日曜日, 5月 29, 2022
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3分ニュース-次のアーティストが来る場所




新宿にある損保ジャパンの美術館は、1976年に設立されました。ゴッホの「ひまわり」をはじめ、ゴーギャン、セザンヌなどの作品を収集し、年5回の展覧会を開催している東京を代表する美術館です。


A hunter’s feast
Shiori Saito
oil/canvas, 162×194cm, 2019

若者の発掘にも力を入れているこの美術館が、第8回目のコンペを開催しました。年齢や所属を問わず、本当に力のある作品」を条件に、全国から作品を募った。

コロナウイルスの影響で展示は中止となりましたが、今回は全国から応募された875点の中から選ばれた71点の入賞作品が展示されました。


Looking at tomorrow
Kazuhiro Otsuki
Acryl on canvas, 162×194cm, 2019

今回は、いくつかの作品が受賞したハイライトを通して、日本の若いアートシーンを紹介したいと思います。


A record about physical
Matsuura Kiyoharu
Acryl on canvas, 162×130.3cm, 2019



Shinzo Okuokahttps://www.tricera.net/
1992年東京都出身。大学でインド哲学を学んだ後出版社に勤務し、アート雑誌と神社専門誌の副編集長として雑誌及び書籍の企画・編集に携わる。2019年にスタートアップ企業である株式会社TRiCERAに参加、日本初の現代アート専門の越境ECの開発及びアーティストのマネジメント、自社オウンドメディアの立ち上げを担当する。特技は速筆で、雑誌時代には1ヶ月で約150ページを1人で取材・執筆した。

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3分で学ぶまもるの魅力

必見アーティストの魅力をギュッと3分でお届け 今回は、SNSを舞台に活躍する作家「 まもる 」の魅力をクイックにお届け。 現在TRiCERA ARTでは、世界126カ国以上から、4,000人を超えるアーティストと約52,000点のアート作品を掲載中です。その中から、今見逃せないアーティストをキュレーターがご紹介いたします。 作家の特徴 SNSを主戦場とするソーシャル時代の作家 イラストレーターとして活動 デザインスキルを活かし作家活動を開始 SNSで1万人フォロワーを抱える人気作家 作品を見る 作品のユニークさ 若者世代をターゲットにした作品作り 想像を広げるため無表情な女の子を描く SNS文化に根付いた作品を制作 飾りやすいキャンバスプリントを制作 作品を見る キュレーターコメント アートの難しさや敷居を下げてくれる作家 今だから描けるものを実直に描く作家 無表情な女の子が想像を広げてくれる 既存のSNSでの流行りを取り入れる 作品を見る アーティスト経歴 武蔵野美術大学卒 まもるの作家ページはこちらから 現在、TRiCERA ARTでは、世界126カ国以上の絵画・写真・彫刻などのアート作品約52,000点掲載中。

英国にて新しい現代アートのコンペが誕生

この4月27日、イギリスで新しい現代アートの公募賞が始まった。名前は「Sequested Prize(Sequestedは隔離されたの意味)」で、新型コロナウイルス(COVID-19)の災禍を被っている現代社会を意識したネーミングになっている。 アーティストのW. K. Lyhne、アートキュレーター兼アドバイザーのFru Tholstrupを発起人とするこの賞は、新型コロナウイルスに苛まれる現状に抗うプラットフォームの創生を意図し、既存のアーティスト及び新人アーティストのための公募として創設された。応募規定は以下のようになる。 ・現役の美大生あるいは過去20年間にアート系の学位を取得・卒業した者 ・作品は自画像に限定する ・サイズは縦横1.5m以内 ・締切は2020年6月30日 ・作品提出はオンライン 受賞者は最大で15名に絞られ、受賞作品は1週間の会期でトリスタン・ホア・ギャラリーにて展示・販売される。売上の10%は公式慈善団体への寄付に、10%は展覧会の費用に充当される予定だ。 「アート市場は苦しんでいるが、同時に、アーティストは自己反省の機会を育むことができる」とアナウンスする創設者。この取り組みが果たして業界のモチベーション維持や市場沈滞にコミットするかどうか、それは定点観測してみなければ分からない。だが現状では、少なくとも現代アートの市場や業界を支える立場にあるプレイヤーは、改善を求めて行動しなくてはならないのだ。 また「誰にでも開かれた賞」を公言しているこのコンペだが、参加資格は十八歳以上及び英国在住の者に限られる。何事も「とは言え」はつきものということか。 段落 参照元:https://www.thesequestedprize.com/

