日曜日, 5月 29, 2022
Home Curator’s Eye 恋の形と色を巡って

恋の形と色を巡って

 アーティストが取りあげるテーマが壮大であったとして、しかしその創作の源泉となるのは意外にも身近なものであったりする。特に恋と愛などはその際たるものだ。

 世界的に名の知れたピカソの《泣く女》もモデルとなった愛人、ドラ・マールや、モネの「散歩、日傘をさす女性」も嫁のカミーユの存在無くして生まれなかった名画であろう。そもそも「恋人たち」という主題は、西洋美術史では伝統的なものであった。

 本記事では「恋愛」「恋人たち」という普遍的テーマにアーティストたちがどんな現代的エッセンスを加えているのか。是非ともご覧いただきたい。

Imai Atsushi

恋と愛の一線
50 x 73 cm
恋と愛の一線 No.2
50 x 73 cm

作家の詳細はこちらから

Tea Ercoles

Hidden lovers dreaming
122 x 182 cm

作家の詳細はこちらから

中村成二/Seiji Nakamura

紅恋(ぐれん)
40 x 28 cm

作家の詳細はこちらから

Jose Cacho

Lover
80 x 80 cm

作家の詳細はこちらから

Delta N.A

La Reve – The dream
50 x 40 cm
Tra le pieghe del tempo – Through the folds of time
48 x 14 cm

作家の詳細はこちらから

奈倉珠生/Tamao Nagura

恋の終わり
25.5 x 18 cm
あなたに逢えたら
16 x 22 cm

作家の詳細はこちらから

Shinzo Okuokahttps://www.tricera.net/
1992年東京都出身。大学でインド哲学を学んだ後出版社に勤務し、アート雑誌と神社専門誌の副編集長として雑誌及び書籍の企画・編集に携わる。2019年にスタートアップ企業である株式会社TRiCERAに参加、日本初の現代アート専門の越境ECの開発及びアーティストのマネジメント、自社オウンドメディアの立ち上げを担当する。特技は速筆で、雑誌時代には1ヶ月で約150ページを1人で取材・執筆した。

Most Popular

You Might Like

ユニークで魅惑的なペーパーアートの世界-パート-1

子供の頃、紙を使った工作は楽しかったですか?私は確かにそうでした! 折ったり、切ったり、接着したり、組み立てたり、色を塗ったり、お絵かきしたり。その可能性は大人になるまで無限大だったように思います。大人になってからは、電話を受けるときにメモを取ったり、パソコンに貼り付けて期限を知らせるものになりました。それは、トイ・ストーリーを見ているときでない限り、その魔法を失ってしまった。私は最近、魔法がその完全な栄光、ペーパーアートの領域で生きている天国のような場所を見つけました。老いも若きも紙を愛する皆さんと、それを共有させてください。 紙に光を当てる紙はアートを包含するメディアであるだけでなく、創造性の呪文を唱える素材でもあります。ペーパーアートの代表的なものといえば、切り絵でしょう。私もその繊細な仕事と素材の優しい質感が大好きです。(TRiCERA.NETで「紙」と検索して「素材」でご覧ください) しかし、この二人の作家が引き出す可能性を実感することは、夏の暑い日に氷河の湖に浸かるような、大人の私の目にはとても爽やかなものだった。テツジ山下 - 彼の比類なき技法は "ペーパーキルト "と呼ばれています。Lacy Barry - 生き生きとした人物像を "紙の彫刻 "と呼んでいます。 目に映るものを深く掘り下げ、それが語るものに耳を傾けるテツジ山下は、天職を見出したアフリカからインスピレーションを得て、国際的に活躍する日本のアーティストです。一目見て、その質感が飛び出さなければ絵画かと思ってしまいそうになりました。アフリカの部族的な色使いやモチーフから、何か複雑に織り込まれた布なのだろうと思っていましたが、そうではありませんでした。勘違いしていました。それは非常に複雑で詳細な、非常に細心の注意を払って紙の大きな部分に層になっている、切り取られた紙のすべての小さな部分です!彼の舞台裏ビデオは、彼の手仕事がいかに正確であるかの完璧なショーケースです。  https://youtu.be/H4tG-SOuHQ8 彼の作品をさらにユニークなものにしているのは、彼のオリジナルの詩が視覚的な作品に添えられていることです。永遠に続く物語のメッセージが、まるで人間の無常を象徴するかのように、彼の作品を完成させているのです。彼は「紙は生きている」と言います。この微細な紙片は音符のようなものであり、作品は楽譜である」。確かに、彼の壮大な紙のオーケストラと叙情的な詩の調和のとれた音が聞こえてくるような気がします。目にしたものを掘り下げて、それが語るものに耳を傾けてみてください。  束縛されない活気と都会的な洗練さカナダの大自然の中で育ったレイシー・バリーは、"色鮮やかなオーロラから地元のファーストネイションズ族のカラフルなセレモニードレスまで、自然と文化の驚異を体験した "という。彼女の素晴らしい立体的なペーパーアートは、彼女が目の当たりにした美しさを結晶化しています。山下哲治の作品とは異なり、紙が素材であることはすぐにわかる。しかし、それが紙であることには目を疑った。羽の形をしていたり、花の形をしていたり、建物の形をしていたり。子供の頃は複合折り紙や牛乳パックのロボットを作っていましたが、これは全く別のレベルです。彼女の紙や段ボールを使った工学の達人ぶりには限界がありません。 また、束縛されない躍動感と都会的な洗練さを巧みに融合させた作品にも注目したい。例えば《ユニコーンの翼、プレート1番》の大胆な色使いやグラデーションは、大自然のエネルギーが生き生きとしています。彼女が見たであろう様々なオーロラの濃淡を想像してしまうほどリアルです。花の壁掛けシリーズは、優雅な花を囲むような部族的で幾何学的な模様が際立っています。彼女の作るウェアラブルアートは、土着的なモチーフを持ちながらも、その解釈は現代的である。この芸術的本能こそが、彼女の "多面的なアーティスト "と呼ぶにふさわしい資産なのかもしれません。彼女のアートワークは冒険的に見えるかもしれませんが、磨かれたものはあなたの日常を飾るでしょう。  紙はアートのための媒体であるというだけではありません。彼らのようなアーティストがいると、私たち美術愛好家は、ペーパーアートの領域から目を離すことができません。1つとして、私はあなたが今後のアーティストに掲載されます。このようなより多くの楽しい発見のために、私たちのArtClipニュースレターを購読することを忘れないでください For more artworks by Tetsuji Yamashita, click here https://www.tricera.net/artist/8100122For more...

