日曜日, 5月 29, 2022
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誠実さと自己投影の絵画について。Yuta Okudaインタビュー

「自分のやっていることに嘘はない」とyuta okudaは語る。細密画と墨を用いるペインターである彼に、真摯さを何よりも最も尊ぶという制作姿勢を始め、その作品について話を聞いた。

細密画の技法をベースにした生き物のペインティングが多い印象ですが、まずは作品について簡単にご説明願えますか?
-自分の作品は全て、無意識の自己投影と自己解釈がベースになっています。無意識のレベルで生き物たちの単体の作品を思い浮かべ、それを意識レベルでコンセプトワーク、例えば般若やマリリンや狛犬などにしていきます。
無意識で描きたい題材は、常に花や生きもので、そこから美と醜、愛と嫉妬、生と死など相反する二つのテーマを1枚の中に表現しています。モチーフは常に生きものたちで『beautiful foodchain』コンセプトに、自然の摂理の美しさを描いています。
作品の表現手法は年々、ここ数年で、線のみの計算された細密画から、墨のにじみを使った偶然性を線画で活かした作品へと変化してきていますね。環境や心の変化が大きく影響だと思うのですが。それから細かい線画を描く理由は、おそらく気質だろうと思いますね。

Marilyn monroe
530×530, 2017, pigment ink /Kent Paper

デザイナー出身だそうですが、アーティストになったきっかけは?
-きっかけは色々とありますが、第一には、きっとアーティストになりたい気持ちが強かったからだと思います。デザイナーとアーティストとでは、全く性質が違いますから。
デザイナーとしての私は「柄に力を入れる」類の、非常にクリエイティブ志向の強いタイプでした。でも商業デザイナーに個性は求められない。決まったデザインを、決まった通りに、決まったスケジュールでこなしていくことが必要。それが、思ったよりもストレスだった。だからスタートは「ただ自分の描きたい絵を描きたい」という、本当にそれだけだったと思います。

そうして、すぐに絵を描き始めたのですか?
-いいえ、最初は自宅で描いているだけでした。ストレス発散の意味合いが強かったですね。ただひたすら描く。今見返すと、その頃の絵は、すごく密度が高く見える。必死というか、鬼気迫る印象という方が近いのかな。本当にストレス発散だったし、負の感情を吐き出している感じでしたね。人に見せることなんか考えても見ませんでしたね。全く、これっぽちも。言わば毒素ですから、自分の(笑)。

それでも発表活動をされた、つまりプロのアーティストとしてスタートを切ったわけですよね。
-認めてくれた人たちがいたんです、私の絵を。自分のネガティブが丸出しになった絵を「いいね」と言ってくれる人たちがいた。驚きでしたね。驚きだったし、有り体に言えば、気持ちが良かった。商業デザイナーでは、そんなこと絶対にないですから。ファッションでは取り繕いをしていたけど、絵画は裸。その部分を見せて、評価してもらえたことが嬉しかった。そんな時期に友人のアーティストを見たりして、その姿に嫉妬し、「自分も」と考えました。アーティストを目指したいと思ったのは、だから嫉妬心かも。それでもやるならプロとして、趣味ではなく、生半可な気持ちは捨てようと思っていました。やるなら、徹底的にやろうと。

Whale
1167×910, 2019年
pigment ink・gold foil・Brass foil ・Japanese ink /Kent Paper

作品は自己投影的と仰っていましたね。制作のプロセスは、当初から「無意識→意識」のように定まっていたのですか?
-最初の頃は、もうひたすら描く、に尽きますね。平均したら1日15時間くらいかな。3日間描いて半日寝るとか、とにかく吐き出そうと思って。溜まっていたもの、湧いてくるものを全部吐き出したら、ようやくコンセプトが見えてきた。それが「自己投影」。
ファッションとは逆ですね。そっちではコンセプトメークが先にあって、そこから組み立てていましたけど、私がアートでやっているのは自分自身を発見していくこと、つまり一番正直な自分を出すこと。どれだけ裸になれるか、どうやってその部分を引き出すかが重要になってくる。自分の経験がどういった形でアウトプットされるか、それを見てみたいんです。

ですが、ご自身の経験をベースにしているとインプットが大変じゃありませんか?
-最初の3年で尽きましたね(笑)。30年の人生が、3年で底を突いた。でも、それは上澄の30年だと思っています。もっと掘り下げられると思うんです。自分の本質が何か、自分のベースが何か、この3年で自分の30年を振り返ることが出来た。3年かけて、ようやく自分が分かってきた気がするんです。だから、これから色んなものを取り入れ、新しくつくっていく。今は第二のスタートに立っている気分ですね。

wisdom
743×607, 2019, pigment ink /Kent Paper

最近では初期の細密画に加え、墨などを使用した作品も増えました。その変化は意図的なものですか?
-私の作品は、やはり、私自身と連動しているから変わりはする。物質的にも精神的にも、昔と全く同じような絵を描けと言われても、それはすごく難しい。変わりはするけど、でも言えることは、今自分がやっていることに嘘がないということ。本当に疑問が湧かないんですね。さっきも話に出ましたけど、私の絵はいかに裸になれるか、自分に正直になれるかが重要。だから、それを基準に考えるのであれば、今やっていることに間違いがないことは断言できると思います。
一方で制作や技法のことを言えば、まず大作や多作の点が課題ですね。以前は絵を描いて食べれること自体が幸せでしたが、今は目標をより上に置いているせいもあり、今後は作品の点数にも気を付けていきたい。他にも、例えば素材については常にアップデートをかけるように心がけていますね。水彩も試したし、銅版も油彩も、日本画も、あとは粘土など色々と試した。その結果、自分の性質に合うのが墨だなと。