ARTIST CONNECT – mamoru → ichigomochi

TRiCERA ARTにアーティストとして参加された方を紹介しインタビュー後に紹介いただいた別のアーティストを紹介していく企画 ARTIST CONNECTについて 本企画は、最近TRiCERA ARTに参加された方へインタビューを行い、お話の最後に、まだTRiCERA ARTを知らない人から既にTRiCERA ARTに参加されている人も含めて知っているアーティストを紹介していただく不定期企画。 今回はichigomochiさんとお話をさせていただきました。 ichigomochiさんと作品について教えてください。 もともと育児日記として絵を描いていたのが制作の原点となります。子供のモチーフが中心で第三回文房堂アワードにてマルマン賞を受賞したこともあります。その後動物モチーフのものやその他にも様々なものに挑戦しました。デジタルツールを使用して制作を始めたのは昨年からでしたが、昨年5月には二人展をさせていただきました。現在の作品は女の子がモチーフのものが中心です。力強く見える一方で、優しくもあり見る人を映すよう心がけています。 ichigomochiさんの作品一覧はこちら タイトル:捕食ちゃん  サイズ:25 X 25 cm | 作品の詳細はこちら “捕食ちゃんは、背景の色の緑と髪の赤の相対的な色合いからくる「補色」と、何かに狙いを定めているような獲物を狙うような鋭い視線、肉食獣のようなイメージからくる「捕食」を掛け合わせた意味を持つ作品である。目標を持ったらブレずに一直線に進んでいくような、強い気持ちを持って何かに挑戦したくなるような気持ちにさせてくれる。” タイトル:ハイヒールちゃん サイズ:25 X 25 cm | 作品の詳細はこちら “ハイヒールちゃんは大人の女性像を表した作品である。赤色の口紅に赤色のネイルが黒髪とコントラストになっている。力強くて隙がない、足元はハイヒールを履いている女性をイメージして描いている。大人になったからといって、めそめそ泣くこともあれば思い悩むこともある。ハイヒールちゃんという女性像はそんな思い悩む気持ちを吹き飛ばしてくれる作品である。” TRiCERA ARTに参加しようと思ったきっかけはなんですか。 mamoruさんから伺い、面白そうだと思ったのがきっかけです。TRiCERAさんからもお声がけいただき色々考えた結果参加してみることにしました。

3分で学ぶKazunori Fujiの魅力

必見アーティストの魅力をギュッと3分でお届け 情報社会における仮想と現実を問う現代アーティスト「 Kazunori Fuji 」の魅力をクイックにお届け。 現在TRiCERA ARTでは、世界126カ国以上から、4,000人を超えるアーティストと約52,000点のアート作品を掲載中です。その中から、今見逃せないアーティストをキュレーターがご紹介いたします。   作家の特徴 時代性に左右されない、普遍的なものとは何か 情報化された現代社会を構成する「言葉」や「イメージ」からインスピレーションを得ている 物理的な世界に対して劣化することのないデジタルの存在について考察 情報が循環する世界を現代の風景として捉え風景画を制作している         空ろの間 #47 / Empty Space #47 W 22.70cm x H 22.70cm x D 2.00cm #絵画 #油絵 ¥30,000 +税 (税込¥33,000)   作品を見る   作品のユニークさ 循環していく世界 何層にも混ざり合った雨雲と蜃気楼のように広がる水面 時代背景を映し出している どこか俯瞰するような視点で描かれた静けさ   空ろの間 #22 / Empty Space #22 W 45.50cm...