初めて現代アートを購入するなら版画がオススメ!-高精彩プリント作品-

この度TRiCERAでは各国より選りすぐった13名のアーティストによる限定エディション・高精彩プリント作品をDNP社からの技術協力を得て販売致します。プリントだからこそ味わえる、アーティストが描き出すイメージの力をダイレクトにお楽しみ下さい。なお今回の企画に伴い、購入後のインタビュー(5~15分:メールもしくはお電話)にお応え頂いた方すべてにオリジナル額(Aの場合:2万円相当)を無料プレゼントいたします。額装をした上で配送させて頂きます。 *11月30日までの期間限定キャンペーン*ご好評のため12月31日まで期間延長!!ご希望の方は、購入後にお送りするメールにご返信ください。 今回の版画作品に関して A. 本格的な現代アートを楽しむ:10万円(税抜) B. 現代アートを幅広く味わう:(A3) 5万円(税抜)、(B3) 3万円(税抜) C. 入門編として現代アートに親しむ:(A3) 1万5千円(税抜) 版画-複数の人が楽しめるアート DNPの技術革新       今回の版画作品に関して 今回の企画には使用する素材や技法、テーマが異なる総勢13名のアーティストが参加し、それぞれ下記のような3つの種類で版画作品を用意しました。 A. 本格的な現代アートを楽しむ A2(42 × 59.4cm)の大型サイズに加え、エディションナンバーとアーティストによる直筆サインがつきます。また、最新のブロックチェーンを使用した証明書によって永久に真贋が保証されます。 サイズ、直筆サイン、エディションナンバーがあることで価格も10万円(税抜)となりますが、しっかりとアートを楽しみたい方、コレクションされたい方におすすめです。 B. 現代アートを幅広く味わう A3サイズ(29.7 x 42.0cm:横長の場合)に加え、B3サイズ(36.4 × 51.5cm:横長の場合)を用意し、エディションナンバーとアーティストのサインデータが印字されています。 価格はA3サイズは3万円(税抜)、B3サイズは5万円(税抜)とご用意しております。ご自宅の壁のサイズに合わせてお好きなサイズをお選び頂けます。 C. 入門編としてアートに親しむ サイズはA3(297 ☓ 420cm:横長の場合)、価格は1万5千円(税抜)という、安心してアートを初めたい方におすすめです。もちろんエディションつきの立派なアート作品です。     A. 本格的な現代アートを楽しむ 上床加奈、土田圭介、西川美穂の3名をご紹介します。どのアーティストも独自の切り口から絵画を考える、注目のアーティストです。 上床加奈 1995年鹿児島出身の上床加奈は、これまで妖怪をモチーフにしながら日本の美意識を探り続けて来ました。明治期の浮世絵や江戸絵画の色使い、画面構成のなかに日本美術の完成系の一つをみる彼女は、日本にもともとある美的な要素を現代的な感覚とすり合わせながら絵画を制作しています。江戸時代には絵師(画家)にとってメジャーなモチーフだった妖怪ですが、明治維新に伴う西洋化と共に日本の美術界から姿を消していきます。上床さんは日本の美術の歴史を振り返り、もともと日本にも優れたものがあることを伝える作品を制作しています。 上床加奈《阿吽》原画価格(参考):90万円 版画10万円(税抜) 作品購入ページはこちら   土田圭介  漫画やアニメのように、キャラクターや物語の描写を通して何かを伝える文化が日本にはあります。土田圭介は一貫して「心」をテーマにしながらも直接的には描かず、SF的な世界観を通して語りかけるようにしています。すべて鉛筆だけで描かれている点も特徴の一つ。縦線だけを使用する彼は、一点の制作に時間がかかります。分かりやすく見える作品ですが、作者である彼の思考や手の動きのといったフィジカルさの痕跡が感じられる深い作品なのです。 土田圭介《ボクらの翼》原画価格(参考):250万円 版画10万円(税抜) 作品購入ページはこちら   西川美穂  彼女は「見えるものと見えないもの」を追求してきたアーティストです。 描き始めるときは明確な完成形を決めず、描いている最中に変化し、本人が「終わった」と思う瞬間に完成します。だからこそ、彼女自身も完成した後で気づくことが多いようです。曖昧な世界を描く西川さんの絵画は、ある意味で文学や芸術の王道。又吉直樹さんの『火花』の表紙になったことでも有名です。 西川美穂《RED BLACK》原画価格(参考):50万円 版画10万円(税抜) 作品購入ページはこちら     B. 現代アートを幅広く味わう   内藤博信 数ある動物の中でも祈るという行為は人間しかしないそうです。内藤さんの作品はひとがふとした時に感じる神々しさ、不思議な感覚を絵画で再現しようとしています。静寂を表現する深い青色が特徴的ですが、彼が使用する絵具は岩絵具。鉱物を砕いて粉末にすることで生まれる岩絵具は、油絵具とは異なる、マットな色彩が出せるのも特徴的。 内藤博信《Blue moon》原画価格(参考):20万円 版画3万円 /...