A beautiful foodchain
1167×1167, 2017, pigment ink /Kent Paper

3年間の制作と発表という形でご自身の整理整頓をして、新しい目標と課題も見えてきて、今は次のステップを目指されると。その目標は、もう具体的に見えているんですか?
-私の作品は自己投影なので、やはり、将来のビジョンの全てがはっきりとはしていません。言えることは、それでも自分に嘘はないということ。制作では裸でありたいし、正直でありたい。だから自ずと出て来る自分の経験を活かしたいですね。
先ほども少し出ましたが、私の絵は、無意識のレベルで言えば常に花や生きもの、その美と醜や生と死に言及しています。自分の見たいもの、見ようとしているもの、絵画として描きたい者が少しずつ明確になってきている。ようやく空っぽに慣れたので、これからは様々な経験を取り入れ、それを絵画に練り上げていく仕事が待っていると思います。多分、絵はどんどん変わっていく。今の私と、絵を描き始めた当初の私は違う。だから昔のような切羽詰まった雰囲気ではないかもしれません。でも、変わる部分があることが悪いとは思わないんです。むしろ環境や自分の変化を理解しつつ、取り入れつつ、いかに自分だけの絵画を描いていくかを考えていきたい。どう変わっても、私の場合は自分の活動に嘘がなく、疑問がなく、正直であるならば大丈夫なんです。私にとって絵は一番の裸の部分、正直な部分を見せることですから。

Shinzo Okuokahttps://www.tricera.net/
1992年東京都出身。大学でインド哲学を学んだ後出版社に勤務し、アート雑誌と神社専門誌の副編集長として雑誌及び書籍の企画・編集に携わる。2019年にスタートアップ企業である株式会社TRiCERAに参加、日本初の現代アート専門の越境ECの開発及びアーティストのマネジメント、自社オウンドメディアの立ち上げを担当する。特技は速筆で、雑誌時代には1ヶ月で約150ページを1人で取材・執筆した。

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髪の毛の1本1本までこだわりぬいて描かれた作品を描く丁子紅子。 数多くの個展や受賞歴を持つ彼女の名を、見かける方も多いのではないだろうか。 作家、丁子紅子の魅力の秘密はどこにあるのか。 洗練され削ぎ落とされた線の中で表現されるディテールの密度とは裏腹に、空間と余白が重要だと彼女は語る。今回は彼女が作品制作を通じて描かれようとしているテーマをインタビューしました。 アーティストになられたきっかけを教えてください。 私は大学生の頃はアーティストになろうとは全く考えていませんでした。 学生時代に特に芽が出ることもなかったですし、 ちょっと作家活動ができればいいなという程度に考えジュエリーのオーダーメイドの会社へ就職をしました。 しかしわたしは高校生の頃から美術科へ進学していた為、 高校、大学の毎日に当たり前にあった"絵を描く時間"を取ることが難しくなり 初めて自分の心を保つためには絵を描くという時間が必要不可欠だということに気が付きました。 それから真剣に向き合い、アーティストとして独り立ちをしようと決意をしました。 女性をモチーフにした作品が多いと感じますが、女性を選ばれたきっかけはあったのでしょうか。 私は“美人画“にこだわっているわけではなく、 絵画として一番表現したいと考えているのが“心”です。 心を複雑にもちあわせているものはやはり人で、私自信が女性ということもあり、 心=人物が女性像として表現するのが自分の中で自然に感じたからです。 その中で大切にしている女性のやわらかな存在感やライン、 表情は私の表現したい心の表情の儚さにも通じているような気がしています。 (A Story, H 50cm x W 38cm x D 4cm, Painting) 作品詳細はこちらから 作風が出来上がる過程で、かつて受けた影響や作風の完成の経緯があれば教えてください。 2013年に大学を卒業するまで、自分の心をそのまま絵に投影させぶつけるような絵画を描いていました。 強く、激しくぶつけるという表現の方が近いことも多かったように感じます。自分の心を浄化させるための絵画でした。 大学卒業後は就職をし、 ジュエリー会社では接客をしながらお客様のジュエリーの修理を承ったり リフォームのデザインをご提案するような仕事をさせていただきました。 いままで自分のために絵を描いていたのに、幸せな気持ちで手に取ってもらうために考え、 デザインをしたり、絵を描いたりと、何かを提供する側になりました。 そこでふと我にかえり、絵も同じでなくてはいけないんだと気がつくことが出来たのが私の今の原点です。 そこからは手の向かい側には必ず見てくださる方がいるということ意識しはじめました。 そこから私はすべて削ぎ落とした“無”というところへ辿り着き、今の作風が完成しました。 丁子紅子さんがもっとも重視しているテーマをお伺いしたいです。 私が一番大切にしているテーマは"移り変わりの時間の切り取り"です。 1から2に移る、目には見えないその間の時間はとても尊いものだと思っています。 そこには必ず空間があり、ひとが普段感じ取れない空気があるように感じていて、 実はとても大切な移り変わりの表情や心の色の変化がそこにある気がするのです。 無の時間であると思うのですが時が止まる絵だからこそ表現ができるものだと考えています。 (An offering, H 91cm x W 65cm x D 2cm, Painting) 作品詳細はこちらから 最後に、TRiCERAでは世界中に作品を届けていく支援をしております。丁子紅子さんにとって海外に作品が広がっていくことはどんな意味があるでしょうか。 わたしは日本画というジャンルのなかで作家をしていくにあたり、天然の岩絵具や筆、 素材をとても大切にして制作をしています。 日本画だから出来ること。日本人だからこその余白の感性。 その部分を大切にしているからこそ、古来からの日本画の画風とは違うかもしれませんが 素材の素晴らしさや美しさを伝えていけると考えています。 もっともっと世界を超えて日本画画材の素晴らしさに触れていただきたいと願っています。 (Everything is one, H...