「”もの”・”こと”の潜在的な等価性への挑戦」START ARTIST vol.6 ~ Kou Kikuchi

TRiCERA発のオークションイベント「START」第一弾の出展作家の"なぜSTARTに出展したか"を主軸にしたインタビュー、ならびに新作の紹介を行います。 オークションイベント「START」とは 2021年2月に行われた「START」。アートに携わる様々な人たちを「セレクター」としてゲストに招き、それぞれの視点からアーティストを選び、そしてその魅力を伝える言葉と共に、その作品をオークション形式で販売いたしました。「アートをこれから始める」という方にも分かりやすい設計を行い、またオークションがはじめての方、オンラインではじめてアートを買う方など、様々なひとたちの「スタート」になるような企画となっております。 作家紹介 菊地 虹 (Kou Kikuchi) 1994年東京都出身。2020年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。主な個展には「菊地虹 個展」(Room_412, 東京, 2020)、「KO KIKUCHI EXHIBITION」(GALLERY b. TOKYO, 東京, 2019)があり、主な受賞歴には「ターナーアクリルガッシュビエンナーレ2018 入選」がある。 作品一覧はこちら 「START」に参加したきっかけ コロナウィルスの影響で展示会などのイベントが無くなっていた中、オンラインで作品をみていただける機会が貴重と感じました。 STARTのセレクションに選定いただいてとても嬉しく感じています。 「START」に出典した作品について 作品名:馬、鉛筆の足跡は斑の中。 サイズ:27.3 × 19cm 技法:アクリル / 石膏 / 二水石膏 / 墨汁 / キャンバス STARTでは、"馬、鉛筆の足跡は斑の中。"というキャンバスの周りに特徴のある作品を出展している。もともと過去の作品には自作で額縁を作成した状態で販売を行なっていた菊池紅、絵画が造形物として扱われるということが増えている中で、キャンバスに余白を持たせるという意味も込めてフレームという機能をキャンバスの耳のようにアートとして演出できたらと考えてこの作品を製作した。このシリーズは"みみシリーズ"の作品であり、ものの存在のあり方を人々がどのように捉えるかに焦点を当てたものである。 作品は馬をモチーフとしているが、菊池虹がオランダのアムステルダムに行ったときに、インスピレーションを受けたものである。 "放し飼いにされている馬が何十頭も並んでいる姿が、海岸の石ころのように見えた" それは、本当は同価値ではないものが同じ価値に見えた体験であり、この馬をモチーフとした作品はその後の菊池虹の製作の原点とも言える代表的な作品である。 既存作品の紹介 作品名:Boy 作品サイズ:91...

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現代に残された「絵画を描く」こととは何か – 東麻奈美 インタビュー

