金曜日, 1月 28, 2022
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「全てのアートプレイヤーにとってパートナーでありたい」株式会社between the arts CEO/Founder 大城崇聡

「全てのアートプレイヤーにとってパートナーでありたい」

そう話すのは、日本初のアート管理サブスクリプションサービス「美術倉庫」を展開する株式会社between the artsの代表取締役CEOの大城崇聡さん。もともとアートコレクターだった大城さんは「コレクションを管理してくれるスキームが日本にない」と感じたことをきっかけに事業を立ち上げた。
現在では元麻布にアートコレクターのための展示スペースも構えるbetween the artsの起業の背景、抱える課題意識について代表の大城さんに話を聞いた。

「自分も使ってみたい」がきっかけに

まずは起業の経緯についてお聞きしたいと思いますが、もともと大城さん自身はアートコレクターだったそうですね?

もともとファッションが好きで、その延長と言いますか、7年くらい前から作品をだんだんと買い始めました。ストリートカルチャーに繋がりのある作家さんが多かったですね。当時はKYNEさんとかまだまだ出始めの頃だったかな。だから、最初は一介のコレクターでした。仕事も不動産関係。職業的にはアートとは全然違うところにいました。

起業は2020年ですが、コレクターからアートビジネスのプレイヤーに至った経緯はなんだったんでしょう?

一重には「もし存在したら、自分が使ってみたいサービス」を思いついたことですね。1人のコレクターとして現在の事業のようなサービスがあったらいいなと感じたんです。だから最初はごくごく個人的な思いつきです。
というのは、実際に私もコレクションの保管や管理に悩んでいたから。日本の美術業界を「作品を購入する側」、言い換えると「作品を保有している側」から見ると、少し痒いところに手が届かないというか、実は足りない部分って意外と多いんじゃないかなと感じていたんですね。

何となく想像はつきますが、保管場所についてですか?

そう、どのコレクターにも共通する悩みです。コレクターの性と言いますか、やはり作品をたくさん買うし、たくさん保有するわけです。当然ながら家の壁は埋まっていく。やがて「飾る場所がない」という問題に突き当たる。
私自身もそうだったし、だから当時は倉庫も検討したんですが、でも少し高価な印象があった。いわゆるビックコレクターには妥当な価格かもしれませんが、サラリーマンコレクターのようなクラスにいる自分には合わなかったんです。

それでも作品は欲しい。

まさしく(笑)。
これはとあるコレクターの方から聞いた話ですが、その方曰く「何を持っているか分からなくなってこそコレクターだ」と(笑)。
それは極端な話だと思いますが、でも自分を例に考えると、やはりインテリアのように飾ることを想定して買っていないことは事実なんですね。「欲しい」と思ったら買う。そこには実用的な目的意識はない。家の壁に合うとか、他の家具に合うとかではなく、自分がその作品に納得し、欲しいと思ったら買う。だからある意味では家の中に置く場所がなくて当然だと思うんです。

作品は展示に貸出をしたりするので、中には家にある方が稀という作品もありますよね。

でも一方で危険だなと思うのは「あれ、あの作品って持ってたっけ?」となること。つまり自分のコレクションの把握が不可能になってしまうことは危ないと思っていて、それは作家さんへのリスペクトという点でもそうですが、その後の購入やコレクションの形成にも支障をきたしかねない。

「飾る場所がないこと」と「コレクションを把握してないこと」は別問題ということですね。

おっしゃる通りです。現実にたくさんの作品を保有するコレクターはいて、しかも作品を買い続けている。でもコレクションの数が多くなればなるほど、その把握は困難になる。

極端な話ですが、その究極系がコレクションの散逸ですね。

そう、でもせっかく形成したコレクションがそんなことになってしまうのは勿体ないというか、悲しいことだと思うんです。文化的な損失はもちろんですが、アーティストにとっても悲しむべきことだし、コレクターにとっても資産が失われることを意味してますから、誰にとっても歓迎すべきことではないですよね。
私自身もその問題に直面しかねなかったし、そう考えると危ういな、と。だから最初は「あったらいいな」なんです。自分のコレクションを適切に管理してくれるサービスがあったら良いな、と。自分も使ってみたいという、その気持ちが今の事業を始めたきっかけですね。

「不動産は管理会社があるのに、アートにはない」

先ほどのお話だと、between the artsさんの事業は作品を預かるだけではなく、「コレクションの把握を手伝う」ような、ある意味では資産管理に近いニュアンスを感じますね。

いや、まさしくそこが重要なポイントです。私たちがしたいことは「作品を預かって保管する」だけではない。その先にあるコレクションの管理を見ているし、そここそが今の日本のアート業界にとってまだまだ不足している部分だと思ってます。

作品を預けることと、作品を管理することにはどういう違いがあると思いますか?

ここのニュアンスは複雑です。倉庫を借りて作品を預ける、これはほとんどお客様だけで完結してることだと思うんですが、でも「コレクションの把握」は満たされていない。結局は自己管理の話ですから。
作品の保管だけではなくて、本当に必要なのは「自分が何を持っているのか?また、それらの価値はいまどうなっているのか?」を知ることだし、作品を持ち続けるということには色々なイベントも伴う。その全体をカバーしてくれるサービスやプレイヤーが日本には欠けていると思うんですね。
倉庫での保管の様子

細やかな発想だと思いますが、着想源はどこにあるんですか?

