水曜日, 9月 22, 2021
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アートで恐怖の館?ハロウィン編

もしもハロウィンのお祭り騒ぎが大好きならば、今年はコロナウイルスのおかげで、例年のようなパーティーが出来なくてガッカリしていることであろう。仮装を披露する相手も少ないし、「マスク」を着けるのはもう日常の風景となってしまった。そこでTRiCERAが提案するのは、あなたの予算とパーティー精神を自宅の装飾に当ててみてはいかが?

いつものハロウィンの家の装飾に加えて、あなたはアートを一つ二つ追加して気分を盛り上げてみる。季節の移ろいと共にインテリアを衣替えするのは素晴らしい日本らしい美意識。そこにハロウィンも加えて、来る年々のために特別な装飾を。あなたと家を訪ねたゲストに背筋に寒気の走るような、怖〜いお気に入りアート作品を探してみよう。

Jure Kralj

MIchele Pau

Il martirio by MIchele Pau
23 x 21 cm

Yumimi

Little Cho

Kate Glasheen

Sam Bulaga

 

Isaac Ishimatsuhttps://www.tricera.net/
1988年東京生まれ田舎育ちフランス在住。勉学や仕事には秀でるも、型破りな個性派として、生真面目な教師や上司を当惑させる多彩な日本時代を過ごす。極貧の子供時代からの夢である海外生活実現のため、カナダへ渡り貿易会社等で活躍。現在は語学習得と教授、TRiCERA勤務に勤む。陶芸工房での勤務経験、カナダの大学での音楽学習に、写真や芸術等幅広い関心を持ち、時代観察と文化比較の観点から、アートと日常生活の接点を書き出す。

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似顔絵の表裏

現代アートは遊び場になり得るのか?

"今が遊び時" 東京都現代美術館 大人になると、「ゲームをやめろ、おもちゃや友達と遊ぶのをやめろ」などと言われてきましたが、大人になってからも同じようなことを繰り返しているかもしれません。大人になってからも、同じようなことを繰り返し、このような質問をすることがあります。仲間とつるむのをやめようか、もっと勉強して頑張ろうか」とか、そんなことを考えることがあります。 そう、人生は決して楽なものではありません。それは誰にでも、どんな時にも当てはまります。では、「遊ぶ」時間をきちんと持てるのはいつなのか、何かで遊ぶことを心から楽しめるのはいつなのか。仕事や勉強の時間も必要ですが、遊びの時間を過小評価してはいけません。遊びの時間は、自分自身や世界に新しい価値観を見出す機会を与えてくれることがあるからです。 では、現代アートについてどのように感じていますか?美術館やギャラリーに行くと、遊びの時間として感じますか?そうでなければ あなたは現代美術をもっと勉強して発見すべき難しいテーマだと思っていますか?現代美術についてどのように考えていても、「現代美術は難しい」という意見もあります。 東京都現代美術館では、「今、遊ぶ時間」と題した展覧会を開催しています。子どもだけでなく、大人も現代美術の「遊びの時間」を楽しめるように企画された展覧会です。 本展では、Yoshiaki Kaihatsu, Kazuhiro Nomura, team Hamburg, Tanotaiga, TOLTA, Usioの6人のアーティストとアーティスト・コレクティブによる作品を展示します。それぞれの作品は、ゲーム感覚で参加することができます。第一展示室に入ると、壁一面が巨大なキャビネットで覆われている。圧倒的なスケールに加えて、キャビネットがボルダリングのクライミングウォールになっているため、目を引く。観客は作品に圧倒されるかもしれないが、キャビネットの扉を開けると別の展示室につながっている。ユーモラスで楽しい作品のようだが、作家の開発良明氏によると、「受験の壁」は、実は受験のプレッシャーやストレスを表現したものだという。 もう一つの興味深い作品は、タノタイガの「Tanonymous」。Tanonymousは壁一面を無数の仮面で覆っている作品である。作家の無表情な顔をベースにした多数の仮面が、参加型のワークショップから観客によって徐々に多様な顔に変化していきます。ワークショップでは、美術館が用意した素材を使って、無地の仮面を自由にデコレーションします。最終的には、これらの多様な顔のすべてが、'Tanonymous'の作品として展示されることになります。 アーティストのタノタイガは、基本的には美術作品の中で社会システムや価値観を探り、マスメディアや画一化された記号が日常生活の中で持つ力を考察しています。作品タイトルの「タノワイマス」は、作家名の「タノタイガ」と「アノニマス」の複合語です。作家は作品を通して、標準化された社会と現代社会に蔓延する匿名性を批判的に見つめています。観客が好きなように仮面を飾ることで、観客はやがて鑑賞者となり、同時に制作者となる。美術館の中の同じ顔が徐々に様々な顔に変化していく過程で、作家は自分の考えを伝えたいと考えているようです。 友達と遊ぶこと、おもちゃで遊ぶこと、どんな遊びでも、私たちに充電の時間を与えてくれます。展覧会を通して、作家は社会に関するテーマを表現しており、展覧会や美術館は遊び場にもなっています。現代美術が遊び場になるという意味では、展覧会を見る(遊ぶ)価値があると言えるでしょう。観客の参加が作品の一部となり、場合によっては観客の遊びの痕跡が作品の一部として残ることもあるでしょう。 東京都現代美術館では、2019年10月20日thまで「今が遊び時」展を開催しています。参加型のアート作品とともに、観客がアーティストと一緒に遊ぶことができる関連プログラムやワークショップも開催されています。詳細や情報はこちら。https://www.mot-art-museum.jp/en/exhibitions/time-to-play/。 記事を書いた人:Jeongeun Jo 韓国出身で現在は日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。彼女自身もアーティストとして活動している。