現代に残された「絵画を描く」こととは何か – 東麻奈美 インタビュー

美少女フィギュアや玩具をモチーフに、回転という動きを通し時間をキャンバスに閉じ込める東麻奈美。時間というシンプルで古典的な絵画テーマ、油彩画という絵画技法、そして現代の日本文化の一端を象徴する美少女フィギュアを組み合わせる東の作品は、絵画というメディアのレパートリーの広さ、そして現代において絵画を描くことの可能性をストレートに物語る。今回は制作の背景、これまでのキャリアについて話を聞いた。 東さんはこれまでに回転させた美少女フィギュアをモチーフにしながら時間や運動性を示唆するペインティングを制作してきましたが、テーマとしては未来派など西洋的な流れも感じさせます。まずは現在の作品について伺えますか?  もともと学生の頃から絵画に動きを閉じ込めることをしたくて、最初はブレとか揺れ、そういうものを納めようと取り組んでいました。当時はフィギュアではなくおもちゃだったり、本物のメリーゴーランドを長時間露光で撮影したものをベースに描いていました。  ただ当時描いていたのはどちらかと言うと抽象絵画。考えていたコンセプトでは自分の技量のなさもありどうしても表現しきれなくてかなり迷走していました。その中で、コマ撮りアニメのようにして回転を表現したりする実験をしていたんですが、実は私がアニメや漫画好きと言うこともあり、「フィギュアを回転させ、それをモチーフにしたらどうか」と。そしたらこれがハマったんですね。目に見える物理的な回転だけじゃなく、キュビスムや未来派の人たちがやっていたことを現代のモチーフに変えてやることで過去から未来にかけての時間の流れとしての回転が表現できる、と思いました。 抽象絵画を描いていたというのは少し意外でした。 今の作風からは意外に思われるかもしれません(笑)。これは私自身の問題というか、どちらかと言えば自分のコンプレックスに根差していて。というのも、私は絵がものすごく下手(苦笑)。とにかく「描く」ということが苦手なんです。高校の予備校から大学の初期の頃は真面目に絵画をやってみようとしてたんですけど、やっぱり描けない。油絵の描き方がさっぱりわからないんです。周りは楽しんで描いているし、まっさらなキャンバスに楽しそうに向き合っている。でも私にはそれが出来なくて、ただ色を扱うのは好きだったのである意味では逃避する先として抽象を選んでいた風ふしもあるんですよね。結局それも難しかったんですけど(笑)。 MERRY GO ROUND (ツインテール) 29.7 × 42cm, Giclee Printing on paper, edition:50 作品はこちらから 今はフィギュラティブな絵画を制作されています。真反対の方向ですよね。  今の制作方法にたどり着いたことですね、転機としては。ある種の解放に近い感覚です。今はモチーフになるフィギュアをターンテーブルに乗せて回転させ、写真を撮り、パソコン上で合成しながら絵画に落とし込んでいくんですが、つまり最初に描くものを定めることで、そもそも「何を描いたらいいか?」のような疑問を生まないようにした。設計図を用意してから描けばいいんだ、と。その点に気づけたことは私のような人間が絵画をやっていくためには大きい発見でした。 コンセプトやモチーフをしっかり定めてから描くことは自分の趣味性や感情を隔てる意味もありますか? あるかもしれない…というより、ありますますね。そもそも自己表現がすごく苦手な人間なんですよ。無軌道に作品を描けるタイプではない。きっちりしていて、真面目すぎるくらいに真面目というか。自由奔放に出来ないからこそしっかり設計して描くんですね。最近はそれもいいなと思っていて。感情や内発的で物語的な作品の良さもありますけど、私の場合は極限まで自己性を無くして、極限まで純粋に造形性を追求していくことかな、と。使用するフィギュアも自分の趣味とは極力離れたものを使う。自分の趣味とか感情が混入することを防ぎたいからで、本当に、純粋な意味でフィギュアの造形性をテーマにしたい。作品も究極的には目で見て、面白いと思ってくれたらそれでいいと思っていて。 嫌な言い方になるかも分かりませんが、端正な造形性を持った東さんの作品の場合、デジタルとアクチュアルな絵画の境が難しくなりませんか?あくまでも油彩を使用した絵画であることが東さんの作品にとっての一つの生命線な気もしていますが。  