不動産の管理会社ですね。 もともと私がその業界にいたことが大きいのですが、不動産にはアセットマネジメントという考え方があり、保有している不動産を管理する仕組みが出来ているんですね。
不動産もアートも高単価ですよね。でもなぜか後者には資産管理という観点が欠けている。正直に言うと、アートは全体的に不動産よりも管理体制が雑な印象が否めなかった。事業として本腰を入れてやろうと思ったきっかけの一つはそこですね。

不動産とアートで似通っている部分もあれば、その反対もあると思いますけど、戸惑うことはありますか?
大きい違いとしては法律でしょうね。不動産は法整備がされていて、そちらを主なルールにして事業展開すれば大きな間違いは犯さない。けれどアートにはそれがない。でも全くルールがないわけではなく、諸先輩方が培ってきた不文律の決まりはある。事業として展開していくにあたってはいわゆる業界の掟のようなものには気を遣いますね。
例えばアートの仕事を始めようと思った時、アーティストが所属するコマーシャルギャラリーの方向には行かないようにしようとは考えていました。もともとは「アートもちゃんと管理した方がいいよね」という、1人のコレクターとして思ったことを実現したいだけなんです。
業界のポジショニングには気を遣われているんですね。
ポジショニングというか、単に「もっとアートの世界をよくしたいよね」と思っているだけです(笑)。
課題が多い領域ですし、競合しあうのではなく、手を繋ぎあう方が優先されるべきだと思うんですね。
だから、基本的には全てのプレイヤーにとってパートナーになりたい。現実問題、これがすごく難しい発想だというのは分かります。でもコレクションの管理にはまだプレイヤーがいないし、そう競合し合うこともない。ギャラリーからお客様へのサービス提案のひとつにうちが入れたら嬉しいし、みんな困ってる領域ですから。
これも理想ですが、私たちが関わることで作品のバリュエーションが上がってくれれば良いと考えています。それは資産的な意味だけではなく、文化的な側面でもそうですね。
具体的にはどういう意味でしょうか?
データをおさえることですね。個々の美術品にはそれを制作した作家さん、タイトルやサイズ、どこで買ったのかなど、様々な情報がある。作品の情報だけではなく、その来歴も重要な情報です。作品をお預かりすれば、例えば美術館への貸し出しなど出入りはある。その情報をしっかり管理する必要はあると思います。
自分のコレクションの把握や管理ができない状態を回避するには、そのデータを適切に管理することが必須になってくるでしょうからね。
他にもコレクションを展示するスペースもオープンされましたね。日本でもコレクターがオープンな姿勢をとることが増えた昨今のニーズをおさえている印象があります。
「自分のコレクションを見せる」という願望はあると思うんです。私自身がそうだし(笑)。なぜなら良いと思って買っている作品だし、それを同じ価値観を持っている人たちに共有したいというのは自然な気持ちだと思います。
港区元麻布にオープンさせたレンタルアートギャラリー「between the arts gallery」では、特定のコレクターにクローズアップしたコレクション展などを定期開催しています。自宅や倉庫に作品を眠らせておくよりもずっと健全な楽しみ方だと考えていますね。
レンタルアートギャラリー「between the arts gallery」

それも一つのコレクション管理のあり方ですね。

おっしゃる通り、自分が持っている作品をどのように管理するか、そこには展示のような動きを与えることも選択肢にある。そういった幅広いコレクション管理のあり方も提案していきたいと思っています。
重要なのはあくまでも美術品、アート作品を扱っているということ。不動産やその他の資産と同様の部分はあっても、アートの特質はおさえなくてはいけない。
日本のアート業界には色々なところに、色々な課題はあると思います。一つの会社が全部を解決することは難しいですが、私たちが取り組むのはあくまでも「コレクション」という領域にある問題。アートはインテリアとは違います。適切な管理は絶対に必要だと信じています。

大城崇聡 | Takatoshi Ogi
株式会社between the arts CEO/Founder
一般社団法人日本アートテック協会 代表理事
不動産テックカンパニーの創業に携わり、東証1部上場を経験。クラウドファンディング事業やトラベルテック事業などの新規事業の立ち上げや事業拡大を牽引。2020年1月、株式会社between the artsを起業。自身のアートコレクターとしての実体験を元に、アート作品の管理、保管、流動性に関する問題点を解決するため、日本初のアート管理サブスクリプションサービス「美術倉庫」を展開。歴史の長いアート・美術業界にテクノロジーをもたらし、日本のアート市場拡大への貢献を目指す。
Soyhttps://www.tricera.net/
ArtCLip Editor-in-Chief / Artist