人のカタチの美しさを描き出す。美人画の歴史と現代とは。

美人画とは、美しい女性の容姿や所作を描く人物がであり、いわゆる女性美を扱った絵画である。女性を扱った作品は古今東西にあるが、美人画という用語は日本発祥の呼称であり、その様式からも「日本の女性美」を象徴的に扱った作品といえよう。 浮世絵師、菱川師宣に始まった美人画の歴史は、江戸時代を終えた後も、竹久夢二、上村松園らへと託され、庶民の低級な芸術と見なされていた浮世絵を原点とすることから批評家達から集中的な非難を浴びつつも、美人画の人気は大正5年頃には隆興を極めた。 世の中を席巻した当時の勢いこそないものの日本画の一大ジャンルであり、強靭な日本の文化であろう。 しかし、そんな伝統文化化した美人画の響きにはどこか古めかしいものを感じるが、かつて絵のモデルとなった遊女や花魁、茶屋の娘などが消えさった今でも、美人画を創作する者がいる。 光元昭弘 / Akihiro Mitsumoto 光元昭弘もその一人だ。 メディウムとしては日本画の岩絵具ではなく、油彩とプラチナ箔であるものの、描かれる女性の佇まいは美人画のそれであろう。 「余白を活かし、人物だけではなく、その人物が存在する空間まで表現したい」と語る光元の作品からは精緻なタッチで描かれた美人の息遣いや無機質な場の静謐さまで見事に表現されている。 また注目していただきたいのが背景である。女性が直に座るタイルやコンクリート打ちっぱなしの壁など、建築家として働いていたバックグラウンドが垣間見える。 作品の紹介はこちらから 丁子紅子 / Beniko Choji アーティストの性別が変われば、女性美への視点もまた大きく変わる。丁子紅子の作品との出会いは、そんな思いをふつふつと湧きおこす。 丁子は無表情な女性一人を画面に現す。女性と衣服、そしてその他のモチーフ一点ほどを、極力まで色を制限し表現するのは、鑑賞者の感情を入れ込む隙間をつくり出し思索を促すためだという。また背景もなく、自然視線が誘われる美人は幕末以降の美人画に見られる「退廃的美人」の要素が感じられる。 性や暴力が表現されることの多い赤と黒を使用し、毒々しい化粧や装いの女性を描いていることから、一瞥すると緊張感のある作品のように捉えられる。しかし、描かれた女性の表情を時間をかけて見れば、絵画からとても優しい温度が伝わり、緊張が緩やかに弛緩していくのが自覚される。見るたびに表情を変え、鑑賞者の心情を揺さぶる丁子の美人画は見飽きることがない。 作品の紹介はこちらから 今野雅彦 / Masahiko Konno ここまで紹介した作家は比較的過去の文脈に基づいたトラッドな作風のアーティストたちであった。しかし、美人画がもっている「日本の女性美」に現代のエッセンスを注入するアーティストもいる。中でも今野雅彦は極めて現代的な感性を感じさせる。 江戸時代における美人画は、モデルに似ているかは重要視されず、美人がどの浮世絵師の「型」で表されるかに重点がおかれた。その後、時代の進みに応じて、リアリティの追求がなされ女性の姿も現実に即したものに徐々に近づいていった。 今野は様式化された美人画をさらに更新し、まるでSNSにアップロードされている写真のように描く。「日本の女性美」を現代的な目線で捉えた結果の帰結なのか、はたまた偶然なのか。ともかく、今野の描く瑞々しい女性は「生きている」 作品の紹介はこちらから 池永康晟の人気からもわかるように美人画復興の兆しは確かに存在する。美人画の歴史を今後紡いでいくアーティストは果たして誰だろうか、画面に佇む美人を眺めながらそんなことを考えるのもいいだろう。

上床加奈 / 中島健太 / 野田怜眞による版画作品

TRiCERA人気作家による版画販売 先行予約はこちらhttps://forms.gle/tugNmB9D1QEhPLSq5 この度、TRiCERAではフジテレビのWEBメディア「フジテレビュー」に登場したアーティスト 上床加奈、中島健太、野田怜眞の3名のアーティストの版画作品を予約抽選販売致します。【販売に関する諸注意】(1) 作品にアーティスト直筆サイン、エディションナンバー入り。(2) 数量限定のため、在庫が無くなり次第販売は終了となります。(3) エディションナンバーは選択出来ません。(4) 作品の配送は本発売(2020年10月15日予定)より約2週間から1ヶ月のお時間を頂きます。(5) 下記の作品の仕様は制作前のものであり変更が生じる場合がございます。(6) お一人様一作品あたり2点までご予約いただくことが可能です。 上床 加奈《Blood 6》 アーティスト:上床 加奈 Kana Uwatoko タイトル : Blood 6 エディション:30 イメージサイズ(作品の図の大きさ):176 × 700mm シートサイズ(用紙の大きさ):196 × 720mmジクレープリント・ホログラム加工...