美少女フィギュアや玩具をモチーフに、回転という動きを通し時間をキャンバスに閉じ込める東麻奈美。時間というシンプルで古典的な絵画テーマ、油彩画という絵画技法、そして現代の日本文化の一端を象徴する美少女フィギュアを組み合わせる東の作品は、絵画というメディアのレパートリーの広さ、そして現代において絵画を描くことの可能性をストレートに物語る。今回は制作の背景、これまでのキャリアについて話を聞いた。 東さんはこれまでに回転させた美少女フィギュアをモチーフにしながら時間や運動性を示唆するペインティングを制作してきましたが、テーマとしては未来派など西洋的な流れも感じさせます。まずは現在の作品について伺えますか?  もともと学生の頃から絵画に動きを閉じ込めることをしたくて、最初はブレとか揺れ、そういうものを納めようと取り組んでいました。当時はフィギュアではなくおもちゃだったり、本物のメリーゴーランドを長時間露光で撮影したものをベースに描いていました。  ただ当時描いていたのはどちらかと言うと抽象絵画。考えていたコンセプトでは自分の技量のなさもありどうしても表現しきれなくてかなり迷走していました。その中で、コマ撮りアニメのようにして回転を表現したりする実験をしていたんですが、実は私がアニメや漫画好きと言うこともあり、「フィギュアを回転させ、それをモチーフにしたらどうか」と。そしたらこれがハマったんですね。目に見える物理的な回転だけじゃなく、キュビスムや未来派の人たちがやっていたことを現代のモチーフに変えてやることで過去から未来にかけての時間の流れとしての回転が表現できる、と思いました。 抽象絵画を描いていたというのは少し意外でした。 今の作風からは意外に思われるかもしれません(笑)。これは私自身の問題というか、どちらかと言えば自分のコンプレックスに根差していて。というのも、私は絵がものすごく下手(苦笑)。とにかく「描く」ということが苦手なんです。高校の予備校から大学の初期の頃は真面目に絵画をやってみようとしてたんですけど、やっぱり描けない。油絵の描き方がさっぱりわからないんです。周りは楽しんで描いているし、まっさらなキャンバスに楽しそうに向き合っている。でも私にはそれが出来なくて、ただ色を扱うのは好きだったのである意味では逃避する先として抽象を選んでいた風ふしもあるんですよね。結局それも難しかったんですけど(笑)。 MERRY GO ROUND (ツインテール) 29.7 × 42cm, Giclee Printing on paper, edition:50 作品はこちらから 今はフィギュラティブな絵画を制作されています。真反対の方向ですよね。  今の制作方法にたどり着いたことですね、転機としては。ある種の解放に近い感覚です。今はモチーフになるフィギュアをターンテーブルに乗せて回転させ、写真を撮り、パソコン上で合成しながら絵画に落とし込んでいくんですが、つまり最初に描くものを定めることで、そもそも「何を描いたらいいか?」のような疑問を生まないようにした。設計図を用意してから描けばいいんだ、と。その点に気づけたことは私のような人間が絵画をやっていくためには大きい発見でした。 コンセプトやモチーフをしっかり定めてから描くことは自分の趣味性や感情を隔てる意味もありますか? あるかもしれない…というより、ありますますね。そもそも自己表現がすごく苦手な人間なんですよ。無軌道に作品を描けるタイプではない。きっちりしていて、真面目すぎるくらいに真面目というか。自由奔放に出来ないからこそしっかり設計して描くんですね。最近はそれもいいなと思っていて。感情や内発的で物語的な作品の良さもありますけど、私の場合は極限まで自己性を無くして、極限まで純粋に造形性を追求していくことかな、と。使用するフィギュアも自分の趣味とは極力離れたものを使う。自分の趣味とか感情が混入することを防ぎたいからで、本当に、純粋な意味でフィギュアの造形性をテーマにしたい。作品も究極的には目で見て、面白いと思ってくれたらそれでいいと思っていて。 嫌な言い方になるかも分かりませんが、端正な造形性を持った東さんの作品の場合、デジタルとアクチュアルな絵画の境が難しくなりませんか?あくまでも油彩を使用した絵画であることが東さんの作品にとっての一つの生命線な気もしていますが。  確かに「CGでいいじゃん」と思われてしまうかもですが、でも実物を見たときの筆跡や手で描いていることの痕跡も面白さの要素だとは思うんですね。その点こそ私がわざわざ油絵を続けていることの意地というか。やっぱり絵画の物質感は好きだし、その物質に対するこだわりのあるなしがイラストレーションと絵画を区分するとは考えています。 Installation view from MASATAKA contemporary こだわりの点で言えば、もう一つはコンセプトですね。東さんは時間や動きを平面に落とし込もうとしている。その考えはいつ頃から?  もしかしたら個人的な性質に根差しているかもしれなくて、私はものが劣化していく様が耐えられないんですね。ものが古くなったり、汚くなったりすることが耐えられない。ひとによっては古いものに愛着が湧いたり、革製品なんかは使い込むことで愛着を感じることもあると思うんですが、私は袋から出した新品の状態がピークだし、そのままを保ちたい。傷ついたり汚れたりなんて辛すぎるというか。だからモチーフに使うフィギュアも必ず新品を使うんですけど、最近は絵画にすることで閉じ込めているふしがある。 絵に関するバックグラウンドを聞かせてください。絵画を見始めた、あとは描き始めたのは小さい頃から? 本格的にというか、美術の歴史を意識しながら見始めたのは大学に入ってからですが、描き始めたのはもっと前ですね。実は母が漫画家をしていて、と言っても高校生の頃から私を産むまでのごく短い時期ですが。そのせいか「いずれは私も漫画家にならなきゃいけない」とずっと思っていて。強要されたわけでもないし、他に理由があったわけでもないんですけど、漠然とそう思っていたんですね。で、小さい頃からはずっとを漫画を描き続けていて、でも投稿するとか、雑誌で発表するとかいうレベルでは全然なく、趣味の域を出ないものでしたね。でも途中で自然と「自分は漫画を描きたいわけじゃないな」と気づき、むしろやりたいのは一枚の絵だろうと。 フィギュアを絵画に引用する点では、そのままの形でないにせよ、サブカルチャーの背景を感じる点ではあります。当時の絵画シーンは意識していましたか? 確かに漫画とか、あとはアニメですよね、その辺りのカルチャーを引用した絵画の流れも認識はしていましたが、でも私の場合はもっと個人的なものだったように思います。まっさらのキャンバスに描けない、だから何か設計図を用意する、だったら自分にとって身近なフィギュアをモチーフにしよう、という流れ。だから現代アートの文脈云々を意識してここに至ったというよりは、自分の中にある絵画との自然なやりとりの延長線上にあると思います。 活動を重ねてきて感じること、自身の作品について考える部分はありますか? 作品に対してもそうですが、最近はよく活動そのものについて考えますね。特に活動を続けるということについて。というのも、大学を卒業してみんな描くことをやめてしまうから。続けていてもやめていく。それは個々人の事情から止むを得ないことだと思うんですけど、でも学生時代はみんな同じアトリエで描いて、一緒に切磋琢磨していたと思うんですよ。でも今は一人で描いているし、同級生の作家も少なくなってきた。さっきもお話ししましたけど、私は自分自身が作家に向いているとは思えないんですよね。真面目で、設計図を用意しないと絵を描けないし、普通の家庭に育って特に変わったバックグラウンドがあるわけでもない。周りにはもっと絵を楽しんで描いている、もっと作家というあり方に向いている人がたくさんいる中、でも彼女たちはいろいろな事情から作家をやめて、なぜか自分だけが残っている。すごく不思議な状況だと思うんですよ。だからこそ意地になっているのかもしれない。意地の一言ですね(笑)。「とにかく続けよう」と。ずっと絵が下手だったけど大学院まで行って続けているわけで、その先に何があるかわからないけど、描き続ける先に何かがあるかもしれない。描くこともそうですけど、描き続けることは、多分もっと孤独な戦いなんでしょうね。 プロフィール1988年神奈川県横浜市生まれ。2013年女子美術大学大学院美術研究領域美術専攻修士課程修了。美少女フィギュアや玩具をモチーフに、回転という動きを通し時間をキャンバスに閉じ込める制作を行う。2013年福沢一郎賞受賞。主な展示に「メークリヒカイト4」レントゲンヴェルケ(2013)、「未来展」日動画廊(2016)、「ICON」MASATAKA CONTEMPORARY(2019)など。その他、NYや香港など多数のアートフェアに出品。