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Ikeda ayakoは、自分の感情を肖像画という形でアウトプットする画家です。彼女は色や輪郭といった対象物の細部を表現することを目的としているのではなく、自分の感情や思考、自分自身の中で感じる動きを反映させています。絵画は自己表現のようなもので、彼女の精神を絵画という形でスケッチしているのです。 肖像画の作品が多いようですが、どのような作品なのでしょうか?まずは作品の説明をお願いします。 -作品はその時の気分に左右されるので、いつも描いているテーマが決まっているわけではないのですが、似顔絵を描くことが多いです。ただ、その時の気持ちの表情で似顔絵を描くことが多いです。 小さい頃から絵を描くのが好きで、よく人を描いていました。今でも人を描くのが好きなのは意図的ではないのですが、自分の感情をダイレクトに絵に反映させて表現することを考えた時に、風景や抽象が合わないような気がしました。何となく、自分の感情をダイレクトに表現するにはポートレートが一番いいような気がします。 vivid r_02, 53×45.5cm 作品に描かれている人はランダムな色で描かれていて、リアリズムで描かれているわけではありません。モチーフは架空のものですか? -いや、想像力は自分には合わないので、絵を描くときには原型が決まっています。でも、完成した作品を見た時に、イメージと違うので、原型が役に立っているのかなと思うこともあります。体の各部位の色はイメージを見ながら決めているので、肌の色が緑などランダムな色になっていることもあります。先ほども言いましたが、絵には自分の気持ちが反映されているので、完成した作品を見ると、その時の気持ちが蘇ってきます。作品を制作している間ではなく、絵を描き終えて初めて納得します。 Dedicated to P_07, 19.5×25.4cm もともと絵描きになりたいと思っていたのですか? -いや、でも子供の頃から絵を描くのは好きでした。漫画のようにストーリーを作ることはできないけど、絵は描けるので、美術学校に行こうと思いました。学校の傾向として、体全体を描くように言われましたが、顔の方が面白かったですね。学校では主にイラストレーションの勉強をしていましたが、学んでいくうちに「クライアントの仕事」が苦手になってきました。自分の描きたいものを描きたいと思っていました。 作品にはその時の感情が反映されているとおっしゃっていましたね。でも、モチーフによって描きたいものは変わってくるんですか? -場合にもよりますが、流れがあるわけではないですね。ポートレートを描くのは、何かに追われている時に描くことが多いような気がします。だから、絵を描くことで自分の感情を出しているんだと思います。 去年の秋にスズメを拾って2日くらい一緒に過ごしたんですが、なぜか似顔絵以外のものを描きたいという気持ちになったんです。なので、その時は顔以外のモチーフを描いていました。もしかしたら、これから出会う人や目にするものによって、モチーフは変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。