小山登美夫ギャラリーからMAHO KUBOTAまで7月に行きたい展覧会

 新型コロナウイルス流行以前には考えられない生活を送る中、全世界の各業界で「ニューノーマル」に対応する動きが見られる。アートにおいても例外ではなく、業界で働く者から鑑賞者・コレクターも展覧会やアートフェアの中止、延期、行動制限など、コロナによる動乱によってアートとの関わり方に影響が様々に及ぼされたことであろう。  そんな昨今、来場者に対して細心の注意を払いつつ、国内屈指の有名ギャラリーらは先頭を切って新たな展覧会の開催を決めた。今回は、小山登美夫ギャラリー、MAHO KUBOTA GALLERY、ミヅマアートギャラリーの3ギャラリーをご紹介する。  小山登美夫ギャラリーでは7月10日(金〜8月8日(土)の期間、桑原正彦展「heavenly peach」が開催される。本展は作家にとって当ギャラリーにおける12回目の個展となり、新作も発表される。  桑原は1990年代の後半から一貫して、「いま住んでいる環境に対する人間の欲望による変化」に着目して、作品制作をしてきた。  進化、効率、大量生産、加工、洗浄、商品価値を求めるのに伴う破壊、汚染。60、70年代日本高度成長下の幼少期の思い出とともにある様々な変化を、奇妙な生物、ペットとしての動物、おもちゃ、風景、折込チラシの無名の女の子たちや建売住宅のイメージを通して作品にしている。  本展のタイトル「heavenly peach」は芳香剤のような、何かが終わった後に残っている微かな香りのイメージだと桑原は言う。現代への皮肉や空虚感はありつつも、決してつき放すわけではない。「いま住んでいる環境に対する人間の欲望による変化」に着目してきた彼の作品世界に触れることで、今後の「ニューノーマル」な世界に対する自己のあり方を再考してはどうだろうか。 開催概要展示名:「heavenly peach」会期:7月10日(金)〜8月8日(土)参加作家:桑原正彦会場: 小山登美夫ギャラリー六本木(​東京都港区六本木6丁目5−24 complex665)営業時間:11:00~19:00定休:火曜日 お問い合わせWeb:http://tomiokoyamagallery.com/メール:info@tomiokoyamagallery.comSNS:https://twitter.com/tomiokoyama MAHO KUBOTA GALLERYでは 7 月 1 日より村井祐希の個展「ゆらいむうき」を開催する。 これまで自身が発明した「オムライス絵具」の使用や「着る絵画」「動く絵画」などペインティングの身体性を独自解釈的に追求してきた村井祐希。本展では村井の鋼の実践のもとに安易な絵画論を超えた圧倒的な熱量の作品群が出現する。 絵画における「身体性」についてのステレオタイプな言説を超えた大作の「動く絵画」、そして「運動体をともなった絵画」など、規格外の作品によるインスタレーションが発表される今回の企画だが、既存の体制・構造について常にアナーキーに向きあい続けた村井の内面の一端が垣間見える展示となっている。 アートは型に押し込めることのできない境界線が曖昧なモノではありつつも、往々にしてアーティストは自己と世界との対話を繰り返しながら新たな表現を生み出してきた。鑑賞者は想像の主導権に揺らぎをもたらされながら、村井作品との深度のある遭遇を果たすことによって、新たな時代を生き切り開くアーティストの内面を理解するだろう。どうやら「ニューノーマル」な時代を生きるのにアートやアーティストから学ぶことは多そうだ。 開催概要展示名:「むらいゆうき」展会期:7月1日〜8月1日参加作家:村井裕希会場: MAHO KUBOTA GALLERY(​東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F)営業時間:12:00~19:00定休:月曜日、日曜日、祝日 お問い合わせWeb:http://www.mahokubota.com メール:info@mahokubota.com  アーティスト・加藤愛(愛☆まどんな)の個展が、6月24日から7月18日まで、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催される。  本展は、6年前より制作が開始された「彼女の顔が思い出せない」シリーズを中心に構成されている。「目を閉じると自分がどんな顔をしていたか思い出せない」という、アイデンティティと密接な関係である顔との乖離をきっかけに、現在の顔をある種記録的に描写する。現在の「今顏」を残し、自分と対峙するために製作された同シリーズは代表作となった現在も、「彼女の顔が思い出せない」シリーズを加藤は変わらぬ姿勢で製作している。  本展のタイトルは、コロナ禍によって中止されたアートフェア東京に展示予定だった作品が行き場をなくして部屋の片隅に置かれている姿が、いまの情勢を表しているように感じ名付けられたという。作品と現在の生活状況とを見比べることによって、鑑賞者は感じ入るものがあるだろう。 開催概要展示名:「ひあたりのわるいへや」展会期:6月24日〜7月18日参加作家:加藤愛会場: ミヅマアートギャラリー(​東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F)営業時間:11:00~19:00定休:月曜日、日曜日、祝日 お問い合わせWeb:https://mizuma-art.co.jp/メール:gallery@mizuma-art.co.jp

オープンしたばかりのアートスペース「PARCEL」では、彫刻と絵画の中間のような作品が展示されていました。

小牟田 悠介個展“Space|aspec” at PARCEL The Installation view of “Space|aspec” (2019) by Yusuke Komuta at PARCEL Courtesy of the artist and PARCEL 今年6月、東京に新しいギャラリー「PARCEL」がオープンした。その第二弾として、9月21日から10月31日まで小牟田悠介の個展が開催されています。小牟田 悠介は、SCAI THE BATH HOUSEの代表アーティストの一人であり、大阪生まれの新進気鋭のアーティストです。 彫刻も絵画も専攻していないにもかかわらず、彼の作品は彫刻と絵画の中間のようである。 このような具象的な特徴の面白さとともに、彼の作品のテーマは素材の扱い方と同じくらいユニークです。彼の作品は、折り紙を広げた飛行機や鶴の線をモチーフにしたシリーズを制作しています。  ...

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Quick Insight vol.3 – 鈴木潤 | Jun Suzuki –