確かに「CGでいいじゃん」と思われてしまうかもですが、でも実物を見たときの筆跡や手で描いていることの痕跡も面白さの要素だとは思うんですね。その点こそ私がわざわざ油絵を続けていることの意地というか。やっぱり絵画の物質感は好きだし、その物質に対するこだわりのあるなしがイラストレーションと絵画を区分するとは考えています。 Installation view from MASATAKA contemporary こだわりの点で言えば、もう一つはコンセプトですね。東さんは時間や動きを平面に落とし込もうとしている。その考えはいつ頃から?  もしかしたら個人的な性質に根差しているかもしれなくて、私はものが劣化していく様が耐えられないんですね。ものが古くなったり、汚くなったりすることが耐えられない。ひとによっては古いものに愛着が湧いたり、革製品なんかは使い込むことで愛着を感じることもあると思うんですが、私は袋から出した新品の状態がピークだし、そのままを保ちたい。傷ついたり汚れたりなんて辛すぎるというか。だからモチーフに使うフィギュアも必ず新品を使うんですけど、最近は絵画にすることで閉じ込めているふしがある。 絵に関するバックグラウンドを聞かせてください。絵画を見始めた、あとは描き始めたのは小さい頃から? 本格的にというか、美術の歴史を意識しながら見始めたのは大学に入ってからですが、描き始めたのはもっと前ですね。実は母が漫画家をしていて、と言っても高校生の頃から私を産むまでのごく短い時期ですが。そのせいか「いずれは私も漫画家にならなきゃいけない」とずっと思っていて。強要されたわけでもないし、他に理由があったわけでもないんですけど、漠然とそう思っていたんですね。で、小さい頃からはずっとを漫画を描き続けていて、でも投稿するとか、雑誌で発表するとかいうレベルでは全然なく、趣味の域を出ないものでしたね。でも途中で自然と「自分は漫画を描きたいわけじゃないな」と気づき、むしろやりたいのは一枚の絵だろうと。 フィギュアを絵画に引用する点では、そのままの形でないにせよ、サブカルチャーの背景を感じる点ではあります。当時の絵画シーンは意識していましたか? 確かに漫画とか、あとはアニメですよね、その辺りのカルチャーを引用した絵画の流れも認識はしていましたが、でも私の場合はもっと個人的なものだったように思います。まっさらのキャンバスに描けない、だから何か設計図を用意する、だったら自分にとって身近なフィギュアをモチーフにしよう、という流れ。だから現代アートの文脈云々を意識してここに至ったというよりは、自分の中にある絵画との自然なやりとりの延長線上にあると思います。 活動を重ねてきて感じること、自身の作品について考える部分はありますか? 作品に対してもそうですが、最近はよく活動そのものについて考えますね。特に活動を続けるということについて。というのも、大学を卒業してみんな描くことをやめてしまうから。続けていてもやめていく。それは個々人の事情から止むを得ないことだと思うんですけど、でも学生時代はみんな同じアトリエで描いて、一緒に切磋琢磨していたと思うんですよ。でも今は一人で描いているし、同級生の作家も少なくなってきた。さっきもお話ししましたけど、私は自分自身が作家に向いているとは思えないんですよね。真面目で、設計図を用意しないと絵を描けないし、普通の家庭に育って特に変わったバックグラウンドがあるわけでもない。周りにはもっと絵を楽しんで描いている、もっと作家というあり方に向いている人がたくさんいる中、でも彼女たちはいろいろな事情から作家をやめて、なぜか自分だけが残っている。すごく不思議な状況だと思うんですよ。だからこそ意地になっているのかもしれない。意地の一言ですね(笑)。「とにかく続けよう」と。ずっと絵が下手だったけど大学院まで行って続けているわけで、その先に何があるかわからないけど、描き続ける先に何かがあるかもしれない。描くこともそうですけど、描き続けることは、多分もっと孤独な戦いなんでしょうね。 プロフィール1988年神奈川県横浜市生まれ。2013年女子美術大学大学院美術研究領域美術専攻修士課程修了。美少女フィギュアや玩具をモチーフに、回転という動きを通し時間をキャンバスに閉じ込める制作を行う。2013年福沢一郎賞受賞。主な展示に「メークリヒカイト4」レントゲンヴェルケ(2013)、「未来展」日動画廊(2016)、「ICON」MASATAKA CONTEMPORARY(2019)など。その他、NYや香港など多数のアートフェアに出品。