アートが日常に調和する生活。

アートコレクターなら、玄人から初心者までどの段階に居ても、他のコレクターの話には興味があるものだ。「どのように収集を始めた?何点くらい所持?その作家や作品を選んだ理由は?買い物しやすかったか?」等々、聞きたいことは山とある。今回は、弊社プラットフォームで最近作品を購入された趣味コレクターでありアーティストでもあるステファニー・アーロンさんに語ってもらった。 では、ご自身とコレクションの始まりについて教えて頂けますか?-  私はアメリカはニューヨークの出身で、実は珍しい生粋のニューヨーカーです。アーティスト兼デザイナーで、昼間はデザインの仕事をして、その他の時間には作家活動をしています。 アーティストなので、自分の作品をあげたり他の作家の物をもらったり、と自然と昔から収集していましたね。誰か良い作家を見つけては交換する、と言った具合で楽しいんです。なので友人作のアートワークをたくさん持っていて、それがコレクションの始まり。やっぱり知っている人の作品って良いですよ。 あとは年を経て、知らない人の作品も買うようになりました。目が飛び出るほど高価な作品は買わないけども、アーティストとして目が肥えているから、無名の才能を発掘したりするのも楽しみの一つですね。家の中を見渡せば、もうアートだらけよ。良かったら、家のツアーしましょうか?もう壁に空きスペースがないのが見て取れると思うわ。 ハウスツアー。アートで埋まる壁面と、早速始まる彼女のヴァーチャル・ハウス・ツアーでは、自宅に所持する作品群、例えば友人作のポスターや自分の作品から、オークションで買った大作、彼女のペット専用の肖像画コーナーなど、壁を埋め尽くす程のコレクションが見受けられる。ほんの幾らかのスペースは、今回彼女がTRiCERAで購入したNobuo Ishii の作品用等で空いているが、その他はキッチンまで含め、どこもかしこもアートでいっぱいである。 すごい!まるで自宅がギャラリーみたいでとても楽しいです。- そう、本当に飽きないですよ。大きな部屋じゃないけど、ニューヨークにしては天井が高いので、天井近くまで登って飾ったり、楽しんでるわ。 現時点の作品所有数ってご存知ですか?- 数える発想すらなかったので、正直わかりません。下の階の物置にも私や他の人の作品が沢山入っていて飾る場所が足りないんです。多分、合計100品くらいかな。Ishiiさんの作品と言えば、あなたは、私たちのプラットフォームで彼の作品販売を始めて、真っ先に購入された一人ですよね。きっと大ファンなんじゃないですか? - そうなんです!彼は今までインスタグラムに販売用の投稿をしていなかったんで、(売っているか)聞いてみる発想が無くて。販売開始した旨の投稿を見てすぐに買いに行きました。 インスタグラムで彼を見つけたと言うのは、偶然の発見だったんですか?-2、3年前にインスタグラムで、自分のアートだけを投稿して、アーティストだけをフォローするという実験を始めたんです。そしたら、ユーザーが興味を持ちそうなコンテンツをアルゴリズムで提案してくれるでしょ。そんな中で彼の作品を見つけて好きになったんですよ。 彼や彼の作品のどんな所が好きですか?- まず第一に、クオリティが高い。彼の技術はとても美しくて、作品を手にした時でも、どうやって制作されたのか分からなかった程です。それが一番大事な点で、次は彼のユーモアね。例えば、おならをしている人や、セックス関連のジョーク、更には彫刻も笑えるモチーフが多い。でも多様さもあって、私が買ったものや、ピアノを弾いている男性の作品みたく、優しくて甘美な作品までありますよね。 あと、彼は私がフォローしている作家の中でも、最も多作なんです。毎日のように作品をアップしている上に、どれも作品として完成されているんだから、そりゃすごく魅力的でしょ。 確かに、弊社プラットフォームにも既に60以上の作品が掲載されているはずです。でも、実は彼は遅咲きで、若い頃ではなくてほんの最近、数年前にアートを始めたんです。- 理由はわかりませんが、遅咲きというのは薄々察していました。でも、彼の作品には情熱が溢れていますし、素晴らしいと思います。 芸術のクオリティ、ユーモア、情熱が魅力ですね。- そう、特にユーモアとアートの両立は私にとって大切なんです。滅多に出会わないので、両立した作品の発見は最高の瞬間です。多くの人にとって、アートは堅苦しくて真面目で、アーティストも同じ、と言う印象が強いと思いますが、そんなことはないんですよ。 テート美術館で友人とエヴァ・ヘッセの展覧会に行った時のことだけど、ドローイングを見ていたら、もう笑いが止まらなくなって。 他のお客さんはお高くとまってスマし顔だったけど、でもそれ、すごく可笑しい絵だったんですよ。 多くの作品には、自分も含め、制作中の作者の感情がこもっているもので、売るためとか、他人への印象とかはあまり気にしていないものだと思うんです。だから、アートの中のユーモアというか、軽快さが好き。アートは常に超真面目である必要ないですよね。 ええ、全く同感です。- 料理にも似た所があると思います。作るのも、食べるのも楽しくあるべき。このコロナ禍が起こる直前に、ミラノのミシュラン4つ星のヴィーガン(完全菜食主義)レストランに行って、その時の経験からも思うんです。正直言って、料理はまあまあで、ニューヨークでもっと美味しい所知ってるんですけど。 でもね、そこでの経験がとても楽しかったから、お金を払う価値があったんです。 またまた、私たちは夕食中ずっと馬鹿笑いしていたんですよね。ちょうど、その同席していた友人と話していて、「今までで一番可笑しい夕食だったわね!」って。同じくアートも経験が全てモノを言うと思うの。 そういう面も大事ですね。アートで楽しさとかそう言う体験をできるのって素晴らしいことだと思います。-  あと、アーティストとして個人的には、完璧さを追求する作家にはあまり興味がないんです。美術学校にはこう言う人達が多いんだけども、彼らは既に在るものを再現することしかできないから、結構失敗してしまう。結局それって良く出来た技術作品ってだけで、どうも惹かれないんです。だからユーモアが光るのが、彼(Nobuo Ishii)の作品が好きな大きな理由ですね。 沢山の作品をお持ちですけど、アートワークを購入する理由は何でしょう?例えば、アーティストを応援するためとか。- それも最近アートを多く買った一つの理由です。なぜなら、この世界で色々な事が起きている奇妙なご時世だったので、多くの作家が他のアーティスト支援のために募金活動をしていたりして、その中からいくつか買いましたね。 あと、アメリカでは、売上金を指定の団体に寄付するために販売している作家達がいるんです。私もその団体にどの道寄付するつもりだったんで、作品を買うついでに寄付できるなら丁度良いなと思って、それでまたいくつか購入しました。でも最大の理由は、さっきも言ったように、アートは楽しいし、幸せにしてくれるから買うんです。そういえば、購入の数ヶ月前に、Ishiiさんが入院しているのをインスタで見かけたんです。それで「彼死んじゃうかも知んない!」ってびっくり。だから彼が売り始めた時は、嫌味に思わないでね、今のうちに何か買おうと思ったんですよ。手術とかでお金が必要なんじゃないかと思って。 そういう訳で私共のプラットフォームをお知りになったんですね。お買い物体験はどうでしたか?- とても簡単でしたよ。 私はユーザー体験デザイナーでもあるので、これに関しては厳しいんです。ギャラリーやポートフォリオのウェブサイトって、たまにひどいものがありますよね、作品詳細を見たり、スクロールが大変だったりして。でも、ここではすべて英語で見られるし、簡単でスムーズに進んだから大満足です。上に行って、下に行って、何回か見たら「よし、これにしよう」って具合で。特に、「3日後にお届け予定」って見た時は冗談だと思ったんですけど、そしたら、本当に3日で届きました。これは本当にすごい、信じられない速さ! ありがとうございます。そう、できるだけ早く努めています。- いやいや、これはすごいですよ。世界半周の配達であんなに速くできるとは思わいませんでした。 さて、Ishiiさんの作品から一枚購入されましたが、彼の多くの作品中からこの一枚を選んだ理由はなんでしょう?-うーん、感覚的なもので、説明するのが難しいです。こういうのって、一見した時から作品が語りかけて来る感じがするものなんですよね。見た目も好きだし、星を食べている男の人も素敵。でも先程述べたように、どちらかと言うと彼の他の、ワイルドな作品の方が好きなんです。当時はそういう作品がなかったから、それも一つの理由だけど、どれが欲しいかは直感的に知っていましたね。 アートの購入理由って考えるというよりも、感じることが優先ですか?- そうね、私にとってアートを買うのは知的な活動ではないと言うか。むしろ、これが本当に好きで、持っていたいから、と言うそれだけのことです。 アーティストとして、またコレクターとして、作品購入の初心者に伝えたいことやヒントがあれば教えてください。- 自分の好きなものを信じることですね。以前、私が行ったワインツアーで、「完璧な一本ってどれですか」と聞いたら、「どれでも、あなたの好きな物こそが完璧な一本。それが最重要であり、買うべきだと聞いたとか、誰かがそう言うからと言う理由で買わない方がいい」と答えが返ってきました。投資のためにアートを買う人もいて、それも良いけど、もしも家に飾るのがメインの目的なら、やっぱり自分が好きなものじゃないとダメよね。自分の直感を信じて買うのが一番です。何か自分の心に響くものがある、それだけでいいんです。 探すのはインスタグラムとかインターネット経由ですか?- インスタグラムを見るのは、どちらかと言えば、自分が好きな作家さんを見て幸せを感じるためです。一日を乗り切るための手段の一つ。今日ではインターネットのおかげで、毎日でも新しい作品が購入可能ですね。以前なら、作家と知合いになって、スタジオ訪問して作品に目を通して、と言うプロセスが必要でした。でも今は、オリジナルの作品を、ピンからキリまでの価格帯で探して購入できるなんて、信じられない位便利です。そして更に、作家活動の助けになることを知った上で買えるのは素晴らしいことだと思います。壁にコンサートのポスターを貼らないで、是非オリジナル・アートを手に入れて欲しいですね。 購入やフォローする判断に基準はありますか?– お気に入りのアーティスト達の作品は予算の範囲内かどうか、で判断。その時々で、ある技術に秀でた作家の作品を、勉強がてら探すこともあります。多様性も大事なので、美術館もフォローしています。有名な人から、将来有望株、クレイジーな人達まで、幅広いですよね。最近フォローし始めた人で、ロックダウン中の世間を描いている人がいます。数ヶ月前に作品数を聞いた時、既に200点くらい、一日に一枚以上描いたって。素晴らしい作品群なので、これが本になって欲しいと思っているのよ。この人には影響を受けましたね。彼は毎日、世界の様々な出来事を質の良いアートとして生み出し続けています。アートは私のインスピレーションの源なので、美術館に行くことができない今は、代わりに私の家が美術館みたいなものです。 そうですよね、素敵だと思います。最後に一つ質問です。アーティストのIshiiさんに何か伝えたいことはありますか?- ありがとうございます、あなたの作品が大好きです、と。彼とは知り合いかの様に錯覚しちゃうけど、実際は知らなくって不思議に感じるわ。 ありがとうございました、質問は以上です。もし将来、ご自身の作品の販売で弊社のプラットフォームへのご参加にご興味があれば、ぜひお知らせくださいね。私たちは日本に拠点を置いてアジアを中心に活動していますが、アメリカやヨーロッパでも多くの作品を販売しています。あなたにとっても、アジア市場に参入することはチャンスだと思います。-確かにそうですね。すごく良いアイディア!ありがとうございます。また近いうちに話しましょう。   グローバルマーケットプレイスのTRiCERAでアートを楽しみませんか?  TRiCERAアートでは世界80カ国以上のアーティストによる16,000点以上の作品を楽しむ事が出来る アジア最大級のグローバルアートマーケットプレイスです。 あなたの運命の作品を探すきっかけの場所としてTRiCERAは日々進化しています。 画像をクリックしてあなただけの作品を見つけに行きましょう。  