人のカタチの美しさを描き出す。美人画の歴史と現代とは。

美人画とは、美しい女性の容姿や所作を描く人物がであり、いわゆる女性美を扱った絵画である。女性を扱った作品は古今東西にあるが、美人画という用語は日本発祥の呼称であり、その様式からも「日本の女性美」を象徴的に扱った作品といえよう。 浮世絵師、菱川師宣に始まった美人画の歴史は、江戸時代を終えた後も、竹久夢二、上村松園らへと託され、庶民の低級な芸術と見なされていた浮世絵を原点とすることから批評家達から集中的な非難を浴びつつも、美人画の人気は大正5年頃には隆興を極めた。 世の中を席巻した当時の勢いこそないものの日本画の一大ジャンルであり、強靭な日本の文化であろう。 しかし、そんな伝統文化化した美人画の響きにはどこか古めかしいものを感じるが、かつて絵のモデルとなった遊女や花魁、茶屋の娘などが消えさった今でも、美人画を創作する者がいる。 光元昭弘 / Akihiro Mitsumoto 光元昭弘もその一人だ。 メディウムとしては日本画の岩絵具ではなく、油彩とプラチナ箔であるものの、描かれる女性の佇まいは美人画のそれであろう。 「余白を活かし、人物だけではなく、その人物が存在する空間まで表現したい」と語る光元の作品からは精緻なタッチで描かれた美人の息遣いや無機質な場の静謐さまで見事に表現されている。 また注目していただきたいのが背景である。女性が直に座るタイルやコンクリート打ちっぱなしの壁など、建築家として働いていたバックグラウンドが垣間見える。 作品の紹介はこちらから 丁子紅子 / Beniko Choji アーティストの性別が変われば、女性美への視点もまた大きく変わる。丁子紅子の作品との出会いは、そんな思いをふつふつと湧きおこす。 丁子は無表情な女性一人を画面に現す。女性と衣服、そしてその他のモチーフ一点ほどを、極力まで色を制限し表現するのは、鑑賞者の感情を入れ込む隙間をつくり出し思索を促すためだという。また背景もなく、自然視線が誘われる美人は幕末以降の美人画に見られる「退廃的美人」の要素が感じられる。 性や暴力が表現されることの多い赤と黒を使用し、毒々しい化粧や装いの女性を描いていることから、一瞥すると緊張感のある作品のように捉えられる。しかし、描かれた女性の表情を時間をかけて見れば、絵画からとても優しい温度が伝わり、緊張が緩やかに弛緩していくのが自覚される。見るたびに表情を変え、鑑賞者の心情を揺さぶる丁子の美人画は見飽きることがない。 作品の紹介はこちらから 今野雅彦 / Masahiko Konno ここまで紹介した作家は比較的過去の文脈に基づいたトラッドな作風のアーティストたちであった。しかし、美人画がもっている「日本の女性美」に現代のエッセンスを注入するアーティストもいる。中でも今野雅彦は極めて現代的な感性を感じさせる。 江戸時代における美人画は、モデルに似ているかは重要視されず、美人がどの浮世絵師の「型」で表されるかに重点がおかれた。その後、時代の進みに応じて、リアリティの追求がなされ女性の姿も現実に即したものに徐々に近づいていった。 今野は様式化された美人画をさらに更新し、まるでSNSにアップロードされている写真のように描く。「日本の女性美」を現代的な目線で捉えた結果の帰結なのか、はたまた偶然なのか。ともかく、今野の描く瑞々しい女性は「生きている」 作品の紹介はこちらから 池永康晟の人気からもわかるように美人画復興の兆しは確かに存在する。美人画の歴史を今後紡いでいくアーティストは果たして誰だろうか、画面に佇む美人を眺めながらそんなことを考えるのもいいだろう。