崩れていく造形の先にある美しさを描く – さめほしインタビュー –

さめほしは1997年東京都出身、2020年に武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒のペインター。2016年頃からアクリルとペンを使い、デフォルメされた少女の顔や体を破裂・溶解させ、その崩壊と形成を繰り返す姿を描いてきた。「可愛いものは崩されても可愛さを保ち続ける」というさめほしに、今回は作品の背景やこれまでの歩みについて話を聞いた。 さめほしさんは生成と崩壊をテーマにした女の子の顔をメインに描かれていますね。顔や目の大きさをデフォルメした顔もそうですが、加えてそれを意図的に崩している。その点にからお話を伺えますか?  感覚的な話になってしまい恐縮なのですが、モチーフについて言えば、一番の理由としては可愛さ。小さい頃からプリンセスのような女の子を描いていることが好きだったんですけれど、両親の影響から90年代頃のアニメを見たりゲームをすることが多くて、その中でデフォルメされたキャラクターを好きになっていったんです。作品の傾向のせいか、よく「アニメが好きなの?」と言われるのですけれど、実際にはそこまでアニメや漫画というジャンル自体に強い思い入れはなくて、むしろ頭身の低い、デフォルメされた女の子の可愛らしさ自体が好きなんです。一方では可愛いさだけじゃなく、その可愛らしさが崩れている状態にも関心が強くて。可愛いのに、その可愛らしさが溶けるように崩れていっている状態。その「もう元には戻らない」ということが余計にその美徳を強めるというか、これは感覚的なことなのですけれど、その様子にすごく惹かれるんです。加虐的な趣味というわけではなく、バラバラになったり破裂していたり、崩壊した可愛らしさにも別の可愛らしさがあると思っていて、むしろ「可愛い」というものを単純化されないカタチで表現できるのではないかな、とは考えています。 クリスマスケーキ 2020年 29.7 × 42cm Giclee Printing on paper edition:50 さめほしによる限定エディションプリントはこちら 顔だけでなく、身体そのものの形状も崩れている絵画もありますね。「可愛いらしさの崩壊」以外にも変形する身体にも関心がありますか?  おっしゃる通り、キャラクター化された女の子以外やその崩壊以外に、そもそも顔がぐちゃぐちゃしていたり体がバラバラになっていたり、あとは硬いものが柔らかいものに衝突して弾け飛んでいる様子とか、グロテスクなものが好きというわけではないのですけれど、そういう様相が綺麗だなとは思っていて。AKIRAという作品に登場人物の1人の体が変形していくシーンがあるのですけれど、特にそこが好きで。むしろそこしか見てないくらい(笑)。きっと途中経過というか、例えば魔法少女の変身シーンのように動いている状態が好きなのかもしれません。そういうわけで形が変わっていく身体については昔から「いつか描いてみたい」程度には思っていたんですが、実際のきっかけとしては愛☆まどんなさんの作品に出会ってからですね。  愛☆まどんなも融解的な色使いをされますけど、崩壊性はそこから。 ええ、そうですね。「ああ、これだ」と氷塊することが多くて、これも発見というか、何かが揃った感覚が自分の中にあったのですけれど、そこからは女の子の顔とか体を崩壊させた絵に取り組むようになりました。 United 2015年 116.7×91cm キャンバスにトレーシングペーパー・油絵具・ペン 現在の絵画を形成するうえで参照した作家さんは他にもいますか? あとは大槻香奈さんですね。最近の作家さんから影響を受けることが多いのですが、大槻さんはデフォルメされた女の子の顔のパーツの配置がすごく卓越していると思うし、縦長の目の描き方はとても参考になります。 どちらも影響力が強い作家さんですけど、その影響下から自由であることは大変ではなかったですか?いや、それが本当にそうで。ただでさえ影響されやすいというか、流されやすいというか、自分自身の性格的にも模倣に走って行きがちなところがあるので悩みました。でもお二人とも特徴的ではあるので、例えば愛☆まどんなさんの異色肌の女の子、影の色に蛍光色を使うこと、あとは目の中に文字を入れるなど視覚的に独特な部分について自分の中で使用を禁じたり、「これはしない」などルールを設けることで追従をしないように心がけましたね。 デフォルメされた女の子、身体や顔の崩壊性以外にも、さめほしさんの作品は線描や絵具の質感も特徴の一つだと思うんですが、こちらも他にルーツがありますか?  その二点については自分の好みかもしれません。もともと線をひくという行為自体がすごく好きで、細い線を描いていたくて今の絵を描き始めたようなものかもしれないです。何も考えずとも引いていると自然と作品が出来上がってくる線の不思議さも好きだし、無意識で線を引いている時間なんかすごく好き。絵具についても、やはり物質としての安心感は好みです。昔は絵具をもりもりにして画面をボコボコさせていたんですけど、でも私の作品は近くで見ると荒っぽさが目立っていて、そこは少し気にしていて。よく「デジタルの方がいいよ」とか「写真の方がいい」とは言われるし、今は表面の仕上げにやすりを使ったりしています。 でも物質感は大事? 大事…ですね。今はデジタルも使ってみてはいますけど、あくまで二次創作というか、どこかで頭のチャンネルを切り替えているように思います。やっぱりモノとして手元にある方が安心するんですよね。作品を横から見たり、斜めから見たり、手に持った時の絵具が乗っかったキャンバスの重さが好きなんです。  絵画に対する愛着はどうやって育ったのでしょう? 