現代アメリカのアートの流れを覗く-アメリカン・アーティスト特集-

アメリカのアートもしくはアーティストと言えば、何、また誰が思い浮かぶだろうか?8月はアメリカン・アーティスト鑑賞月だそうで、新しくアメリカ出身/拠点のアーティストを発見するのには持ってこいのタイミングだ。 第二次世界大戦後、それまで地球規模での影響力を誇ったヨーロッパの国々は力を保持できず、代わりにアメリカが台頭した。これは政治や金融だけでなく、芸術においても同様であり、アメリカ文化が以前にも増して宣伝され、輸出されるようになった。特に、ポップやミニマリズムなどの芸術運動は、現代美術の行方に多大な影響を与えた。 ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、ジャン・ミッシェル・バスキア、ドナルド・ジャッド、フランク・ステラ......と、その名前を連ねるのはいとも容易い。私たちが現在知る形のアートを楽しめるのも彼らのおかげである。アメリカの政治的なイメージは、アメリカ人でない私たちにとっては決して崇高なものではないかも知れないし、そして現大統領が懐かしむほどにグレートではないかも知れない。 しかし、幸いなことに、芸術の創造性を楽しむのに世情は関係ない。我々は、希望と夢の国から届けられる輝かしいアートと共に、幸せな現実逃避の航海へ漕ぎ出すとしよう。 Brian Schorn A.C.D. Seth King Lawrence Lee Edward Burden Cash - Cooper Sandra Mack-Valencia Carl Goss Clint Imboden

Feature Post

Francesca Borgo – 光と影の影

イタリアのアーティスト、フランチェスカ・ボルゴは、抽象的な風景を土のような自然の色調で表現しています。彼女の周りにある自然からインスピレーションを受け、アクリル絵の具、ゲッソ、アクリル樹脂を砂に混ぜたものを使ってテクスチャー効果を加えることで表現を豊かにしています。 絵画は常に彼女の情熱を注いできました。それは彼女の想像力をかき立て、人類と地球の異なる未来を表現したいという願望を駆り立てていました。しばらく家に閉じこもっていた病気の期間を経て、彼女は色と絵筆を使った「毎日のデート」をするようになり、ますます自分自身との接点を感じるようになりました。 彼女の作品は、全体の効果を形作るために濃く希釈された色を使用し、光の反射を作り出すためにメタリック顔料を使用しています。これらを組み合わせることで、影と光のコントラストが生まれます。彼女は最近、ペンとタブレットを使ってデジタルペインティングを作成するために新しいメディアを模索し始めました。この技法は、彼女の内面世界の葛藤を表現することを可能にしている。 ヨーロッパ各地のフェアや展覧会に積極的に参加している。また、彼女の作品はアメリカ、イギリス、日本、スイス、スペイン、マルタ、イタリアの個人コレクションにも出品されています。下にスクロールしていくと、彼女のエフォートレスな抽象的な風景画が見られます。             See Francesca Borgo's Artworks