Artist’s Insight:ファビアン・フレッセを知るための6つのポイント

モノを見るうえで《色》は絶大なキープレイヤーだ。その日に着る服も、髪の毛も、料理だって色が担当する役割は大きい(カラーセラピーという色による心理療法だって存在するほどだ)ファビアン・フレッセの作品はまさしく色を効果的に使ったアートだ。四角いキャンバスの画面に美しいグラデーションだけを描いたスプレーアートは、見ている人のキモチの状態によって捉え方が大きく変わる。 1.幼少期から影響を受けた「大自然のなかの美学」 ファビアン・フレッセが1982年9月8日にドイツのヴッパータールで生まれた。幼少期から大自然に囲まれて育ったファビアン。自然がつくり出すカラフルな創造物は彼の美意識に大きな影響を与えた。例えば、彼が描いた空を連想させる作品がそうだ。本や映像では捉えきれない程の鮮やかで豊かな色彩が自然界には多く存在しているため、まだ色彩感覚の固定概念が定まっていない幼少期のうちにこのような環境で過ごせたことは、アーティストとして恵まれていたと言える。 作品はこちら 2.経歴 2006年から2011年まで、フレッセはエッセン自由美術学校で「ビジュアルアート」を学ぶ。ビジュアルアートとは「視覚芸術」の事であり、主には視覚で認識できる芸術表現のことを指す。幼少期の頃から大自然の美しさを「視覚」から取り入れてきた彼にとって「見ること」「どう見えるか」は重要なポイントだ。在学中には芸術賞「Essener Forderpreis 2010」にもノミネートされた。 作品はこちら 3.極めてシンプルなスプレーアート スプレーアートといえば街中にポップな絵柄で壁に描かれているようなストリート・カルチャーをイメージするかもしれない。でも彼の作品からはスプレーアートにありがちな「やんちゃな感じ」はしない。誰から見てもわかりやすい、心が落ち着く、実にシンプルな構図になっているのだ。 4.アイディアを形と色だけで表現 フレッセは細かいモチーフが一切描かず、少数の色のグラデーションだけで勝負した作品ばかりを描いている。作品のタイトルも使用した色について説明する言葉が並んでいるだけだ。このシンプルな構成によって色彩のみに集中させる、彼の狙いがある。彼の幼少期に影響を与えた木々や川の美しさがそうであるように、余計なものは一切入れない。ストイックだからこそ生まれる美的感覚は、もはや強さともいえるくらいに徹底されている。 5.光と色の美しい調和 もう一つ、彼が作品に仕込んだアイディアがある。作品をじっくりと鑑賞しているわかるのだが、キャンバスの側面にも色が塗ってある。《White Square with Rainbow on the Edges》は表面の情報を極限まで減らし、側面に重点を置いたユニークな構成だ。ただ画材で色彩を表現するのみでは無く、光による色彩の表現も組み込むことで、余すことなく作品全体を用いて表現している。 作品はこちら 6.現代美術の様々な要素を組み合わせ「先進的なアート」を表現していくファビアン・フレッセの前向きな精神 彼は色彩の他にも「光」に神経をそそいでおり、長時間露光を使用した夜景の写真が多く存在する。そのまま写真として作品を制作しているわけでは無く、そこに複数の色からなる垂直なストライプが上から描かれることで、作品に抽象的な独自性が与えている。彼は伝統的な考えに囚われず、現代美術の異なる要素を組み合わせて新しいアートを生み出したい、という前向きな精神を持っており、これから彼が生み出していく先進的なアートに私達は期待したい。 作品はこちら

