.4㎝ 作品価格:40,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841〜1919 / フランス) ポスト印象派を代表するフランスの画家。女性の美しさを追求したことでも知られ、印象派の中ではリーダー的な役割も果たした。 【作品詳細】作家名:ピエール=オーギュスト・ルノワール作品タイトル:ピアノを弾く娘たち作品サイズ:59.4×42㎝ 作品価格:40,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890 / オランダ) オランダにおけるポスト印象派を代表する画家。感情を率直に、大胆に表現した色使いに特徴がある。弟の尽力によって死後に高く評価され、中には100億円を超える作品もある。 【作品詳細】作家名:フィンセント・ファン・ゴッホ作品タイトル:星降る夜、アルル作品サイズ:42×59.4㎝ 作品価格:40,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | ヴァシリー・カンディンスキー(1866〜1944 / ロシア) 抽象絵画の先駆者の一人として知られる画家。「熱い抽象」とされる作風が特徴的で、晩年は不遇に過ごしたが、その死後になって評価が高まった。 【作品詳細】作家名:ヴァシリー・カンディンスキー作品タイトル:黄・赤・青 作品サイズ:59.4×42㎝ 作品価格:40,000円(税抜)額装:20,000(税抜き) 購入を検討するクリック | ピート・モンドリアン(1872〜1944 /...

それぞれ異なる距離からの異なる視線

“Gaze and Distance” at KOTARO NUKAGA The Installation View of “Gaze and Distance” (2019) ©KOTARO NUKAGA, Courtesy of KOTARO NUKAGA パブロ・ピカソやポール・セザンヌなどの歴史的なアーティストと現代のアーティストの展覧会を見たことがあるだろうか。東京のギャラリー「KOTARO NUKAGA」では今月、そのような展覧会を開催したばかりだ。同ギャラリーでは、20世紀初頭から現在までのヌード絵画を中心としたグループ展「Gaze and Distance」を開催した。テーマが面白かっただけに、参加作家のリストも面白かった。 ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、エゴン・シーレなどおなじみの作家をはじめ、トム・ヴェッセルマン、キース・ヘリング、マレーヌ・デュマなど20世紀を代表する作家が参加していた。また、日本のアーティストでは、藤田嗣治、斎藤誠、井田幸昌の3人がリストアップされていました。日本の新鋭作家の一人である井田幸正がまだ29歳であることを知れば、この展覧会のリストがいかに新鮮なものであったかがわかるだろう。今回の展覧会では、「裸体絵画」をテーマに、現代美術と歴史的な作品の両方を美術史の文脈で楽しむことができた。 ギャラリーによれば、ヌード絵画の歴史を辿ることは、美術の進化である美術史を振り返ることと同じだという。多様な身体描写は、20世紀のアカデミズムの終焉を経て、現代美術の始まりとして発展してきました。それはセザンヌから始まる。セザンヌのヌード画の作風は、当時の他の画家とは一線を画していた。彼は作品全体の構成のために、意図的に身体を絵画的要素の一つとして使用していた。三角形の構造を利用して構図を安定させ、人物と風景を調和させた「水浴客」シリーズは有名であり、現代美術の父と呼ばれるようになった。 身体描写の幅を広げた後、フォービズム、キュビスム、未来派、ダダなど様々な芸術運動が生まれました。例えば、パブロ・ピカソがセザンヌの浴場のシリーズに触発されて『アヴィニョンの若い女性たち』を制作したことは広く知られていますが、この作品では、セザンヌが描いた浴場のシリーズに触発されて『アヴィニョンの若い女性たち』を制作しました。 The...