Jose Cachoを知るための6つのポイント

モダンな雰囲気を感じさせる美しいアート作品を生み出すJose Cacho。作品の中で女性の立ち姿が多く描かれているが、これは演劇鑑賞のように、見ている人達が作品の中に入りやすくするための1つの手段として描いている。世界的にも有名なグスタフ・クリムトの絵画から影響を受けており、小さなモザイクが生み出す視覚的なアートの表現に力を入れている。こだわりを感じるのは、様々な種類の画材を使って、何千ものモザイク部分の素材を自分で作っているところだ。 1.経歴 メキシコを中心に活動をしている男性のアーティスト。2016年から2020年の間に制作された作品では、人間の状態に関連する問題、特に「生命」や「知識」を社会的なバランスの原因として意識しテーマにしている。また多くの作品の中で女性が描かれているが、これは知恵と愛を永遠に伝える存在として「地球上の女性の存在」を意識し、描写されている。 2.インスピレーションの昇華 Jose Cachoにとってアート作品を制作するのに大切であるインスピレーションの源は、新聞やファッション雑誌、広告などの身近なメディア。そこから得たインスピレーションを個人的なビジョンを通して作品へと変換することで、人間の本質を捉えたメッセージ性を作品の中に持たせている。メディアから「情報」として得たものを、深く考えることで新しく目に見える形としてアート作品を生み出すという、その巧みな技には驚かされる。独りよがりな作品では無く、実際に今、この瞬間を生きる人々が問題としていることを作品に取り上げたいという熱意を感じた。 3.モザイクが与える視覚的な効果 Jose Cachoの作品は非常にシンプルな構図で描かれている。モチーフの数も少ない。でもそのシンプルな構図のおかげで、何千もの種類で描かれたモザイクの部分に注目して見ることができる。モザイクの部分のディテールが細かいために、シンプルなのに飽きさせないという独特な個性を持っているアート作品だ。例えば「Turn it over」という作品では、2人の女性がシンメトリーに立っていて、2人が着ているスカートは、それぞれの正方形に一つ一つ違う模様が描かれたモザイク柄になっている。女性の顔には立体的な表現を表す影が描写されているが、体には立体感を表すような影などは描かれていない。わざと目に付くように平坦なスペースにモザイクを描くことによって、ディテールをよく鑑賞することができる。さらに体の立体感で、モザイクの印象を後ろに下げないという効果がある。 4.人間の本質を捉えたメッセージ 「Sel Love」という作品では、シンメトリーに配置された同じ顔の2人の女性が一緒に1つの薔薇の花を持っている様子が描かれている。この作品を読み解いていくと、人間の本質を捉えた面白いメッセージが伝わってくる。実はこの2人の女性は別々の存在では無く、一人の女性が自分を見つめなおしている様子を描いたものだ。ここでは「自己愛」について取り上げており、人間が抱えがちな虚無感に対して警告とアドバイスをしている。その虚無感を埋めるために、世の中では会社を探す人が多いが、「本当に大切なのは自分自身との関係だ」とJose Cachoは言う。自分を愛せない人はいつまでも幸せにはなれないし、満足感を覚えることもない。人間関係の中には、自分自身と向き合うことも含まれている。 5.モザイクの印象を操る 女性が横を向いて腕を組んでいる様子が描かれている「Impatient」という作品。ここでは今までとは違って、モザイクの一つ一つが大きく同じようなパターンの模様で描かれているのが特徴的だ。モザイクの印象を大きく変えることで表現の幅を広げており、ここではターコイズと温かみのあるゴールドから背景の質感に深みを演出している。腕を組んで穏やかな様子では無い女性からは「焦り」の大切さを伝えていて、時には自分で自分に圧力をかけることで、焦って大切な答えを見つけようとする。人生において「これは正しいのだろうか?」と疑う瞬間は誰にでもある。そんな時に焦ることは正確な決断を下すために、自分の味方になってくれるという前向きな味方が込められている。 6.Jose Cachoのメッセージ 作品に込められているメッセージは、どれも私達を激しく糾弾するようなものでは無い。人間の本質的な問題に対するアドバイスや、解決策を多く教えてくれている。そこから作品を通して、彼の優しさを感じ取れた。問題を抱えがちな人間だからこそ、Jose Cachoの作品を見るたびに、生きていくうえで大切なことを忘れないようにしたい。そしてこれから彼が見つけだす、人間の状態を掴んだ新しいメッセージにも目を止めていきたい。