デジタルはリアルの対義語か?平田尚也が目指す新しい彫刻の「場所」をめぐって。

ネット上から収集した素材を、仮想空間上にアッサンブラージュして制作される平田尚也の作品は、彼曰く「彫刻」として成立している。「あくまでもトラディショナルな彫刻をやっている」という彼の、厚さも重さもない、空間上に固定されることが存在要件でもあった彫刻をアップデートするその方法論や作品について話してもらった。 平田さんは仮想空間における彫刻作品を制作していますね。厚みや重さの無い、従来の空間的な尺度が無い彫刻作品です。ご自身の活動は、あくまで「彫刻家」という認識なんですよね。 -意識的なことで言えば、自分のことは彫刻家であり美術家と呼んでいます。主眼を置いているのは”形”を追求し彫刻史の現代的な見解を考察することです。実際にやっていることは、少なくとも私の中では、これまで彫刻をやって来た人たちと変わらないと思っています。形はつくっているけれど、でもそのアプローチが仮想空間の世界であるという点しか違いがない。 預言者 33 × 27.5cm 彫刻というと物質や空間の制限を受けるジャンルと連想しますが、そのフィルターは邪魔にならなかったのですか? -現在のスタイルのように映像でアウトプットする理由は、正直、最初は定まっていなかった。定まっていない時は、大方いつも情報量の不足から来る。色々と本を読んだり、あとは教わった先生が「彫刻とは時間と空間を伴うもの」と仰っていて。その時間化と空間化を彫刻の要素とするならば、私のやっていることは彫刻の条件を満たしているなと。現在の作品のアウトプットは映像や平面としてやっているのですが、その映像という出力の仕方が、自身の彫刻表現を考える時には合っていると思いますね。 ですが、その仮想空間における彫刻というアイディアはどこから出たんでしょうか。 -デジタルでやり始めたのは、だいたい学部4年ごろから。当時のちょっとグレた先輩が3DCGソフトで遊んでいるのを見かけ、すぐさま「これだ」と思いました。当時の自分が抱えていたものを解決できると思ったし、何よりこれは彫刻がつくれると直感しました。 でも、実はそれに先行して実写映像でやっていた時期があるんですよ。通っていた学校では3年生になると自由な制作期間が与えられるんですが、その時に困ったのが素材の問題で。つまり素材を入手する資金がなかった。彫刻はお金がかかるし、その問題に直面した時、自分が扱いたい素材はほとんど除外されてしまったんです。 DINER 33 × 36.6cm その打開策が、映像だった? -そう、まさに。少しうろ覚えですが、当時影響を受けたマシュー・バーニーが自分の映像作品を彫刻と呼んでいて「なるほど」と。つまり彫刻性さえ保てればアウトプットに制限することはなかったんです。それで試してはみたんですが、しかしクオリティが低かった。失望しましたね、自分に。同時にこれではダメだと思った。もともと海外のアーティストに憧れていたし、自分もそのレベルの作品をつくっていきたかったので。そうこうしている中で出会ったのが件の3DCGソフトだったので、まさに「これだ」でしたね。 平田さんの作品はオンライン上から素材集め、つまりデジタルな既製品をコラージュ的に構成使用して制作されますね。その点は、ご自身の何の意図と結びついていますか。 -意図というより、最初は方法の問題だったんですよ。自分としては従来の彫刻家とやっていることは変わらないつもりでいますが、でもデジタルで彫刻を制作すると、あくまで見え方や見せ方の話ですが、既存の映画やゲームとの線引きが難しくなってくる。つまり、どうやって現代アートの文脈上で作品を成立させていくかが課題でした。 Ouija #2 (The Grantham Tomb) 118.9 × W 84.1cm しかも彫刻作品として。 -そう、その方法が既製品を寄せ集める、つまりアッサンブラージュだった。実際の場合、使用した素材は物質として元の場所からなくなってしまうけれど、でもデジタルの場合は基本コピーだから無くならない。使用した素材が、この世界のどこかでは残っている。それが面白い。私の作品は、つまり世界のどこかで、いつ誰が作成したのか分からないものの寄せ集めなんですよ。ある意味で、それは現代の情報の結晶のように思えるんです。そこに気がついてからはコンテキストの構築は難しくなくなりましたね。 平田さんがデジタルにリアリティを感じられるのは世代的に、ネットの成長が並走的だったこともあるでしょうか。 -確かに私にとっては石とか木材の方が距離があるかもしれない。自分自身を含めて私の世代は、ネットと同時に育ってきた。ある時代の人たちにとっては自然や都市がそうであったように。生まれた頃からテレビゲームがあるし、インターネットがあって、オンラインの世界が構築されている世代だった。だからバーチャルには親しみが持てるし、それは並列的な存在として扱える。鉄や石と同じ列で見ることが出来る素材なんです。 Ouija #5 (Penelope) 118.9 × 84.1cm その素材が存在する場所が、つまり鉄などとは違うだけで。 -まさにその通り。私が扱う素材は、木材などとは違う場所、違う次元に存在している。情報として世界中のネットという場所に所在している。その点だけなんです。作品へのアプローチやそれ自体の成り立ちは、あくまで伝統に沿っているつもりですが、でも仮想空間やその他デジタルな用語や方法はけっこう時事的だし、そこだけ切り取られてしまう傾向にはありますけど。 実際の空間と仮想空間では、存在する情報が違いますよね。重さや手触りなどがそうですが、その点から見た場合の平田さんの彫刻作品のアップデートはどこにありますか。 -アップデートかどうかはともかく、私の作品には厚みが全くない。私の彫刻は内側が虚無なんですよ。これは今までにはあり得なかったこと。厚みを伴わない彫刻なんて無かった。その分というか、彫刻にとって重要なポイントである表面性にフォーカスする必要もありますが、存在の仕方として新しい局面に立つことは出来ると思うし、そうしたいと思いますね。私の作品の本体は仮想空間にあって、展示されているアウトプットされた平面や映像はそのアバターであり、プラトン的に言えばイデアの投影。複数要素を抑えた上で、形をつくる人として何が追求できるかが、つまり今後の課題になるでしょうね。 アーティストページはこちらから:https://www.tricera.net/artist/8100587