IKU→ 個展|「エゴサーチの定理 = ?」を開催

この度、TRiCERA MUSEUMでは、2021年8月28日(土)〜9月11日(土)の会期にて、アーティストIKU→の個展「エゴサーチの定理 = ?」を開催いたします。 IKU→(イク)はファッションを主軸に活動をする一方、より自由な表現を求め絵画制作に没頭、その後渡米しNYを中心に本格的な作家活動を始め、帰国後はKhayah(ヘブライ語で生きる、希望の意)名義での活動を行ってきました。2019年に渋谷で開催された「INVISIBLE ART IN PUBLIC」ではキービジュアルを担当するなど、精力的に活動を行い、近年ますます注目が集まる作家のひとりです。 大胆な筆致で自他の顔を表現し続けてきた彼女は、作品制作のメインモチーフである「顔」を、人間が所有するひとつの「臓器」であると語ります。 刻一刻と変化する「顔」の捉え難さ、認識不可能性とともに、生命を可能にするその野生的な存在感と真実性の探求のプロセスが表現された彼女の作品は、見るものを強く引きつけ、深い感情の渦へと誘います。 彼女の代名詞ともなる「顔」は、日々の心情や実体験から着想を受けながら、 彼女の考える、死生(エロス・タナトス)、他者または自己との関係性、顔という存在の在処などについて考察しているものであります。 今展で主題となる<エゴサーチ>は、現代においての「自己確定の危うさ」を示唆しており、「顔」という機能の不全化に対し更に切り込んでいきます。 「人間や生物がもし一つであったならば、「顔」を意識することはない。また、一つだったら愛も今無い形があるだろう」(作家コメントより抜粋) アーティスト『IKU→』として活動後、同氏国内初となる本個展では、平面作品とならび半立やインスタレーションなど実験的な表現領域を取り入れた新作20数点を展示いたします。 是非この機会にご高覧頂ければ幸いです。 ■ 展覧会情報 IKU→ 個展|「エゴサーチの定理 = ?」 ■会場 TRiCERA MUSEUM (MAP) 〒108-0074 東京都港区高輪3-22-5 SDS高輪ビル 2F ギャラリースペース 新幹線・JR線・京急線 品川駅(高輪口)より徒歩6分 ■ 開催⽇時 2021年8月28日(土) – 9月11日(土) ※28日はレセプションのみ(一般入場不可) ※28日、29日は作家在廊あり ■ レセプション 2021年8月28日(土) 完全招待制 ■ 営業時間 月〜日 11:00-19:00 ※日のみ15:00まで 【ご来場の際の諸注意】  新型コロナウイルス感染拡大予防のため、ご来廊の際には以下の点にご協力ください。 ・マスクの着用と、入口設置の消毒用除菌スプレーにて手指の消毒をされてから会場にお入りください。 ・他の方と十分な距離をとってご鑑賞ください。 ・混雑(複数名が同時に展示スペースにいる場合等)が発生した場合は、お待ち頂くこともございますのでご了承ください。 ギャラリーでは、十分な換気、スペースの清掃、スタッフの健康管理、うがい手洗い消毒、マスクの着用の徹底をいたします。 何卒ご理解とご協力のほど、どうぞ宜しくお願い致します。 ※東京都内の緊急事態の状況等で会期が変更となる場合があります。 (変更の際はメルマガ、SNS等で告知予定) 出展作家 IKU→ (イク) 経歴非公開。 海外での活動期間を経て、現在は金沢を拠点に制作活動をしている。 コンセプト 私は自分と出会いたかった しかし自分であるだけに出会う事が出来ない だけど作品は私の分身である。 私は主に人の顔を描く。 それは唯一自分の身体の中で直接見れない部分だからだ。 また顔は自分、他人のその時の感情で見え方が変わる。 真実の顔はどの瞬間に見えるのか、 果たして顔とは何なのか、、、。 また、私は時間にも興味がある。 一瞬という時も顔では表現出来る。 私の作品のスタイルは毎回変わる。 それは時間と関係する。 今回の紹介の展示はTRiCERAが運営しています。 出品作品や個展詳細についてのお問い合わせは下記までお知らせください。 03-5422-8370 customer_support@tricera.co.jp

漫画のアート化は何を生むのか? 集英社による「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」が目指す、次の漫画のあり方