昔から絵は好きでしたか?  実はデザイン系の高校に通っていて、だから「絵を描くこと」自体には馴染みがあったんです。3年間デザインを学んでいたんですが、でもデザインはあくまでも人に伝えるためのものですし、できるかぎり綺麗に描かないといけない。そこが少し苦手でした。出される課題も「とにかく綺麗にね」みたいな要望が多くて。絵具ははみ出してはいけないし、筆跡も残しちゃダメ。線なんかガタガタさせるとすごい怒られるんです。課題を提出しても「君のは油絵みたいだね」と言われていたし、そのきっちり描くという状況が嫌…、というよりは苦痛で。 United 2016年 41×41cm キャンバスに油絵具・ペン さめほしによる限定エディションプリントはこちら そこからファインアートに転身しようと? いえ、その時点ではまだ想像もしてなかったです。そもそも中学生の頃は絵本作家になりたくて、酒井駒子さんという作家さんがすごく好きだったんですけれど、それもあってデザインの学校に進学しました。「普通の高校よりはためになるだろう」と。でも進路を選ぶ段階になってファインアートに。美術予備校の体験に友人と一緒に行ったんですけれど、そこで油絵コースのブースがあって「何これ!? すごい綺麗!」と思って高校三年になって油絵に進もうと決めました。 学生時代から活動されてますよね。具体的なスタートはいつ頃から?  活動で言えば、現在の「さめほし」という名前で作品を発表したのが2016年の大学一年生の時。グループ展にお誘い頂いて、そこで初めて「さめほし」という名前、それからアクリル絵画の上から線を引いた作品を発表しました。その前までの作品は女の子でもなかったし、もっと抽象というか、「これ」という像を定めていなかったですね。線は描いていたんですけど、使っていたのも今のようにアクリルではなく油絵具だったし、単純に絵具の質感や線を引くという行為を楽しんでいた時期でした。 油彩をやっていたということですが、現在ではアクリルを使っていますね。 まったく油彩を描かなくなったわけではないのですけれど、ただ私には扱い切れないところが多くて。油絵具の生々しさ、表現の深さや重さはすごく好きなんですけれど、でも私とは速度が合わなかった。女の子を描き始めた当初も油彩だったんですが、どうしても油彩だと乾くのが遅いし、待っているうちに何が描きたかったのか忘れてしまう。信じられないくらい忘れっぽい性格なんですよ。反面、アクリルだと乾くのが速いから鮮度を失うことがない。描きたいものをリアルタイムでアウトプットできる点は大きいですね。 描き手であるさめほしさんと作品が強く呼応しているように聞こえますが、作品は自己言及的ですか? どうだろう…。昔は「絵画は自分自身の鏡だ!」みたいに考えていた時期もあったんですけれど、今はもう意識していないですね。あまり肩に力を入れない、と言うか。意図的に作品と自分を近づけようとはしないんですけれど、でもそもそも絵を描き始めた理由を思い出すと、そこにはある種の保存的な意味合いもあって。写真なら風景を切り取って保存できるし、筆まめな人は文章で残しておくのでしょうけれど、私はその時々の気持ちを残しておく手段が絵しかなかった。絵を見ればその時に考えていたこと、思っていたことを思い出せる。それは安心感があるなとは思います。最初の頃は線で記録するつもりで描いていたふしはあるので。 過剰 2018年 36.4×51.5cm パネルにケント紙・アクリル絵の具・ペン さめほしによる限定エディションプリントはこちら 活動をスタートさせてもう4年になっています。先ほど「最近はデジタルも」とおっしゃっていましたが、作品に変化は生まれていますか? 作品について言えば悩むところもありますし、感覚的な変化もあります。前者で言えば支持体からペンの表現までやり直した方がいいのではとか、線を続けるかどうか、画面ももっと今の作家さんみたいにツルツルさせたり、もっとピッチリ描いた方がいいのかなど、少し模索している最中…ですね。周りに流されやすい人間でして、「線はない方がいいよ」とよく言われるんですが、それもあって「このままでいいのか?」と。あとは線に対する感覚が変わりましたね。昔は下書きもしなかったし、そもそも真っ白なキャンバスに向き合うのが苦手だった。失敗した絵の上から描いてたりしたんですけど、でも今はその辺りもコントロールが効いてきた。だから昔よりは技術がついてきて表現の幅が広がった反面、昔だからこそある思い切りというか、無軌道さが無くなったとは実感してます。昔の方がやたらと線が多かったし、密度も高い。今は「ここは色の境目がないから線は引いちゃダメだ」とか、自分なりの制作ルールが培われていて、昔の絵を見ると「もう描けないな」と思いますね。 感覚的な部分が大きいということはさめほしさんの変化とともに絵も変わっていく。活動をスタートさせてもう4年になりますが、以降に取り組みたいことは考えていますか? 色々と悩む部分はあるんですが、今は画法を変えずに、どれだけ引き出しを増やせるかを考える時期なのかなと。あと最近は崩壊とか破裂、溶けたり崩れたりだけじゃなくて、モノとモノのぶつかり合っている様子とか一体化している様も魅力的に思えてきて。可愛いものは壊れようが崩れようがバラバラになろうが可愛い。それをなんとかして描いていきたいなと思っています。   Profile 1997年東京都出身。2020年武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒。2016年頃よりアクリル絵の具とペンで崩壊と形成を繰り返す少女を描く。主なグループ展に「FROM KAWAII ART...