20代に上京し独学でアーティストとなった鈴木潤は、自分の中にあるあオリジナルなキャラクターをストレートに描き出し、「描き手と見る人」の間で鑑賞を通して生まれるコミュニケーションを重視する。「自分の頭の中を覗いて欲しい」という鈴木の独特な世界観やアーティストになった経緯について話を聞いた。 鈴木さんはボールペンをメインに、すごく細かく描き込んだスタイルでやられてますよね。まずは作品について簡単に伺えますか?作品は自分のなかにいるキャラクターを外に出してあげるような気持ちで描いています。描いても描いても湧いてくるんですよ、たくさんのキャラクターたちが。 ともだち紙・ボールペン, 51.5 × 36.4cm Buy Now アーティストとしてキャリアを始めたのは20代の前半でしたね。どういったきっかけが?  実は2014年に仙台から東京へ来たんですけど、別に何かあてがあるわけでもなく。それまでずっと飲食店で働いていて、ただ漠然と日々を過ごしてる感じだったんですけど、だんだんと好きなことを仕事にしたいっていう気持ちははっきりしてきて。「じゃあ好きなことってなんだ?」と考えたら描くことで、「じゃあ描くことを本気で頑張ってみよう」と。 東京に来てすぐに活動をスタートさせたんですか?  いえ、最初はデザインの研究所に入ったんです。夜間で、週に3回ほどのコースに通ってました。でも「なぜそこにしたか」みたいな突き詰めたものはなかった。漠然とした気持ちだったんですよね。  結局、つまらなくて半年でやめてしまった。その時に幻冬舎さんの雑誌でアートコンペがあって応募しました。ボールペンの作品だったんですけど、それが入賞して、僕としては「ああ、これでもいいんだ」って。ボールペンで描いたやつでも認めてもらえるんだって自信になりました。活動はそこからですね。 Jungle紙・ボールペン, 29.7 × 21cm Buy Now   ボールペンを使用した理由はなんだったんでしょう?好きな文房具なんです、単純に。ペンと紙だけあればどこでも描ける気軽さも、細かく描き込めるところも好きですね。 キャラクターは小さい頃から描いていましたか?そうですね、小学生くらいからオリジナルのキャラクターを描いていました。自分の妄想世界というか、そういうところにいるキャラクターたちを。大友克洋さんとか好きな漫画、あとはテレビとか雑誌に出てくるひととかモノとか、モデルはあるんですけど、多分そういうものを妄想に還元していると思います。 大友さんが好きなんですね。他にも影響を受けたカルチャーはありますか?フランスのメビウスさんとか、ペンだけですごいカッコいいものを描いていて尊敬しますね。他にもバンド・デシネの作家さんたちは好きです。 Memories紙・ボールペン, 42 × 29.7cm Buy Now 画家だとどうでしょう?一番は佐藤允さん、あとは藤田嗣治。あの人の伝記を読んで衝撃を受けて。生き方とか、考え方とか、その全部がすごいなと思ってます。 話が少し戻りますが、やってみたいことが「描くこと」だったと。どうして「描く」だったんでしょう?明確な理由はないと思います、もうずっと描いていたので。小さい頃から描くことが当たり前で、普通で、日常って感じでした。カレンダーの裏とか、テスト用紙の裏とか、とにかくずっと描いてたんです。今もそれが続いているような心地です ドクロくんの顔アクリル・キャンバス, 53 × 45.5cm Buy Now アーティストとして活動を続ける原動力も同じですか?変わりはないと思います。好きなものを描いて、描いたものを友達に見せると喜んでもらえたりしたのが嬉しくてっていうのを続けている感じです。 たぶん、自分が好きなものをみんなに見てほしいんだと思います。僕が僕の好きなものを描いて、それを周りに見てもらう。自分の頭の中を覗いてほしい 褒めてもらいたいとか、見てる人が自分と同じように楽しんでほしいとか、そういう本当にシンプルな気持ちでやってます。 活動続けてきて変わったところはありますか?作品だと、最近は色を使ってます。ずっとモノトーンだったんですけど、周りから色を使ってみたらとは言われていて。最近になってアクリルを使い始めました。 GOEMONアクリル・キャンバス, 41 × 38cm Buy Now  最後の質問ですが、これから変わっていくかもしれないところ、あるいは変わりたくないところはありますか?描くことが楽しいことは変わらないでほしいですね。逆に、それくらいかな。僕、自分の絵についての考えなんて本当に中学生レベルなことしか言えなくて申し訳ないですけど(笑)。でもずっと描いてきて、今も描くことを続けていて、その根っこにあるものは変わりないと思ってます。好きなものを描いて、みんなに見てもらってって。楽しいし、楽しんでもらえるならそれでいいと思ってるんです。美しく、楽しくありたい。それだけですね。 鈴木潤 | Jun Suzuki1991年宮城県出身。23歳の時に上京し、桑沢デザイン研究所に入学。学校を中途退学した後、「PONTOON“装画”コンペティション...

「100円から作品が買える仕組み」は世界をどう変える?「STRAYM(ストレイム)」が仕掛けるアートのゲームチェンジ

この記事について・「STRAYM(ストレイム)」は「100円から買えるアート」を提供するアートの分割保有型のサービス・「誰もがアートを買える世界」「アート市場の活性化」「転売時のアーティストへの利益還元」がミッション・広告/証券/テクノロジーのスペシャリストがチームメンバー SMADONA株式会社は「100円から購入できるアート」をコンセプトにしたプラットフォーム「STRAYM(ストレイム)」を2020年の末に正式ローンチすると発表した。  同社は2019年12月、広告などクリエイティブ業界に携わった長崎幹広をCEOとしてサービスをスタートさせた。アーティストのヒロ杉山ほか証券やwebシステム開発のプロフェッショナルなどでメンバー構成される同社の課題感は、主に2つ。・「アート購入者が一部の富裕層に偏っていること」・「日本アート市場の伸び悩み」 そして、そのソリューションとして同社が提案・開発・運営するのが、近年国内外に登場している「アートの分割保有」だ。 では、何が特徴か。 ネームバリューの高い作家/作品となれば悠に100万円を超えるアートは、必然的に、(借金でもしない限りは)その価格に見合う所得のある人々を買い手として流通する。が、そうして一部の人々の間でのみ流通することで評価の担い手もまた寡占的になってしまうことへの懸念が、同社の課題感の一つ。 「STRAYM(ストレイム)」では作品それ自体ではなく、作品に付随するオーナー権を販売対象とし、それを複数人が100円という少額から購入できるシステムを構築する点が特徴。「富裕層」以外の人々も作品購入ができる仕組みによって上記の課題を解決する狙いがある。 「少額から購入できるアート」を増やすことは、必然的に購入者の拡大に、そして市場それ自体の拡大につながる。「STRAYM(ストレイム)」のもう一つの課題である市場活性化へのソリューションだ。 一方、同サービスによって解決を目指すさらなる課題が、転売時におけるアーティストへの還元。アメリカ・中国・スイス・日本など西洋諸国を除く先進国では、現在、オークションなどにおける転売時の作家への利益還元が法的に保障されていない。「STRAYM(ストレイム)」ではサービス内にてこれを仕組み化し、オーナー権のリセールによって発生した利益の数パーセントをアーティストへ還元することで再分配の平等性を図る。転売において疎外されていたアーティストをその当事者にする考えだ。 今後は2020年の正式ローンチを目指し、21年にはサービスのアプリ化と英語他対応、22年には海外拠点の設置をマイルストーンに事業を進め、またオークションハウスと連携した施策も実施していく。「アートの買い方」をゲームチェンジさせる「STRAYM(ストレイム)」の取り組みは、経済を軸にしたアートの関係者図式を、大きく変化させるかもしれない。 参照URL:https://fundinno.com/projects/131