集英社によるマンガ原画をエディション作品化するプロジェクト「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」。今回は集英社・デジタル事業部の岡本正史、コレクターの小池藍、アーティストの曾超を招き、それぞれの観点からみた「マンガアート」の可能性、アート業界との交流性について座談会を行った。 方法論としてのアートは漫画の継承を変えるのか - 今回は集英社さんがスタートされた越境EC事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」についてディレクターの岡本正史さん、コレクターの小池藍さん、アーティスト曾超さんを交えてお話できればと思います。まずは岡本さんから簡単にプロジェクトの概要をご案内頂ければと思いますが、今回の事業のきっかけは漫画のアーカイブだそうですね? 岡本正史(以下、岡本) そうですね、そもそもの始まりは2007年頃に集英社が開始した、コミックスのデジタルアーカイブ「Comics Digital Archives」(略称CDA)です。当時はまだ「デジタルアーカイブ」という言葉自体が耳馴染みのない時代でした。それが時を経て、デジタルコミックスへの活用はもちろんですが、それ以外にもアウトプットのあり方、世の中に漫画を伝える方法があるんじゃないかと模索した結果の一つが今回の「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」なんですね。  概要としてお話しすると、まず1つ目には単純な原画の複製ではなく、アート作品としてのクオリティを持たせるということ。2つ目にはスタートバーンのアートブロックチェーンネットワーク「Startrail」に接続して、1点1点の来歴を記録していきます、ということ。最後には漫画の原画アーカイブが文化庁を絡めた事業として始まっていて、紙の漫画をどのように後世に伝えていくのかという問題意識を背景にしていること。少し長くなりましたが、この3つを柱に立ち上げたんですね。 - 漫画の継承のあり方としての作品化と流通という側面があると思いますが、その「アート化」するにあたっては見る方も、もちろんつくる方にも違ったロジックがあると思います。 岡本 これは今日参加して頂いているお二人がどう感じているかお聞きしたいところなんですが、プロジェクト側としては「アートを漫画にする」と考えた時、漫画をファインアートの文脈の中に持ってきて流通させるのが果たして良いのかどうなのかと考えるんですね。あくまでも漫画は漫画、アートはアートという風に異なった文脈と共に発展して来た。だからこその「MANGA-ART」という、漫画とアートの間にハイフンを入れていて。漫画アートの新しいジャンルを作りますよ、という方が良いんじゃないかな、と考えたりしています。 小池藍(以下、小池) 良い考え方というか、とても柔軟な捉え方だと思います。それに今回は越境ECを選択していらっしゃるところもなお良いな、と。市場的なところで言うと、アートの市場って世界全体でも7兆円ほど。日本だともっと小さいし、こうした取り組みをするなら海外を相手にするというのはすごく良い判断だと思うんですね。 岡本 ありがとうございます。それでいうと、日本はだいたい3500億円程度ですよね。 小池 「大きく見積もって」という前置きが付きますね。純粋な売買にフォーカスすると通常では2500億円程度と言われています。 岡本 なるほど。漫画でいうと、デジタルコミックスの去年の売上が3500億円程度と蜜守られているんですね。しかも日本だけの数字です。世界を含めたり、あとは紙のコミックスを含めるともっと大きい市場になる。あえてファインアートの流儀に完璧に合わせるより、漫画は漫画として培ってきた文脈を活かす方が発展の仕方が豊なのかなと考えたりはします。もちろんファインアートの方とコラボすることはアリだと思うんですが。 小池 いや、それは本当にそうだと思います。世界規模で7兆円のアート市場にアニメや漫画の市場規模を足す。以前から、ディズニーのセル画がオークションで破格の値段がついたり、と、その世界にもコレクションという考え方はありますよね。漫画に固有のコンテクストを活かしながらアートとして広げていく、という考えはすごく面白いと思います。 岡本 その「漫画をアート作品にする」ということを考えたとき、これは特にアーティストである曾超さんに伺ってみたいのですが、純粋にどう見えるのかな、と。  曾超さんは油彩を使った、すごくテクスチャーが際立った作品を制作していますよね。作家さんの手が直に関わった、言うならば身体感覚が強く出ている作品だと思うんです。今回の漫画アートは伝統的な油彩であったり、タッチや立体感がある作品とは別物で、まさに平面性にフォーカスしているんですが、ペインターとしてどういう風に感じるのか、その点を伺ってみたくて。 曾超 そうですね、一般的にファインアートのペインティングだと確かに物質性や身体性を重視しますね。平面の像よりも物質性の感覚を大事にする傾向にあって、そこは漫画と大きく違う考え方だと思います。  ただ平面性と言った時に思い浮かぶのはやはり村上隆さんのスーパーフラットですね。中国でもアニメや漫画の文脈を持った作品はありますけど、でも批評家の反応はよくない。「日本の方がクオリティは高い」と言うんです。だから、ある意味では日本独特の考え方というか、ものの作り方のような気はします。 - 物質性という話が出ましたが、今回は印刷を特にこだわっていますよね。特別な印刷技術の使用という、テクニカルな部分がモノとしての価値を与えているのかな、と。 岡本 ありがとうございます。それはタイミングの問題もあって、本当に運が良かったと思ってます。というのも特別な印刷機、それから職人さんにお願いをしていて。  少年ジャンプは樹脂板という、凹凸のある版を毎週つくって大きな活版輪転機で印刷にかけるんですが、これは質がいいとは言えない紙に印刷している。週刊のマンガ雑誌の価格にみあった紙と印刷なんです。でも「活版印刷機で、本気で美しく刷ったらどうなるのか」と。それを行うには、高速で印刷する輪転印刷機ではなく、質の高いプリントが行える活版平台印刷機が必要です。昔は都内にたくさんあったそうですが、今はもうほとんどなくて。今回は長野の印刷会社さんにあるのを共同印刷グループに見つけていただき、印刷も熟練の職人の方にお願いしました。 小池 今の話を聞いて思ったんですが、やはりチーム力ですよね。基本的には作家が一人で仕上げていく油彩やアクリルによる作品はそれはそれで魅力があるんですけど、でも漫画は漫画家がいて、編集の方がいて、それから印刷の方がいてって総合的なクリエイションになっている。 岡本 そうですね。漫画の背景って実は意外と知られていないので。でもこの機械も技術も、このままだと失われてしまう。これが継承のきっかけになったら面白いし、すごく意義があるとは思いますね。 小池 いや、それは本当にそうだと思います。世界規模で7兆円のアート市場にアニメや漫画の市場規模を足す。以前から、ディズニーのセル画がオークションで破格の値段がついたり、と、その世界にもコレクションという考え方はありますよね。漫画に固有のコンテクストを活かしながらアートとして広げていく、という考えはすごく面白いと思います。 岡本 絶妙なバランス感覚の世界ですよね。 小池 いや、本当にそう。若手の作家なんか特に気を使いますね。というのは、今まさに国内オークションが盛り上がっていますけど、国内で極端に高くなり過ぎると海外のギャラリーは良い顔をしないというか、扱おうとしなくなるんですね。「これじゃ自分たちがやっても利益が出ないから」と。ただ逆にクオリティに対して価格が低いと「まだ伸び代があるな」となるわけですけど。 岡本 ああ、すでに価格が出来上がってしまうと…。 曾超 中国でもセカンダリーはすごく影響が強いですね。特に香港などはすごく勢いがある。そこに振り回されてしまうアーティストもいたりしますが。 小池 もちろん国内という、決まったエコノミクスの中で活動していくことも方法の一つだと思うんですが、でもアーティストのステージにもよりますけど、やはりセカンダリーの価格ばかりが伸びてしまうと世界に出ていきにくい。  そういうキメの細かいハンドリングが必要になる現代アートの世界に対して、今回のプロジェクトはもっと柔軟な発想ができるな、と。仮にセカンダリーのマーケットができたとして、それが漫画家に大きな影響を及ぼすわけではない。それにブロックチェーンでもしっかり管理されてますし。 岡本 やっぱりブロックチェーンはきっかけとして大きいですね。来歴も記録されていくし、将来的には追求権のようなことも考えられる余地がある。集英社が発表している複製原画ですらセカンダリーですごい値段がついている状況がありますが、ブロックチェーンの仕組みをつかった作家さんへの還元の仕組みも研究していければ、と思っています。 あとキャリアという話で言うと、今回は3名の先生にお願いしているんですが、いずれは新人漫画家さんにお願いしたいな、とも。 紙のマンガ雑誌の仕組みは厳しくなっているところも多いと思います。マンガ雑誌の原稿料と、コミックスの印税に加えて、漫画アートが、収入のひとつに育っていくとよいのではないか、と。デビュー当初の漫画家さんの100万円と、ベテランの100万円って重みが全然違うでしょうし…。 小池 作家にとっての新しい選択肢ですよね。LINEマンガとか、デジタルコミックスのおかげで作家になれるハードルは下がった、でもそれだけで生計を立てるのは難しいという中で今回のような選択肢があるのは良いと思いますね。…実は4月から美術大学で将来のマンガ含む作家に対してアントレプレナーシップを教えるのですけど、まさにそうした部分ですよね。 岡本 そうですね。漫画をどう継承するかという問題と向き合っていくことはもちろんなのですが、一方では変化していく漫画そのもの、漫画家さんのキャリアそのもののあり方にも関わっていける方法とも言えて。まだ始まったばかりではあるんですが、今日頂いた話も含めて、展開はどんどん柔軟に考えていきたいですね。 Profile岡本 正史 | Masashi Okamoto「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」事業責任者・ディレクター。東京芸術大学美術学部卒業後、株式会社集英社入社。女性誌~女性誌ポータルサイトを 経て、マンガ制作のデジタル化に参加。集英社刊行の主要コミックスをアーカイヴしデー タベース運用する「Comics Digital Archives」を企画・実現。 小池...