「Huang Xoo Veen (Xoo)を知るための6つのポイント」

Huang Xoo Veen (Xoo)のアート作品はどれもパステル画のような柔らかいタッチで描かれているが、全てアクリルで制作されている。特徴としてマチエール(仏:matière)と呼ばれる「絵肌」や「素材の質感」のような物は殆ど感じない。幻想的で滑らかなタッチだ。「宇宙の体の器官と人間の体の器官は似ている」と表現するHuang Xoo Veen。今回は宇宙という美しく壮大なテーマを中心に、抽象的な表現を加えながら自身の感性を表現し続けるその作家性を読み解いていこう。 1.経歴 子供のころからアートには多大な興味を示していたが、学生の時に参加したコンテストで受賞したのをきっかけに、画家になりたい!という想いが強くなった。大学に入学するも、家庭の事情で7年間の休学。「二度と絵を描くことは無い」とまで思っていた。しかし時が経ち7年ぶりに大学4年生に再編入。心の中の傷を表現するあまり、先生には「憂鬱で、陰鬱で、グロテスクだ」と表現されてしまうような絵しか描けなかった。30歳で卒業した後に大学院へ進学。美しいものが好きでは無かったが、たまたま夜空を見た時に、月や星の美しさに目覚め、宇宙へ好奇心を抱き始めた。その時から作品に宇宙を取り込むようになった。 2.アートとコミュニケーション 誰しも自分が辛く感じた出来事を人に話したい、感情移入して聞いて欲しいと願っている。大学時代のHuang Xoo Veenは、その心の傷を作品に表現していた。自分の心の傷を癒したい、見てもらいたいという一方的な感情をぶつけるような絵であったことが感じ取れる。大学院への進学も「人とコミュニケーションが取れるような絵を描きたい」という願いを持つようになったからだ。会話はキャッチボールと言われているが、一方的に相手にボールを投げるような事をしてもそれは会話とは言えない。今では「宇宙」という壮大なテーマを含めて描くことで相手と同じ土台のテーマを作り、作品を通して私達とコミュニケーションを取っている。 3.作品への探求心の強さ 一度はアートから離れようとしたが、向き合う覚悟を決め再びアートの世界に戻っている。そこから作品への深い情熱や探求心を感じる。家庭の事情があったようだが、例え年月が経っていたとしても、自己表現やアートを諦めずにいても良いという勇気が貰える。苦しい経験も、次に生み出す作品への大切なステップ。諦め無ければ、空白の期間の出来事も全て作品をつくる素材としてステップアップできる。アートを制作するうえで人生に無駄な部分は無いと考えさせられた。 4.コズミックアーティストとは 主なコンセプトとして、宇宙・夜空・死・細胞・胎児などを挙げて、自分のことを「コズミックアーティスト(cosmic artist)」と名乗っている。作品の中で「宇宙」を様々な側面から捉えて、別の多種多様な要素と組み合わせている。例えば、宇宙と社会問題を組み合わせた「Ardent-Rising」という作品がある。Huang Xoo Veenは現代社会では同じように利点があっても男性の方が優遇されるという「男女格差」を感じ、それでも輝きたいという願いを込めて、宇宙の中に銀河のような赤い花を咲かせている。宇宙の静かで雄大な輝きと、自分の中にある果てしない願いを重ねて表現しているようだ。 5.Huang Xoo Veenが持っている感性 宇宙と不屈の精神を重ねた作品で、名前を「Immortal」という。宇宙は今も永遠に膨張し続けていて、銀河は消滅したり新たに合体したりを繰り返している。その宇宙の様子と、困難な瞬間に直面しても再び蘇る精神を、宇宙のように「繰り返し動き続ける」という点に重ね合わせて表現している。宇宙を科学的な側面で見ながらも、人間の心情に重ねて1つのアート作品にしようという発想には驚かされる。 「Again」という作品では、輪廻を思わせるようなキャプションが載せられている。宇宙には始まりも終わりも無く、それは人生もある意味で同じ。強い生命力を感じるような赤い光を持つ星が、絵の中で銀河の中心に描かれているのも興味深い。今度は「宇宙の不滅性」と、人生を巡る「輪廻の不滅性」を重ね合わせている。難しいテーマである生命を、巧みに宇宙と結びつける独特な感性が発揮されている。 6.作品に込められたメッセージ 美しく幻想的な絵はもちろんのこと、テーマと宇宙の共通点が何なのか考えたり、宇宙の様々な深い魅力を見つけることができるのは作品の魅力の1つだ。 作品に込められた強いメッセージ性。それを感じながら作品を通して共感したり、深く考えたりすることで、Huang Xoo Veenの言葉にじっくりと耳を傾けていきたい。