人間にとっての動物、もしくは動物にとっての世界の話。

レオナルド・ダ・ヴィンチの『小貂を抱く貴婦人』とは−言うまでもなく著名な作品ではあるけれど−上品そうな女性がオコジョを腕に抱いているにおける、54.8 cm × 40.3 cmのペインティングだ。オコジョは純潔性の象徴らしいが、一方で14-5世紀の貴族の間では著名なペットでもあったという。 人と動物の共生の歴史は長く古く、遡ればラスコーの時代から人々は動物を飼い慣らし、時に愛玩し、時に狩のパートナーとして生活を共にしてきた。 古代エジプトでは動物に名前を与えていたし、古代ギリシャでは亡くなった犬のために墓穴を掘り、墓石を建て、飼い主はその墓にメッセージを刻みつけて悲しみを形容する習慣があった。 作品の詳細はこちらから かくも長い歴史だが、とはいえ、動物が絵画の題材となり始めたのは、動向としては、主に17-8世紀頃のことだった。 博物学の一環として動植物がイラストレーションされることは多々あった。けれど「動物画」として、つまり絵画の一ジャンルとしてフラン・スナイダーズやジョージ・スタッブスのように動物をメインをモチーフとした画家たちの登場はその時期を待たなくていけない。 では、なぜ人は動物の絵を描くのだろうか。 第一に、ダ・ヴィンチ のような象徴的用法もあるだろう。実在する動物ではないが(少なくとも筆者は見たことがない)、例えばユニコーンは、少女の清らかさを指し示すモチーフとして15世紀の絵画界で使用された。 この象徴という見方は、絵画の中に動物がいることについて一種のストーリーを読み取ることを許すだろう。例えば少女と動物をモチーフにするSELUGI KIMの作品を見てみよう。 作品の詳細はこちらから 彼女の絵画の中の少女が一緒にいるのは友人でも家族でも、ましてや学校の先生でもミッキー・マウスでもなく、一匹のフラミンゴだ。 「文化と愛という名のもと、社会では偽装が多く行われている」と彼女は語るが、その言葉と共に鑑賞すると、フラミンゴと少女しかいない世界は社会の矛盾や清廉さとは反対の、ある種の理想郷的な世界を物語っている様を読み取りたくなる。 作品の詳細はこちらから 動物の「イメージ」という点ではどうだろう。 例えば狼は『赤ずきんちゃん』『三匹のこぶた』など物語の中では常に悪役だ。そして狼と聞けば、どうだろう、善良的なモラリストをイメージすることは少ないのではないか。この物語が作り出した狼の運命について、苅谷はそれとなく言及している。 人間によって紡がれ、語られて来た物語のおかげ嫌われ者になってしまった狼。ある種のイメージ操作の結果をを、そしてそのイメージを固定し続ける者たちの姿を、彼女は公平な視点から描き出している。 作品の詳細はこちらから ペットという視点ではどうだろうか? 人はペットを、自分たちの異種の家族を、どう描いてきただろう。そのストーリーはどうだろうか。 萩原のペインティングにおけるペットは、ある意味、現代の風俗が見て取れる。 〈we use botanical shampoo〉と名付けられた作品に描かれる犬たちは、思うに、普段からボタニカル・シャンプーで身を清めているに違いない。 作品の詳細はこちらから 反面、ペットの視点から描かれた作品も存在する。久保俊太郎の絵画がそれだ。...