アーティスト紹介[親戚の仕事別]

身内と似たような職業に就いている人は珍しくありません。特にミュージシャンやスポーツ選手は統計的な相関関係があるほど顕著です。さすがに、芸術家を親に持つ人は非常に多く、親の仕事の影響力が 見られるケースも少なくありません。 しかし、親族が芸術家でなくても、間接的に創作に影響を与えることがあります。時にはモチーフやインスピレーションの源になることもあります。多くの場合、彼らは芸術家を志す人のための触媒になることができます。それほどまでに、近親者の職業は、アーティストの創造的なプロセスの重要な部分なのです。 今回は、これらの親族の職業と作品を並べて、その関係を探ってみたいと思います。 父:商社マン 神田さおり 神田が幼少の頃、父親の商社マンとしての仕事の関係で、バグダッド(イラク)やドバイ(UAE)で過ごす。異国の地で生活する中で、世界の美しさと日本の魅力に触れる。  彼女は自らを「ダンシング・ペインター」と称し、音楽の波を全身で感じて描くという考えのもとにアートパフォーマンスを行っている。身体そのものが絵画の一部となり、大きなスクリーンを横切って踊ります。作家がダイナミックに生み出す筆致は、生命体のような生命力を持っており、生まれては消えていく。そのサイクルは生態系のようなものです。  身体表現のある作品は、白髪一雄やジャクソン・ポロックのアクションペインティングの 系に繋がっていますが、照明、音楽、ダンス、お香、衣装、ヘアメイク、舞台美術などなど 空間を埋め尽くすパフォーマンスは独自のパフォーミングアートとして高く評価されており、世界遺産/沖縄中城跡にも登録されている。また、奈良の天河大弁財天社、岡山の吉備津彦神社をはじめ、台湾、上海、香港などで奉納舞踊公演を行っている。アメリカ、スイス、フランス、カザフスタン、インド、ミャンマー、フィリピンなど。日本にも招かれている。  世界中を旅し、そこに住む人々との出会いを吸収し、ダンサー、画家としての作品を精力的に発表していく彼女の姿は、国や人種の垣根を越えているが、その育ちは彼女の原体験と密接に関係していると推測できる。 神田が描いているその他の作品はこちら https://www.tricera.net/artist/8100114 父: 鍛冶屋 Hiroko Tokunaga  幼少期に「ものづくり」の一つである鍛冶屋が存在していたことが、Tokunagaの創作に対する独特の姿勢を 形にしていたようです。大学時代は油絵を専攻していましたが、「絵を描く」ことよりも「ものを作る」ことの方が 自分の表現の可能性を探った結果、アクリル板を削り出す方法を見つけたそうです。彼女が辿り着いたのはここまで。彼女の現在の作品は、現代的な「ハイ」な雰囲気を持っていますが、同時にそれはアート以上のものです。加えて、より根源的な行為である「ものづくり」を感じさせてくれます。  両親が鍛冶屋であることを知っているからかもしれないが、鍛冶屋とTokunagaの作品や創作物には共通点を感じずにはいられない。遠くから見た彼女の作品は、非常に現代的で端正でありながら、それと同じように非人情で冷たささえ感じる。それはまるで鍛冶屋が鍛えて完成させたばかりの鉄製品のようである。  しかし、切り取られた点や線は、近くで見るとまた違った表情を見せてくれます。驚くほどの繊細さを持ちながらも、人の技の痕跡を確信を持って見抜くことができる。これらの作品の温かさは、代々受け継がれてきた家業である鍛冶屋に内在する「ものづくり」の精神を反映しているように思えます。あります。点と線の「積み上げ」を見ることで、大学時代に経験した筆の「積み上げ」が、彼女の 芸術から「ものを作る」ことへの移行の感覚と、その移行によって獲得した点と線の「つながり」を 見る者はあらゆる感覚を「知覚」する。 Hiroko Tokunagaが描いているその他の作品はこちら https://www.tricera.net/artist/8100373 姉妹: アパレルビジネスマン Shimpei Ishikawa  Ishikawaの姉がファッション学生だったこともあり、思春期の頃はファッション雑誌が身近にあったという。雑誌のランウェイで見たモデルは、左右対称だったそうです。アーティスティックなモデルは、アーティストとしてのIshikawaの琴線に触れたのでしょう。その後、モデルのような姿がモチーフに登場するようになり、今でもIshikawaのモデルへの関心は高い。それは「感じて想像する」という彼の作品の基本につながっている。  モデルの顔や体を服で覆って、本来の人間の体とは違う形に変身させることが多い。されている。服を着るという人為的な行為によって、人形のように「作られた」パーツに変身する。しかし、ランウェイを歩くための足は、いわば「作られているか、作られていないか」の人間本来の姿の一部である。この二つの要素が共存することで、見る者の漠然としていながらも鮮明な「感じたり想像したりする」感覚が揺さぶられる。この二つの部分が共存することで、見る人の漠然としているが鮮明な「感じ方や想像力」の感覚を揺さぶる。作られた」部分があるからこそ、「作られた、あるいは知られていない」部分には、ある種の空白がある。 このようにして、模型を見る私たちは、想像力を働かせるように促される。  Ishikawaは全く同じことを作品の中で再現している。人為的に操作された作品の形態と、見る者の無意識のイメージが共存し、相互に作用している。行うことによって完成される彼の作品は、その性質上、創造のプロセスのようなものである。中に人がいることを前提に作品を制作し、鑑賞者の想像の余地を意図的に残している。手を握っている。鑑賞者は、手のある作品の「作られた」部分と、手のない作品の「作られた、あるいは知られていない」部分を意識的に意識している。作品との相互作用関係は、前後に縛られている。 それだけでなく、意識とは何かを再考させてくれるだろう。 Ishikawaにとって、積み木から人を彫るという行為と、服を着た人の構造は、作品の中では自然な要素である。それは結び目であり、私たちにとっては一見奇妙な行為である。しかし、「感じて創る」という精神的な機能は、私たちの日常生活の中に、ファッションモデルや 意外と潜んでいるのかもしれません。 Shimpei Ishikawaの他の作品はこちら https://www.tricera.net/artist/8100381

3分で学ぶ內向陌生人_楊舒涵の魅力

必見アーティストの魅力をギュッと3分でお届け   心象風景を描く現代アーティスト「 內向陌生人_楊舒涵 」の魅力をクイックにお届け。   現在TRiCERA ARTでは、世界126カ国以上から、4,000人を超えるアーティストと約52,000点のアート作品を掲載中です。その中から、今見逃せないアーティストをキュレーターがご紹介いたします。     作家の特徴 内向性が解放してくれる広い世界 自身が持つ内向的な性格や内面世界について考察する 心理学者ヘンリー・グレイットマンの著書に影響を受ける 内向的とは同時に未知なるものにオープンマインドであるということ。と語る           Space for soul-6 W 53.00cm x H 65.00cm x D 2.00cm #絵画  #油絵 ¥69,000 +税  (税込¥75,900)   作品を見る   作品のユニークさ 誰もが持つ私的空間、安らぎの場であるオアシスを描く 故郷である台湾の自然、建築や食などの文化から色を抽出している "Space for soul", "Bole", "human", "life series "の4つのシリーズを展開 見る人とオープンな関係を築ける作品     Human-escape W 65.00cm...