初めて現代アートを購入するなら版画がオススメ!-高精彩プリント作品-

この度TRiCERAでは各国より選りすぐった13名のアーティストによる限定エディション・高精彩プリント作品をDNP社からの技術協力を得て販売致します。プリントだからこそ味わえる、アーティストが描き出すイメージの力をダイレクトにお楽しみ下さい。なお今回の企画に伴い、購入後のインタビュー(5~15分:メールもしくはお電話)にお応え頂いた方すべてにオリジナル額(Aの場合:2万円相当)を無料プレゼントいたします。額装をした上で配送させて頂きます。 *11月30日までの期間限定キャンペーン*ご好評のため12月31日まで期間延長!!ご希望の方は、購入後にお送りするメールにご返信ください。 今回の版画作品に関して A. 本格的な現代アートを楽しむ:10万円(税抜) B. 現代アートを幅広く味わう:(A3) 5万円(税抜)、(B3) 3万円(税抜) C. 入門編として現代アートに親しむ:(A3) 1万5千円(税抜) 版画-複数の人が楽しめるアート DNPの技術革新 今回の版画作品に関して 今回の企画には使用する素材や技法、テーマが異なる総勢13名のアーティストが参加し、それぞれ下記のような3つの種類で版画作品を用意しました。 A. 本格的な現代アートを楽しむ A2(42 × 59.4cm)の大型サイズに加え、エディションナンバーとアーティストによる直筆サインがつきます。また、最新のブロックチェーンを使用した証明書によって永久に真贋が保証されます。 サイズ、直筆サイン、エディションナンバーがあることで価格も10万円(税抜)となりますが、しっかりとアートを楽しみたい方、コレクションされたい方におすすめです。 B. 現代アートを幅広く味わう A3サイズ(29.7 x 42.0cm:横長の場合)に加え、B3サイズ(36.4 × 51.5cm:横長の場合)を用意し、エディションナンバーとアーティストのサインデータが印字されています。 価格はA3サイズは3万円(税抜)、B3サイズは5万円(税抜)とご用意しております。ご自宅の壁のサイズに合わせてお好きなサイズをお選び頂けます。 C. 入門編としてアートに親しむ サイズはA3(297 ☓...

人間にとっての動物、もしくは動物にとっての世界の話。

レオナルド・ダ・ヴィンチの『小貂を抱く貴婦人』とは−言うまでもなく著名な作品ではあるけれど−上品そうな女性がオコジョを腕に抱いているにおける、54.8 cm × 40.3 cmのペインティングだ。オコジョは純潔性の象徴らしいが、一方で14-5世紀の貴族の間では著名なペットでもあったという。 人と動物の共生の歴史は長く古く、遡ればラスコーの時代から人々は動物を飼い慣らし、時に愛玩し、時に狩のパートナーとして生活を共にしてきた。 古代エジプトでは動物に名前を与えていたし、古代ギリシャでは亡くなった犬のために墓穴を掘り、墓石を建て、飼い主はその墓にメッセージを刻みつけて悲しみを形容する習慣があった。 作品の詳細はこちらから かくも長い歴史だが、とはいえ、動物が絵画の題材となり始めたのは、動向としては、主に17-8世紀頃のことだった。 博物学の一環として動植物がイラストレーションされることは多々あった。けれど「動物画」として、つまり絵画の一ジャンルとしてフラン・スナイダーズやジョージ・スタッブスのように動物をメインをモチーフとした画家たちの登場はその時期を待たなくていけない。 では、なぜ人は動物の絵を描くのだろうか。 第一に、ダ・ヴィンチ のような象徴的用法もあるだろう。実在する動物ではないが(少なくとも筆者は見たことがない)、例えばユニコーンは、少女の清らかさを指し示すモチーフとして15世紀の絵画界で使用された。 この象徴という見方は、絵画の中に動物がいることについて一種のストーリーを読み取ることを許すだろう。例えば少女と動物をモチーフにするSELUGI KIMの作品を見てみよう。 作品の詳細はこちらから 彼女の絵画の中の少女が一緒にいるのは友人でも家族でも、ましてや学校の先生でもミッキー・マウスでもなく、一匹のフラミンゴだ。 「文化と愛という名のもと、社会では偽装が多く行われている」と彼女は語るが、その言葉と共に鑑賞すると、フラミンゴと少女しかいない世界は社会の矛盾や清廉さとは反対の、ある種の理想郷的な世界を物語っている様を読み取りたくなる。 作品の詳細はこちらから 動物の「イメージ」という点ではどうだろう。 例えば狼は『赤ずきんちゃん』『三匹のこぶた』など物語の中では常に悪役だ。そして狼と聞けば、どうだろう、善良的なモラリストをイメージすることは少ないのではないか。この物語が作り出した狼の運命について、苅谷はそれとなく言及している。 人間によって紡がれ、語られて来た物語のおかげ嫌われ者になってしまった狼。ある種のイメージ操作の結果をを、そしてそのイメージを固定し続ける者たちの姿を、彼女は公平な視点から描き出している。 作品の詳細はこちらから ペットという視点ではどうだろうか? 人はペットを、自分たちの異種の家族を、どう描いてきただろう。そのストーリーはどうだろうか。 萩原のペインティングにおけるペットは、ある意味、現代の風俗が見て取れる。 〈we use botanical shampoo〉と名付けられた作品に描かれる犬たちは、思うに、普段からボタニカル・シャンプーで身を清めているに違いない。 作品の詳細はこちらから 反面、ペットの視点から描かれた作品も存在する。久保俊太郎の絵画がそれだ。...