Don't Miss

菊地虹 個展のご案内  |KO KIKUCHI EXHIBITION

菊地虹 個展  |KO KIKUCHI EXHIBITION TRiCERA MUSEUMでは、 12/4(土)から12/11(土)の会期にて、KO KIKUCHI EXHIBITIONを開催いたします。 昨年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、現在は同大学修士課程に在籍しながら 一作家として東京を中心に活動をしています。新たな取り組みや制作に実直に向き合い、 新進気鋭ながらも高く評価を受け今後の注目を集める菊地虹は、 「もの」という実体、曖昧な境界をもちながら連続していく個体のそれぞれを等価な視点で捉え直し、「もの」の姿をむき出しにし、図面上に無造作に配置し、そこに立ち現れる個々の共生や価値の在処、また相等の構造について、実践的に考察を続けています。   「KO KIKUCHI EXHIBITION」(GALLERY b. TOKYO, 2021)より、半年ぶりとなる本個展では、 色彩、絵具や色紙などの素材をコラージュさせた菊地の代表的な作品群《スペクトラムシリーズ》の新作とともに、 お笑いコンビ EXIT・兼近大樹による小説『むき出し』の装画として描き下ろしされた新作を会場にて初公開いたします。 同作で書き綴られた躊躇のないリアルな情景描写からインスピレーションを受け、浮かぶイメージを鮮明に描き捉えたという作品は、物語との連続性を想像させ掻き立てています。 絵画あるいは文芸という垣根を超えて、二人の表現者が関わり合い、 鑑賞者として、また表現者として対話し介入していく一連の営みについても、本作品を通してご鑑賞いただけますと幸いです。 菊地虹の作品はこちら 本個展に寄せ 菊地虹コメント 装画を制作するにあたって小説の原稿を読んだとき、自分でも驚くほどの衝撃を受けました。ひとつひとつ指でなぞるように描写される心情や光景、それらがまるで自分で体験したことかのように鮮やかなできごとして感じられたからです。私は読み終わってすぐに制作に取り掛かり、文章から体験したことをこぼさずに描きとめたい一心でキャンバスに向かいました。絵を観たとき、小説の持つチカラの一片でも感じて貰えたら幸いです。 モノを尊重する態度とは、順番でも優劣でも大小でもない居場所をそれぞれの個に見出し、あえて評価を散逸させるものである。等価値たり得ないモノを、等価値に並べようとする際限なき営みの中に、虚しさにも愛おしさにも所属しない感情が芽生える。その営みの繰り返しの中で、モノはどのように隣合い、並ぶことができるのだろうか。また、並ぶべきなのだろうか。 私の手法では、平面上にモノを個として扱うなかで、それぞれに共有関係を与えていく。それぞれが関係し合い、並び、つながりを得る中で、共有し得ない個が立ちあらわれる。一緒くたになりたいと願い、関われば関わるほどそれ特有の個は反比例するように強まる。そのどうしようもないバラツキの中に生まれる、絶え間なく移動するモノのあるべき居場所を、あてもなく眺めている。 開催概要 菊地虹 個展|KO KIKUCHI EXHIBITION 会期:2021年12月4日(土) ー 12月11日(土) 営業時間:月〜土 11:00-19:00 (※日曜のみ休廊)  会場:TRiCERA MUSEUM 〒108-0074 東京都港区高輪3-22-5...