Feature Post

初めて現代アートを購入するなら版画がオススメ!-高精彩プリント作品-

この度TRiCERAでは各国より選りすぐった13名のアーティストによる限定エディション・高精彩プリント作品をDNP社からの技術協力を得て販売致します。プリントだからこそ味わえる、アーティストが描き出すイメージの力をダイレクトにお楽しみ下さい。なお今回の企画に伴い、購入後のインタビュー(5~15分:メールもしくはお電話)にお応え頂いた方すべてにオリジナル額(Aの場合:2万円相当)を無料プレゼントいたします。額装をした上で配送させて頂きます。 *11月30日までの期間限定キャンペーン*ご好評のため12月31日まで期間延長!!ご希望の方は、購入後にお送りするメールにご返信ください。 今回の版画作品に関して A. 本格的な現代アートを楽しむ:10万円(税抜) B. 現代アートを幅広く味わう:(A3) 5万円(税抜)、(B3) 3万円(税抜) C. 入門編として現代アートに親しむ:(A3) 1万5千円(税抜) 版画-複数の人が楽しめるアート DNPの技術革新       今回の版画作品に関して 今回の企画には使用する素材や技法、テーマが異なる総勢13名のアーティストが参加し、それぞれ下記のような3つの種類で版画作品を用意しました。 A. 本格的な現代アートを楽しむ A2(42 × 59.4cm)の大型サイズに加え、エディションナンバーとアーティストによる直筆サインがつきます。また、最新のブロックチェーンを使用した証明書によって永久に真贋が保証されます。 サイズ、直筆サイン、エディションナンバーがあることで価格も10万円(税抜)となりますが、しっかりとアートを楽しみたい方、コレクションされたい方におすすめです。 B. 現代アートを幅広く味わう A3サイズ(29.7 x 42.0cm:横長の場合)に加え、B3サイズ(36.4 × 51.5cm:横長の場合)を用意し、エディションナンバーとアーティストのサインデータが印字されています。 価格はA3サイズは3万円(税抜)、B3サイズは5万円(税抜)とご用意しております。ご自宅の壁のサイズに合わせてお好きなサイズをお選び頂けます。 C. 入門編としてアートに親しむ サイズはA3(297 ☓ 420cm:横長の場合)、価格は1万5千円(税抜)という、安心してアートを初めたい方におすすめです。もちろんエディションつきの立派なアート作品です。     A. 本格的な現代アートを楽しむ 上床加奈、土田圭介、西川美穂の3名をご紹介します。どのアーティストも独自の切り口から絵画を考える、注目のアーティストです。 上床加奈 1995年鹿児島出身の上床加奈は、これまで妖怪をモチーフにしながら日本の美意識を探り続けて来ました。明治期の浮世絵や江戸絵画の色使い、画面構成のなかに日本美術の完成系の一つをみる彼女は、日本にもともとある美的な要素を現代的な感覚とすり合わせながら絵画を制作しています。江戸時代には絵師(画家)にとってメジャーなモチーフだった妖怪ですが、明治維新に伴う西洋化と共に日本の美術界から姿を消していきます。上床さんは日本の美術の歴史を振り返り、もともと日本にも優れたものがあることを伝える作品を制作しています。 上床加奈《阿吽》原画価格(参考):90万円 版画10万円(税抜) 作品購入ページはこちら   土田圭介  漫画やアニメのように、キャラクターや物語の描写を通して何かを伝える文化が日本にはあります。土田圭介は一貫して「心」をテーマにしながらも直接的には描かず、SF的な世界観を通して語りかけるようにしています。すべて鉛筆だけで描かれている点も特徴の一つ。縦線だけを使用する彼は、一点の制作に時間がかかります。分かりやすく見える作品ですが、作者である彼の思考や手の動きのといったフィジカルさの痕跡が感じられる深い作品なのです。 土田圭介《ボクらの翼》原画価格(参考):250万円 版画10万円(税抜) 作品購入ページはこちら   西川美穂  彼女は「見えるものと見えないもの」を追求してきたアーティストです。 描き始めるときは明確な完成形を決めず、描いている最中に変化し、本人が「終わった」と思う瞬間に完成します。だからこそ、彼女自身も完成した後で気づくことが多いようです。曖昧な世界を描く西川さんの絵画は、ある意味で文学や芸術の王道。又吉直樹さんの『火花』の表紙になったことでも有名です。 西川美穂《RED BLACK》原画価格(参考):50万円 版画10万円(税抜) 作品購入ページはこちら     B. 現代アートを幅広く味わう   内藤博信 数ある動物の中でも祈るという行為は人間しかしないそうです。内藤さんの作品はひとがふとした時に感じる神々しさ、不思議な感覚を絵画で再現しようとしています。静寂を表現する深い青色が特徴的ですが、彼が使用する絵具は岩絵具。鉱物を砕いて粉末にすることで生まれる岩絵具は、油絵具とは異なる、マットな色彩が出せるのも特徴的。 内藤博信《Blue moon》原画価格(参考):20万円 版画3万円 /...