Feature Post

ユニークで魅惑的なペーパーアートの世界-パート-1

子供の頃、紙を使った工作は楽しかったですか?私は確かにそうでした! 折ったり、切ったり、接着したり、組み立てたり、色を塗ったり、お絵かきしたり。その可能性は大人になるまで無限大だったように思います。大人になってからは、電話を受けるときにメモを取ったり、パソコンに貼り付けて期限を知らせるものになりました。それは、トイ・ストーリーを見ているときでない限り、その魔法を失ってしまった。私は最近、魔法がその完全な栄光、ペーパーアートの領域で生きている天国のような場所を見つけました。老いも若きも紙を愛する皆さんと、それを共有させてください。 紙に光を当てる紙はアートを包含するメディアであるだけでなく、創造性の呪文を唱える素材でもあります。ペーパーアートの代表的なものといえば、切り絵でしょう。私もその繊細な仕事と素材の優しい質感が大好きです。(TRiCERA.NETで「紙」と検索して「素材」でご覧ください) しかし、この二人の作家が引き出す可能性を実感することは、夏の暑い日に氷河の湖に浸かるような、大人の私の目にはとても爽やかなものだった。テツジ山下 - 彼の比類なき技法は "ペーパーキルト "と呼ばれています。Lacy Barry - 生き生きとした人物像を "紙の彫刻 "と呼んでいます。 目に映るものを深く掘り下げ、それが語るものに耳を傾けるテツジ山下は、天職を見出したアフリカからインスピレーションを得て、国際的に活躍する日本のアーティストです。一目見て、その質感が飛び出さなければ絵画かと思ってしまいそうになりました。アフリカの部族的な色使いやモチーフから、何か複雑に織り込まれた布なのだろうと思っていましたが、そうではありませんでした。勘違いしていました。それは非常に複雑で詳細な、非常に細心の注意を払って紙の大きな部分に層になっている、切り取られた紙のすべての小さな部分です!彼の舞台裏ビデオは、彼の手仕事がいかに正確であるかの完璧なショーケースです。  https://youtu.be/H4tG-SOuHQ8 彼の作品をさらにユニークなものにしているのは、彼のオリジナルの詩が視覚的な作品に添えられていることです。永遠に続く物語のメッセージが、まるで人間の無常を象徴するかのように、彼の作品を完成させているのです。彼は「紙は生きている」と言います。この微細な紙片は音符のようなものであり、作品は楽譜である」。確かに、彼の壮大な紙のオーケストラと叙情的な詩の調和のとれた音が聞こえてくるような気がします。目にしたものを掘り下げて、それが語るものに耳を傾けてみてください。  束縛されない活気と都会的な洗練さカナダの大自然の中で育ったレイシー・バリーは、"色鮮やかなオーロラから地元のファーストネイションズ族のカラフルなセレモニードレスまで、自然と文化の驚異を体験した "という。彼女の素晴らしい立体的なペーパーアートは、彼女が目の当たりにした美しさを結晶化しています。山下哲治の作品とは異なり、紙が素材であることはすぐにわかる。しかし、それが紙であることには目を疑った。羽の形をしていたり、花の形をしていたり、建物の形をしていたり。子供の頃は複合折り紙や牛乳パックのロボットを作っていましたが、これは全く別のレベルです。彼女の紙や段ボールを使った工学の達人ぶりには限界がありません。 また、束縛されない躍動感と都会的な洗練さを巧みに融合させた作品にも注目したい。例えば《ユニコーンの翼、プレート1番》の大胆な色使いやグラデーションは、大自然のエネルギーが生き生きとしています。彼女が見たであろう様々なオーロラの濃淡を想像してしまうほどリアルです。花の壁掛けシリーズは、優雅な花を囲むような部族的で幾何学的な模様が際立っています。彼女の作るウェアラブルアートは、土着的なモチーフを持ちながらも、その解釈は現代的である。この芸術的本能こそが、彼女の "多面的なアーティスト "と呼ぶにふさわしい資産なのかもしれません。彼女のアートワークは冒険的に見えるかもしれませんが、磨かれたものはあなたの日常を飾るでしょう。  紙はアートのための媒体であるというだけではありません。彼らのようなアーティストがいると、私たち美術愛好家は、ペーパーアートの領域から目を離すことができません。1つとして、私はあなたが今後のアーティストに掲載されます。このようなより多くの楽しい発見のために、私たちのArtClipニュースレターを購読することを忘れないでください For more artworks by Tetsuji Yamashita, click here https://www.tricera.net/artist/8100122For more...

ルーヴル美術館が7月6日に再開。現状と取り組み、そして課題とは?

 コロナウイルスの流行によって世界中で大きな変革が起こった。アートワールドも例外に漏れず、大きな経済的打撃を受けているようだ。ではフランス・パリに位置する美の殿堂、ルーブル美術館にはどのような影響があったのか。  フランスの美術館は数ヶ月にわたる閉鎖の後、ようやく再開し始めた。しかし、そこに祝賀ムードはない。来場者はマスクを着用し、オンライン予約システムを通じてチケットを購入し、体温検査の結果を提出するという。アートを見る上で、奇妙で新しいガイドラインによって運営されているためだ。  パリのルーブル美術館は政府のガイドラインが変更されない限り、7月6日に再び来場者の受け入れを開始する予定だ。それでも、コロナウイルス前のようにはいかないだろう。フランスのアートマガジン、ル・フィガロとのインタビューで、ルーヴル美術館のディレクターであるジャン=リュック・マルティネスは、旅行の制限により来場者数に深刻な影響があると述べている。  マルティネスは、ルーブル美術館の来場者数が70%低下すると見込み、また来場者の属性も大きく変化するとの予想だ。マルティネスは、以前はチケット販売の75%が外国人によるものだったが、政府による出入国規制により大きなマイナスを来たすと述べた。ただフランスでは夏の間、長い休暇を取るので来場者数の割合としては少ないが自国民の取り込みに期待している。世間がアート業界に暗い予想をする中、マルティネスは楽観的だ。  通常、ルーブル美術館は1日あたり10,000~15,000人の来場者を迎え、世界で最も多くの人々が訪問する観光スポットの1つとなっている。以前は訪問者は複数の場所から入場できたが、現状はイオ・ミン・ペイが設計したピラミッドを介してのみの入場に限っている。また博物館の約30%は完全に閉鎖するなどの措置を取っている。  彼の予測では、今後数年間は美術館の展示方法など変わらないとする一方、2023年には通常形態に戻るだろうと明かした。マルティネスは現況を911直後の美術館の来場者が減少した状況になぞらえ、この打開には想像力が必要であり、またルーブル美術館にはそれをするだけの力があると説いた。 copyright by https://www.artnews.com/art-news/news/louvre-coronavirus-reopening-attendance-drop-1202689059/