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加藤公佑 個展「Re-scope」を開催致します。

この度TRiCERAでは2/20 - 2/27 の会期にて加藤公佑の個展「Re-scope」を開催致します。これまで風景の分解と再構築というキーワードからランドスケープの構造や視覚そのものの曖昧さに言及するような作品を制作してきた加藤。今回は「誰かの視点」をコンセプトに、SNSから引用した画像をベースにしながら制作したペインティング約12点を展示します。SNS上にアップロードされ流れていく写真の多くは「他人の視点」であり、実体験として私たち自身が獲得したものではありませんが、しかし今日デジタルシフトによって日々絶え間なく、私たちはその「他人の視点」を大量に受容しています。もはや、ひょっとすると自らの肉眼で風景を眺めているよりもずっと第三者の視覚を通している方が多いかもしれません。加藤のペインティングは風景が分解され、色彩や形態が崩され、言うなれば情報が変換される瀬戸際を描いていると言えるかもしれません。今回の作品と展示で彼はデジタル化した視覚世界に生きる私たちにとって見ることとは何か、かつてと今とで「見る」にどのような違いが生まれたかという、ものの見方に関する問い直しの機会を目指しています。加藤公佑がキャンバスにおいて展開する、風景や視覚をめぐる実験と冒険を、是非ともお楽しみ下さい。 展示情報会期:2021/02/20 - 2021/02/27会場:TRiCERA Museum東京都港区高輪3-22-5 SDS高輪ビル※本展示は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から完全予約制とさせて頂きます。来場の場合は下記のフォームよりご予約下さい。みなさまにはご不便おかけしますが、何卒ご了承下さい。 予約はこちらから    

中国でアートのチャリティーオークションが開催。コロナ禍でアートは何ができるか?

 アートは人間の役に立つか?  あらゆる考え方ができるだろうが、実際的な機能を考えれば役に立たないと考えることもできる。この頃のニュースで忙しなく流れていたように表現するならば「不要不急」といったところであろう。  コロナ禍において、日本では文化・芸術に携わる職業者に対し国が補助金を与えることについて批判する声が小さくない。「文化芸術不要不急説」が横行しているのだ。ドイツを筆頭に世界各国が文化・芸術に手厚い支援を行う昨今、日本は逆行する情勢にあるのだ。ただ我々日本人が知らなければならないのは、現在のような有事の際に、アートは思わぬ形で社会に役立つ、ということである。  アメリカのアートマガジン”ArtReview”によれば、中国の美術館や文化団体から成るグループが、コロナウイルスのパンデミックの影響を受けた100以上の学校に予防衛生用品を提供することを決定したという。資金源は「Standing Together Through Thick and Thin」と題した一連のチャリティーオークションはHOW美術館、Yitiao、Modern Media Group(ArtReviewとArtReview Asiaが加盟している)、ART021、そして中国国内外の80以上の主要なアート機関やギャラリー(Hauser & Wirth、Edouard Malingue、BANK、Perrotin、Lissonを含む)によって開始された。寄贈された美術品、版画、希少な収集品の売却益は慈善団体である「上海宋慶齢基金会」が子供用マスク、デジタル体温計、消毒剤、その他の保護物質を購入するために使用される。   Yitiaoオンラインプラットフォームを介して行われるオークションは、3月2日(エディション、版画、収集品)、3月3日(現代美術I)と3月4日(現代美術II)に開始され、それぞれ2日間続く。He Xun、aaajiao、Yin Xiuzhen、Lorna Simpson、Gregor Hildebrandt、Esther Mahlanguなど錚々たるメンバーの作品がすでに寄贈されているが、オークションはさらに個人のアーティストやパトロン、企業からの寄贈も募っている。   募金活動の声明の中で、主催者は「伝染病で確認された患者の数が増加している背景には、非感染者の貧しい生活があります。この流行に直面して、私たちは最前線で繰り広げられる医療の戦いを行っている人々に敬意を表します。ウイルスと闘うための勇気ある努力は、私たちをより安全な位置に置くためのものです。私たちは芸術を通じて、困難な現在に芸術が勇気を奮い立たせる力を持っていることを示し、この大きな不安の時代を経て、より良い生活への憧れを抱くことができるように、私たちのやらなければならないことを遂行したいと考えています」と述べた。    先日、緊急事態宣言が解除されたものの「with コロナ」の生活は今後も続き、引きこもりがちな生活はしばらく続きそうだ。その際、我々を楽しませてくれるゲームや漫画、テレビといったエンタメも、自分の作品に人生を費やしたアーティストやそれを支援する者によって培われた文化・芸術という強固な地盤があったからこそ生まれたのだ。  アートのように「不要不急」なものにこそ、人生の豊かさが潜んでいるのではないだろうか。 参照元: https://artreview.com/news-27-february-2020-auctions-coronavirus-pandemic/ Copyright the ArtReview 