3分で学ぶHugo Sandovalの魅力

必見アーティストの魅力をギュッと3分でお届け   印象を記号に変換する現代アーティスト「 HUGO SANDOVAL 」の魅力をクイックにお届け。   現在TRiCERA ARTでは、世界126カ国以上から、4,000人を超えるアーティストと約52,000点のアート作品を掲載中です。その中から、今見逃せないアーティストをキュレーターがご紹介いたします。     作家の特徴   具象と抽象の整ったバランス感 コロンビア出身のインディペンデントアーティスト モノの質感や色、形から受けた印象を記号としてあてはめていく バランスの取れた線と色面           PIER 71 W 91.40cm x H 96.50cm x D 0.01cm #絵画 #アクリル画 ¥74,800 +税 (税込¥82,280)   作品を見る   作品のユニークさ   生命力がみなぎるダイナミズムな作品たち 風景や人の瞬間の印象を抽象的に表現 太陽の熱や光を実際に受けるかのようなリアルな体感 優雅で力強いイメージ   THE KING’S RETREATED W 64.00cm x H 95.00cm x...

「完売作家が描く食とアート」START ARTIST vol.9 ~ Kenta Nakajima

TRiCERA発のオークションイベント「START」第一弾の出展作家の"なぜSTARTに出展したか"を主軸にしたインタビュー、ならびに新作の紹介を行います。 オークションイベント「START」とは 2021年2月に行われた「START」。アートに携わる様々な人たちを「セレクター」としてゲストに招き、それぞれの視点からアーティストを選び、そしてその魅力を伝える言葉と共に、その作品をオークション形式で販売いたしました。「アートをこれから始める」という方にも分かりやすい設計を行い、またオークションがはじめての方、オンラインではじめてアートを買う方など、様々なひとたちの「スタート」になるような企画となっております。 作家紹介 中島健太 (Kenta Nakajima) 1984年東京都出身。大学で油絵を学ぶ傍ら、3年次にプロデビュー。 「500点以上が完売」となっている中島の絵画は、発表作品の全てが売約となるのみならず、その繊細な技術から日本最大の美術団体である「日展」でも特選を2度受賞した。 「START」に参加したきっかけ アーティスト活動を行う上でアートと日常生活の解離への反抗とその調和を目指しており、アートをまだ手にしたことがない人にもアートをより身近に感じていただきたいと考えています。 同時に、常に今までの概念には無い、枠組みにとらわれないということを心がけており、高橋 紀成さんからTRiCERA ARTが主催するオークションイベント「START」を紹介された時、そのVisionに共感できたことが参加に至った経緯です。 作品一覧はこちら 「START」に出典した作品について 作品名:Soul food サイズ:31.9 × 31.9cm 技法:キャンバスに油彩 「START」では今までアートを購入されたことがない方が参加されるイベントであり、そういった方により身近に感じていただける作品をと思い「Soul food」を出展した。「Soul food」は、まさに日本の"Soul food"であるラーメンを、金箔の背景に描いたものである。このラーメンは半世紀近い歴史があり、ラーメン界のなかでもエネルギッシュな存在として認知されている「ラーメン二郎」をモチーフとしている。 また、背景で使用されている金の歴史は紀元前の昔にまで遡ると言われており、高い耐酸化性をもち他の金属と比較しても錆びにくく、腐食・退色が極めて少なく「不変の輝き」をもつことが特徴である。「Soul food」は、そんな金の背景をコントラストとして「ラーメン二郎」をモチーフとしたラーメンを描くことで、力強さと持続性を表現した作品である。作品は芸能人の方に落札いただきました。 既存作品の紹介 作品名:Salmon roe 作品サイズ:18.5 × 18.5 cm 技法:木製パネルに金粉と油絵   作品価格 200,000円 購入はこちらから 「Salmon roe」はサーモンといくらの鮨がモチーフとなっている。鮨は日本の代表的料理であり、ヘルシーな健康食として全世界に知られており、鮨(スシ)魚が旨いという意味の漢字を組み合わせである。鮨は近年ではSNSなどの広がりで"映える"料理として認知されている。"映える"="可愛い"と捉えられることもあり、"映える"鮨は可愛いと感じられることもある。 この「Salmon roe」はとても可愛い作品である。サーモンは日本でも海外でもとてもメジャーなネタでありこの「Salmon roe」はサーモンの上にいくらがちょこんと乗っている。鮨はネタの鮮度が命であり、鮮度の良い食材を職人の手により最適な方法で料理することで、見た目の味も他の料理とは一線を画しているまさに芸術的料理である。そんな鮨とアート作品は芸術という意味でとても近い存在であり、人々が鮨に惹かれる感覚とアートに惹かれる感覚はとても近いものがあることからこのモチーフを「Salmon roe」という作品とした。 オンラインだと、テクスチャーが分かりずらいので、分かりやすく金箔を使っているところも特徴である。金でコントラストを表現しているが同時に持続力も表している。アートと鮨という芸術作品を組み合わせ、金の背景で"映え"を演出している作品を通じてアートをより身近に感じていただきたい。 展示会などについて 中島健太は9月から12月で高島屋にて個展を実施している。 期間:2021年9月-12月 開催場所:高島屋日本橋店、京都店、横浜店、大阪店 今後の展望に関して 現在、私の飼い猫のミュシャを世界中の名画の中に描く、旅するミュシャというシリーズの絵画に取り組んでいます。ミュシャと住み始めて1年と少し。ミュシャはとても好奇心旺盛で新しいことが大好きなのですが、飼い主としてミュシャのためにできる事は何かと考えた時に真っ先に浮かんだのが、ミュシャを絵画の中で旅をさせてあげる事でした。そんなミュシャと画家だからできる旅、世界中の名画の世界を一緒に旅をしようと思います。国境も、時間も、ジャンルも超えて、いろんなところへいきたいと思っています。   作品一覧はこちら セレクター 私は仕事柄、人の紹介で作家に会わされたり、色々と売り込みをされるのだが、中島健太は最初Web上でたまたま見つけて、現在アニメ化が決定した大ヒット漫画「ブルーピリオド」の作者の山口つばさとの対談インタビュー記事に興味がわき、月刊美術の編集長に紹介してもらって私から会いにいった人物である。 アーティストは人文科学者や哲学者と横並びで、画力以外に「知性」や「洞察力」が必要である!会ってみたら予想通り、日本の旧体質な画壇の中でもがいている、頭の柔らかい知的生命体であった!画風に新しさはないが、人間性は面白い!今どこにいるかより、今どこを見て生きているのかが、人間の品性であり才能であると私は思っているので、以降、彼の行動には注目している!今より10年後に何を産み出すのかを期待させる人物である! 余談だが、私は約1年前に肖像画を依頼したのだが、1年経っても着手もしていなさそうである、、、。コミッションワーク数年待ちのアーティスト、巨匠になる前に今のうちに1枚作品を所蔵することをオススメする~~~(笑) 高橋 紀成 一般社団法人 国際文化都市整備機構(FIACS)理事 (株)風土...