東京にあるユニークなアートスペースでIzumi Katoの作品

Izumi Katoの個展「LIKE A ROLLING SNOWBALL」(原美術館) 現在、東京と香港を拠点に活動する世界的に有名な日本人アーティスト、Izumi Katoは、東京・品川の原美術館、群馬県の原美術館アークで個展を開催しています。 原美術館アークがKatoの作品を総合的に紹介 原美術館では、最新作の69点を展示します。の作品を展示しています。原美術館での「LIKE A ROLLING SNOWBALL」展は Katoの東京の美術館での初の大規模な個展となる「現代美術」。また、原美術館での本展のポイントは は、彼の最新のセンスとユニークな展開をキャッチするチャンスと言えます。美術館の雰囲気 最近の作品は、石や布など様々ですが 版画制作。 Katoの作品は、絵画や彫刻による原始的で神秘的な人間模様の描写で知られています。彼の作品はトーテムを想起させます。また、原始的な精霊が、歪んだ顔や体の形として作品に閉じ込められているようにも見えます。Katoの作品をよく見てみると、彼は常に対になることを追求している。Katoの人型彫刻は、常に男女の作品であり、絵画もまた、二つの別々の作品が一つの作品になるような構成になっています。また、石と綿とソフトビニールで作られた彫刻作品についても、頭と体は石とソフトビニールと綿という全く異なる素材で作られていますが、ある意味では軽さと重さという二つの異なる属性を対にしているようにも見えます。様々な意味でのペアの追求は、儀式的なもののように思えます。 当館では、いくつかの特徴的な作品をご紹介します。ギャラリーⅠで展示されている「Untitled」は、布、革、石、アルミなど様々な素材を使った巨大なインスタレーション作品に挑戦しているKatoの最新作。原美術館という場所の特徴に合わせて、他の作品もよく展示されていました。原美術館の庭園には、自然との出会いをテーマにした作品「Untitled」が2点設置されています。庭園に設置された作品は、美術館の中から見えるように設計されている。 原美術館の場所について 原美術館を訪れたら、東京では珍しい異国情緒あふれる独特の雰囲気に癒されるかもしれません。日本最古の現代美術館のひとつである原美術館は、東京・品川区に位置し、椰子の木に囲まれた庭園の中にあります。この建物は、現在の原美術館理事長である原俊夫氏の祖父である原邦三氏の私邸として1938年に建設されました。設計は、東京国立博物館の本館も手がけた著名な建築家・渡辺仁氏が担当しています。 戦後、フィリピン大使館やスリランカ大使館などで使用された後、1979年に美術館となりました。2008年に大規模な改修工事が行われた後、新しい照明システムが設置され、修理が行われました。 日本で最初の現代美術館の一つとして 20th世紀初頭のヨーロッパ建築様式を取り入れた昭和初期の建築物としては数少ない例の一つです。 しかし、約80年の時を経たことによる維持管理の困難さから、財団は2020年12月31日をもって閉館し、原美術館アークがすべての活動の場となることを決定しました。独特の雰囲気を持つ美術館がなくなる前に、Izumi Katoの最新作を鑑賞できる機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。 IZUMI KATO – LIKE A...

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