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必見アーティストの魅力をギュッと3分でお届け   空間のエネルギーを取り込む現代アーティスト「 Alexandra Dobreikin 」の魅力をクイックにお届け。   現在TRiCERA ARTでは、世界126カ国以上から、4,000人を超えるアーティストと約52,000点のアート作品を掲載中です。その中から、今見逃せないアーティストをキュレーターがご紹介いたします。     作家の特徴 新たな発見と、多彩な技術の融合 画材や手法への熱心な探究心、研究と実践を重ねている 空・海、自然現象などからインスピレーションを受けている インテリアデザインやテキスタイルデザインにも精通       Pink - Gold Geode Art, Marble Art. Gold, White, geode wall art, Resin art, Resin painting, Modern art W 30.00cm x...

3分で学ぶタケダヒロキの魅力

必見アーティストの魅力をギュッと3分でお届け 今回は、植物の生命力を絵画に吹き込む作家「 タケダヒロキ 」の魅力をクイックにお届け。 今見逃せないアーティストをキュレーターが厳選してご紹介いたします。 海外メディアに注目される人気作家 平和的なテーマを重視し、生命の美しさを絵画に アメリカ、スペイン、台湾にてニュース拡散 彼の根強いファンは多く、ファンクラブが存在 彼の絵に惹かれる動物愛好家のファンが多い 作品を見る 作品のユニークさ まるで散る花のようにモチーフを描く手法は唯一無二 色鮮やかな水彩でモチーフに生命力を与える 大きな花を作品内に取り入れ説得力を増す 所々、白抜きを行い理想の輪郭を想像させる 作品を見る キュレーターコメント TRiCERAを代表する作家、世界で影響力を増す コンセプトを共同で制作中 4月16日にはTRiCERAでの個展を開催 良きパートナーとして海外展開を支援中 作品を見る アーティスト経歴 2009年 個展「つながり」 名古屋造形大学 D2-3ギャラリー 2010年 グループ展(名古屋造形大学、TRANSIT、ボイジー大学 2012年 グループ展「expression design」ミレラギャラリー2014年 吉祥寺アートギャラリー「ESPERANZA」にて個展 2014年 アートコンプレックスセンターオブトーキョー コンペティション展 ARTLABO X 2014 2016年 軽井沢ニューアートミュージアム グループ展 ANIMAL MUSEUM 2018年...

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