Jose Cachoを知るための6つのポイント

モダンな雰囲気を感じさせる美しいアート作品を生み出すJose Cacho。作品の中で女性の立ち姿が多く描かれているが、これは演劇鑑賞のように、見ている人達が作品の中に入りやすくするための1つの手段として描いている。世界的にも有名なグスタフ・クリムトの絵画から影響を受けており、小さなモザイクが生み出す視覚的なアートの表現に力を入れている。こだわりを感じるのは、様々な種類の画材を使って、何千ものモザイク部分の素材を自分で作っているところだ。 1.経歴 メキシコを中心に活動をしている男性のアーティスト。2016年から2020年の間に制作された作品では、人間の状態に関連する問題、特に「生命」や「知識」を社会的なバランスの原因として意識しテーマにしている。また多くの作品の中で女性が描かれているが、これは知恵と愛を永遠に伝える存在として「地球上の女性の存在」を意識し、描写されている。 2.インスピレーションの昇華 Jose Cachoにとってアート作品を制作するのに大切であるインスピレーションの源は、新聞やファッション雑誌、広告などの身近なメディア。そこから得たインスピレーションを個人的なビジョンを通して作品へと変換することで、人間の本質を捉えたメッセージ性を作品の中に持たせている。メディアから「情報」として得たものを、深く考えることで新しく目に見える形としてアート作品を生み出すという、その巧みな技には驚かされる。独りよがりな作品では無く、実際に今、この瞬間を生きる人々が問題としていることを作品に取り上げたいという熱意を感じた。 3.モザイクが与える視覚的な効果 Jose Cachoの作品は非常にシンプルな構図で描かれている。モチーフの数も少ない。でもそのシンプルな構図のおかげで、何千もの種類で描かれたモザイクの部分に注目して見ることができる。モザイクの部分のディテールが細かいために、シンプルなのに飽きさせないという独特な個性を持っているアート作品だ。例えば「Turn it over」という作品では、2人の女性がシンメトリーに立っていて、2人が着ているスカートは、それぞれの正方形に一つ一つ違う模様が描かれたモザイク柄になっている。女性の顔には立体的な表現を表す影が描写されているが、体には立体感を表すような影などは描かれていない。わざと目に付くように平坦なスペースにモザイクを描くことによって、ディテールをよく鑑賞することができる。さらに体の立体感で、モザイクの印象を後ろに下げないという効果がある。 4.人間の本質を捉えたメッセージ 「Sel Love」という作品では、シンメトリーに配置された同じ顔の2人の女性が一緒に1つの薔薇の花を持っている様子が描かれている。この作品を読み解いていくと、人間の本質を捉えた面白いメッセージが伝わってくる。実はこの2人の女性は別々の存在では無く、一人の女性が自分を見つめなおしている様子を描いたものだ。ここでは「自己愛」について取り上げており、人間が抱えがちな虚無感に対して警告とアドバイスをしている。その虚無感を埋めるために、世の中では会社を探す人が多いが、「本当に大切なのは自分自身との関係だ」とJose Cachoは言う。自分を愛せない人はいつまでも幸せにはなれないし、満足感を覚えることもない。人間関係の中には、自分自身と向き合うことも含まれている。 5.モザイクの印象を操る 女性が横を向いて腕を組んでいる様子が描かれている「Impatient」という作品。ここでは今までとは違って、モザイクの一つ一つが大きく同じようなパターンの模様で描かれているのが特徴的だ。モザイクの印象を大きく変えることで表現の幅を広げており、ここではターコイズと温かみのあるゴールドから背景の質感に深みを演出している。腕を組んで穏やかな様子では無い女性からは「焦り」の大切さを伝えていて、時には自分で自分に圧力をかけることで、焦って大切な答えを見つけようとする。人生において「これは正しいのだろうか?」と疑う瞬間は誰にでもある。そんな時に焦ることは正確な決断を下すために、自分の味方になってくれるという前向きな味方が込められている。 6.Jose Cachoのメッセージ 作品に込められているメッセージは、どれも私達を激しく糾弾するようなものでは無い。人間の本質的な問題に対するアドバイスや、解決策を多く教えてくれている。そこから作品を通して、彼の優しさを感じ取れた。問題を抱えがちな人間だからこそ、Jose Cachoの作品を見るたびに、生きていくうえで大切なことを忘れないようにしたい。そしてこれから彼が見つけだす、人間の状態を掴んだ新しいメッセージにも目を止めていきたい。

漫画のアート化は何を生むのか? 集英社による「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」が目指す、次の漫画のあり方