星空を旅する時代のアートとは?

 星座の歴史は約5,000年前にさかのぼります。 メソポタミアの羊飼いたちが星空を見上げて星を繋いでいたという事実は、私たち人間が古代から漠然と宇宙に惹かれていたことの証拠です。 アポロ11号が月面着陸してから50年以上が経過した今、星空や星座を題材にした作品が数多く生まれています。科学の力で宇宙の秘密が少しずつ明らかになっていく中で、宇宙を題材にした作品も変わってきたのでしょうか。 内藤 博信   日本人は昔から月に魅了されてきました。それは、現代まで続く月見の行事や、和歌に月が詠まれていることからも明らかです。内藤は、鉱物顔料を用いて月を叙情的に描いています。 見上げて空に輝く月を見ると、自分の人生を振り返り、心の中に「静寂」を感じるという。目の粗い絵の具で描かれた青い月は、見る人の心に静けさを残してくれることでしょう。 アーティストの詳細はこちら 椛田ちひろ  インクジェット紙に黒のボールペンで不規則な形を描くことで知られる椛田。繊細で力強いボールペンの動きで、様々なものを描いています。 宇宙に散らばる惑星は、観測されたものから人間の想像力を加工して生み出されてきた。しかし、蒲田の「惑星」は、その存在があり得ないと思われる抽象的な形をしている。しかし、概念的な表現の中に「未知」の魔法がある。 アーティストの詳細はこちら 前川奈緒美 前川は、星の性質を自らの創造物と同一視する精神的な観念で描いています。 星が終焉を迎えた時、自分の中心へと向かい、物質を破壊し、爆発し、元素を撒き散らし、存在から消えていくと言われています。私は自分を知るために、自分の中心、自分の心を描いてきました。すべてはつながっている。前川の作品はエネルギーに満ち溢れているように見える。 オイルバー(油絵具や蜜蝋で固めたもの)を使い、時には筆の代わりに自分の指でキャンバスと体を一体化させている。 アーティストの詳細はこちら 言うまでもなく、宇宙は広大で、常に拡大し続けています。したがって、仮に人類の化学が究極の進化を遂げたとしても、その全てを知ることはできない。しかし、だからこそ、これからも人類の最大の廃棄物であり続けるであろう宇宙について考えずにはいられない。

自然現象の可視化、人間の感覚への刺激

赤松 音呂「メテオン」(ミヅマアートギャラリー) 'メテオン'は5月29日から6月29日まで開催中。神奈川を拠点に活動する赤松ネロの作品が、東京・市ヶ谷田町のミヅマアートギャラリーで展示されます。 目に見えない自然現象である地磁気の効果を主に研究している赤松。しかし、この目に見えない現象を、独自の方法論で表現しています。 自然現象を具現化することで、彼の作品は視覚、音、時間、体験を中心とした作品となり、現象学的な体験となる。 本展では、熱気化の原理を利用した「メテオン」と、地磁気の存在によって流動的に回転するインスタレーション作品「チジキグモ」の新作2点を発表します。 赤松 音呂とミヅマアートギャラリーの声明によると、人間は第六感として磁気を感じる可能性があることが近年の研究で明らかになっています。赤松はこの「地磁気」というテーマを作品に取り入れています。 熱の気化の原理や地磁気の影響を可視化した作品でありながら、五感で自由に作品や展示を感じてほしいと考えています。私たちの第六感とは何なのかはわからないかもしれませんが、本能的に何かの現象を感じることがあり、それを第六感としたいと考えています。赤松が扱うテーマを押し付けることはありません。 赤松の自動で動くインスタレーション作品は、微妙な音を出しながら動作します。目や耳といった人間の五感を刺激する作品は、私たちを目覚めさせてくれます。赤松が探求する自然現象を感じることができるかどうかは別として、慌ただしい生活の中ではなかなか感じることのできない「五感で覚醒する」という体験をしてみるのもいいかもしれません。 記事を書いた人:Jeongeun Jo韓国出身、日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。アーティストとしても活動しています。

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