アジアンアーティストが台頭、香港アートウィークにアジアンアートパワーが炸裂

香港のアートバーゼルでの出会い プレスやVIPゲスト向けのプライベートビューイングを皮切りに、3月27日から31日までアートバーゼル香港が開催されました。 アートフェアの主な機能や目的は美術品の販売であるにもかかわらず、「展示機能」のために発表された「エンカウンターズ」では、まるで美術館で作品を鑑賞しているかのように、膨大なスケールの美術品を楽しむことができました。今年の「出会い」では、 Lee Bul, Chiharu Shiota, Zhao Zhao, Mit Jai Inn, and Pinaree Sanpitak.などのアジアのアーティストの作品を中心に紹介しました。 エンカウンターに参加した12人のアーティストのうち、5人が参加しています。  ‘セザンヌ, モランディ,サニュ’の舞台としての展覧会。 アートバーゼル香港は、この有名なアートフェアとともに、香港のアートウィークでは、ペダーやH・クイーンズなどのアート専門ビルや、アートセントラルなどのアートフェアで、多くの注目すべき展覧会が開催されました。今年の香港アートウィークの目玉はアジアのアーティストでしたが、世界のギャラリーがアジアの新進作家や20世紀のアーティストを紹介していました。展覧会のタイトルは「セザンヌ、モランディ、三友」となっていたが、ヨーロッパから来た二人の作家のうち、三友に焦点を当てれば十分だった。この展覧会の学芸員である曾芳志氏は、三友を選んだ理由を次のように述べている。  「三友の画法は、セザンヌやモランディの画法に著しく類似しているが、彼の画法は本質的に東洋的であり、心の中のインクを油で描く」1。  本人も述べているように、三友展に三友を選んだ理由は注目に値する。19~20世紀のヨーロッパを代表する二人の作家とともに、今回の展覧会の機会を利用して、世間の目を三友に引きつけようとしたのである。特に今の時代は、作品の方法論や素材という意味では、欧米を拠点とする作家とアジアを拠点とする作家の間には、それほどの違いはありません。しかし、アジアのアーティストの作品から感じられる独自性は確かにあります。それは、様々な社会的、政治的、環境的背景から来ているのかもしれません。   セザンヌ、モランディ、三遊、曾芳志、ガゴシアンのキュレーションによるギャラリー香港を背景にした展覧会である。とにかく、アジアのアーティストに注目する動きとその意図がよくわかりました。  G海外を拠点に活動するアジアの若手アーティストを特集しています。 アートバーゼル香港では、参加ギャラリーの一つ「カプセル上海」に、1984年生まれでニューヨークを拠点に活動する台湾の若手アーティスト、ホアン・ハイシン(Huang Hai-Hsin)が登場しました。アートバーゼルデビューということもあり、彼女のウィットに富んだ作品が注目を集めました。今年のアートバーゼル香港で発表された彼女の作品は、アートバーゼルの風景を描いたものでしたが、彼女の作品は、アートバーゼルやアートマーケットをユーモラスに、そして見事にバカにしたようなものでした。   また、アートバーゼル香港に次ぐ第二のアートフェアとされるアートセントラル香港では、1975年生まれでミュンヘンを拠点に活動する中国の画家、徐海英さんが目撃されました。ミュンヘンを拠点とするギャラリー「Galerie Andreas Binder」が、他のアーティストと一緒に彼女の作品を紹介してくれました。履歴書によると、彼女はドイツのミュンヘンで修士号を取得し、そこを拠点にアーティストとして活動しているそうですが、ニューヨークを拠点にしながら中国のギャラリーを代表している黄海新のようなケースもあれば、海外に留学して現地のギャラリーを代表している徐海英のようなケースもあります。 アジアのアーティストがどのように香港で取り上げられる機会を得たとしても、一つはっきりしていたのは、多くの国際的なギャラリーが様々なバックグラウンドを持つ若いアジアのアーティストに注目しているということです。  ヤングアーティスト on TRiCERA TRiCERAには100名を超えるアーティストが参加しており、経験豊富なアーティストだけでなく、才能豊かな若手アーティストも多数参加しています。その中の一人、Manami Numataの作品をご紹介します。彼女は「第72回日本女性美術協会」で大賞を受賞し、イタリアへの留学経験もあります。 <a href="https://www.tricera.net/en/id81000560001.html" 毎週新しい作品をアップしていますので、ぜひチェックしてみてください。 記事を書いた人:Jeongeun Jo韓国出身、日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。アーティストとしても活動しています。

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