集英社によるマンガ原画をエディション作品化するプロジェクト「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」。今回は集英社・デジタル事業部の岡本正史、コレクターの小池藍、アーティストの曾超を招き、それぞれの観点からみた「マンガアート」の可能性、アート業界との交流性について座談会を行った。 方法論としてのアートは漫画の継承を変えるのか - 今回は集英社さんがスタートされた越境EC事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」についてディレクターの岡本正史さん、コレクターの小池藍さん、アーティスト曾超さんを交えてお話できればと思います。まずは岡本さんから簡単にプロジェクトの概要をご案内頂ければと思いますが、今回の事業のきっかけは漫画のアーカイブだそうですね? 岡本正史(以下、岡本) そうですね、そもそもの始まりは2007年頃に集英社が開始した、コミックスのデジタルアーカイブ「Comics Digital Archives」(略称CDA)です。当時はまだ「デジタルアーカイブ」という言葉自体が耳馴染みのない時代でした。それが時を経て、デジタルコミックスへの活用はもちろんですが、それ以外にもアウトプットのあり方、世の中に漫画を伝える方法があるんじゃないかと模索した結果の一つが今回の「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」なんですね。  概要としてお話しすると、まず1つ目には単純な原画の複製ではなく、アート作品としてのクオリティを持たせるということ。2つ目にはスタートバーンのアートブロックチェーンネットワーク「Startrail」に接続して、1点1点の来歴を記録していきます、ということ。最後には漫画の原画アーカイブが文化庁を絡めた事業として始まっていて、紙の漫画をどのように後世に伝えていくのかという問題意識を背景にしていること。少し長くなりましたが、この3つを柱に立ち上げたんですね。 - 漫画の継承のあり方としての作品化と流通という側面があると思いますが、その「アート化」するにあたっては見る方も、もちろんつくる方にも違ったロジックがあると思います。 岡本 これは今日参加して頂いているお二人がどう感じているかお聞きしたいところなんですが、プロジェクト側としては「アートを漫画にする」と考えた時、漫画をファインアートの文脈の中に持ってきて流通させるのが果たして良いのかどうなのかと考えるんですね。あくまでも漫画は漫画、アートはアートという風に異なった文脈と共に発展して来た。だからこその「MANGA-ART」という、漫画とアートの間にハイフンを入れていて。漫画アートの新しいジャンルを作りますよ、という方が良いんじゃないかな、と考えたりしています。 小池藍(以下、小池) 良い考え方というか、とても柔軟な捉え方だと思います。それに今回は越境ECを選択していらっしゃるところもなお良いな、と。市場的なところで言うと、アートの市場って世界全体でも7兆円ほど。日本だともっと小さいし、こうした取り組みをするなら海外を相手にするというのはすごく良い判断だと思うんですね。 岡本 ありがとうございます。それでいうと、日本はだいたい3500億円程度ですよね。 小池 「大きく見積もって」という前置きが付きますね。純粋な売買にフォーカスすると通常では2500億円程度と言われています。 岡本 なるほど。漫画でいうと、デジタルコミックスの去年の売上が3500億円程度と蜜守られているんですね。しかも日本だけの数字です。世界を含めたり、あとは紙のコミックスを含めるともっと大きい市場になる。あえてファインアートの流儀に完璧に合わせるより、漫画は漫画として培ってきた文脈を活かす方が発展の仕方が豊なのかなと考えたりはします。もちろんファインアートの方とコラボすることはアリだと思うんですが。 小池 いや、それは本当にそうだと思います。世界規模で7兆円のアート市場にアニメや漫画の市場規模を足す。以前から、ディズニーのセル画がオークションで破格の値段がついたり、と、その世界にもコレクションという考え方はありますよね。漫画に固有のコンテクストを活かしながらアートとして広げていく、という考えはすごく面白いと思います。 岡本 その「漫画をアート作品にする」ということを考えたとき、これは特にアーティストである曾超さんに伺ってみたいのですが、純粋にどう見えるのかな、と。  曾超さんは油彩を使った、すごくテクスチャーが際立った作品を制作していますよね。作家さんの手が直に関わった、言うならば身体感覚が強く出ている作品だと思うんです。今回の漫画アートは伝統的な油彩であったり、タッチや立体感がある作品とは別物で、まさに平面性にフォーカスしているんですが、ペインターとしてどういう風に感じるのか、その点を伺ってみたくて。 曾超 そうですね、一般的にファインアートのペインティングだと確かに物質性や身体性を重視しますね。平面の像よりも物質性の感覚を大事にする傾向にあって、そこは漫画と大きく違う考え方だと思います。  ただ平面性と言った時に思い浮かぶのはやはり村上隆さんのスーパーフラットですね。中国でもアニメや漫画の文脈を持った作品はありますけど、でも批評家の反応はよくない。「日本の方がクオリティは高い」と言うんです。だから、ある意味では日本独特の考え方というか、ものの作り方のような気はします。 - 物質性という話が出ましたが、今回は印刷を特にこだわっていますよね。特別な印刷技術の使用という、テクニカルな部分がモノとしての価値を与えているのかな、と。 岡本 ありがとうございます。それはタイミングの問題もあって、本当に運が良かったと思ってます。というのも特別な印刷機、それから職人さんにお願いをしていて。  少年ジャンプは樹脂板という、凹凸のある版を毎週つくって大きな活版輪転機で印刷にかけるんですが、これは質がいいとは言えない紙に印刷している。週刊のマンガ雑誌の価格にみあった紙と印刷なんです。でも「活版印刷機で、本気で美しく刷ったらどうなるのか」と。それを行うには、高速で印刷する輪転印刷機ではなく、質の高いプリントが行える活版平台印刷機が必要です。昔は都内にたくさんあったそうですが、今はもうほとんどなくて。今回は長野の印刷会社さんにあるのを共同印刷グループに見つけていただき、印刷も熟練の職人の方にお願いしました。 小池 今の話を聞いて思ったんですが、やはりチーム力ですよね。基本的には作家が一人で仕上げていく油彩やアクリルによる作品はそれはそれで魅力があるんですけど、でも漫画は漫画家がいて、編集の方がいて、それから印刷の方がいてって総合的なクリエイションになっている。 岡本 そうですね。漫画の背景って実は意外と知られていないので。でもこの機械も技術も、このままだと失われてしまう。これが継承のきっかけになったら面白いし、すごく意義があるとは思いますね。 小池 いや、それは本当にそうだと思います。世界規模で7兆円のアート市場にアニメや漫画の市場規模を足す。以前から、ディズニーのセル画がオークションで破格の値段がついたり、と、その世界にもコレクションという考え方はありますよね。漫画に固有のコンテクストを活かしながらアートとして広げていく、という考えはすごく面白いと思います。 岡本 絶妙なバランス感覚の世界ですよね。 小池 いや、本当にそう。若手の作家なんか特に気を使いますね。というのは、今まさに国内オークションが盛り上がっていますけど、国内で極端に高くなり過ぎると海外のギャラリーは良い顔をしないというか、扱おうとしなくなるんですね。「これじゃ自分たちがやっても利益が出ないから」と。ただ逆にクオリティに対して価格が低いと「まだ伸び代があるな」となるわけですけど。 岡本 ああ、すでに価格が出来上がってしまうと…。 曾超 中国でもセカンダリーはすごく影響が強いですね。特に香港などはすごく勢いがある。そこに振り回されてしまうアーティストもいたりしますが。 小池 もちろん国内という、決まったエコノミクスの中で活動していくことも方法の一つだと思うんですが、でもアーティストのステージにもよりますけど、やはりセカンダリーの価格ばかりが伸びてしまうと世界に出ていきにくい。  そういうキメの細かいハンドリングが必要になる現代アートの世界に対して、今回のプロジェクトはもっと柔軟な発想ができるな、と。仮にセカンダリーのマーケットができたとして、それが漫画家に大きな影響を及ぼすわけではない。それにブロックチェーンでもしっかり管理されてますし。 岡本 やっぱりブロックチェーンはきっかけとして大きいですね。来歴も記録されていくし、将来的には追求権のようなことも考えられる余地がある。集英社が発表している複製原画ですらセカンダリーですごい値段がついている状況がありますが、ブロックチェーンの仕組みをつかった作家さんへの還元の仕組みも研究していければ、と思っています。 あとキャリアという話で言うと、今回は3名の先生にお願いしているんですが、いずれは新人漫画家さんにお願いしたいな、とも。 紙のマンガ雑誌の仕組みは厳しくなっているところも多いと思います。マンガ雑誌の原稿料と、コミックスの印税に加えて、漫画アートが、収入のひとつに育っていくとよいのではないか、と。デビュー当初の漫画家さんの100万円と、ベテランの100万円って重みが全然違うでしょうし…。 小池 作家にとっての新しい選択肢ですよね。LINEマンガとか、デジタルコミックスのおかげで作家になれるハードルは下がった、でもそれだけで生計を立てるのは難しいという中で今回のような選択肢があるのは良いと思いますね。…実は4月から美術大学で将来のマンガ含む作家に対してアントレプレナーシップを教えるのですけど、まさにそうした部分ですよね。 岡本 そうですね。漫画をどう継承するかという問題と向き合っていくことはもちろんなのですが、一方では変化していく漫画そのもの、漫画家さんのキャリアそのもののあり方にも関わっていける方法とも言えて。まだ始まったばかりではあるんですが、今日頂いた話も含めて、展開はどんどん柔軟に考えていきたいですね。 Profile岡本 正史 | Masashi Okamoto「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」事業責任者・ディレクター。東京芸術大学美術学部卒業後、株式会社集英社入社。女性誌~女性誌ポータルサイトを 経て、マンガ制作のデジタル化に参加。集英社刊行の主要コミックスをアーカイヴしデー タベース運用する「Comics Digital Archives」を企画・実現。 小池...

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