“現代アートの歴史を辿る” 広重からゴッホの作品等1億画素の高精細画素による複製画の特集

この度、TRiCERAは大日本印刷株式会社による高精細印刷技術を活用した「プリモアート」の販売を開始致します。今回は精密な複製技術により制作した葛飾北斎、歌川広重、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、フィンセント・ファン・ゴッホ、ヴァシリー・カンディンスキー、ピート・モンドリアン、グスタフ・クリムトの作品を販売します。 1億画素の高精細撮影による高い再現性 プリモアートとは、DNPが長年に渡って培った技術を用いた、高精細印刷技術。高解像度でデータを処理し、原画に限りなく近い色調やタッチを忠実に再現し、画材紙・キャンバス ・和紙・バックライトフィルムなど多様な用紙へ印刷することが可能です。 通常の印刷では4色のインキ(CMYK)を使用しますが、プリモアートは10色のインキによって再現可能な色域が通常よりも広いことが特徴の一つ。 作品の撮影には、1億画素超の高精細デジタルカメラ「PHASE ONE」を使用し、作品の色調や筆致、キャンバスや紙の目まで忠実に読み取り、原画に近い再現性を出すことが可能となっています。 広重からゴッホまで-今回の特集作家たち- | 葛飾北斎(1760〜1840 / 日本) 江戸時代に活躍した浮世絵師の一人。「北斎漫画」などの作品を残し、ゴッホなど西洋美術にも大きな影響を与えた。 【作品詳細】作家名:葛飾北斎作品タイトル:冨嶽三十六景_神奈川沖浪裏作品サイズ:29.7×42㎝ 作品価格:30,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック 【作品詳細】作家名:葛飾北斎作品タイトル:冨嶽三十六景_凱風快晴作品サイズ:29.7×42㎝ 作品価格:30,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | 歌川広重(1797〜1858 / 日本) 江戸時代に活躍した浮世絵師の一人。風景をメインにした作品は「ヒロシゲブルー」など色使いに特徴があり、ゴッホやモネなど西洋美術にも影響を与え、「ジャポニズム(西洋における日本文化の流行)」のきっかけともなった。 【作品詳細】作家名:歌川広重作品タイトル:名所江戸百景_亀戸梅屋舗作品サイズ:42×29.7㎝ 作品価格:30,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | クロード・モネ(1840〜1926 / フランス) 印象派を代表する画家の一人。「印象派」のネーミングの元となった作品を手掛けた画家でもある。 【作品詳細】作家名:クロード・モネ作品タイトル:オランダのチューリップ畑作品サイズ:42×59.4㎝ 作品価格:40,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841〜1919 / フランス) ポスト印象派を代表するフランスの画家。女性の美しさを追求したことでも知られ、印象派の中ではリーダー的な役割も果たした。 【作品詳細】作家名:ピエール=オーギュスト・ルノワール作品タイトル:ピアノを弾く娘たち作品サイズ:59.4×42㎝ 作品価格:40,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890 / オランダ) オランダにおけるポスト印象派を代表する画家。感情を率直に、大胆に表現した色使いに特徴がある。弟の尽力によって死後に高く評価され、中には100億円を超える作品もある。 【作品詳細】作家名:フィンセント・ファン・ゴッホ作品タイトル:星降る夜、アルル作品サイズ:42×59.4㎝ 作品価格:40,000円(税抜)オリジナル額:20,000(税抜) 購入を検討するクリック | ヴァシリー・カンディンスキー(1866〜1944 / ロシア) 抽象絵画の先駆者の一人として知られる画家。「熱い抽象」とされる作風が特徴的で、晩年は不遇に過ごしたが、その死後になって評価が高まった。 【作品詳細】作家名:ヴァシリー・カンディンスキー作品タイトル:黄・赤・青 作品サイズ:59.4×42㎝ 作品価格:40,000円(税抜)額装:20,000(税抜き) 購入を検討するクリック | ピート・モンドリアン(1872〜1944 /...

アートの外、そして中。アウトサイダー・アートの作家たち

アウトサイダー・アートとは1972年に美術評論家のロジャー・カーディナルによって提唱されたこの概念。言い換えるならば、正規の美術教育を受けていないアーティストによって制作されたアートを指すテクニカルタームと言える。  型破りで自由なスタイルのアウトサイダー・アートについて、本記事ではACMギャラリーが取り扱う作家を紹介していく。 藤橋貴之/Takayuki Fujihashi 1963年生まれ。20歳になって、新明塾の仲間と出会い絵を描く楽しさを知りながら、自分の世界を広げる。 20代、30代は染色、クリーニング屋さんなどで実社会経験も積み、真面目で着実な仕事ぶりは評価される。その後、一時期工房ソラに入所、さおり織や陶芸の絵付けなどでその造形感覚を発揮する。現在は自立を目指して一人暮らしをしている。 作家の詳細はこちら 神楽谷/Kaguratani 1971年生まれ 岡山県津山市在住。常に自分の興味のあるものにアンテナを張っており、興味あることを形にしたいという思いは強く、油絵、水彩画、デザイン、オブジェなど、興味の赴くままに作品を作っていく。いくつもの作品が同時進行で制作されており、アトリエには制作途中の作品が多くある。 作家の詳細はこちらから XL 1967年生まれ。2006年より「NPO法人スウィング」に所属。中学卒業後、左官屋に就職するも激しい「いじめ」にあい速攻で退職、推定15年に及ぶ引きこもり生活を経験する。芸術創作活動「オレたちひょうげん族」、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」等、多方面に渡ってスウィングの「仕事」を中心的に牽引中。 作家の詳細はこちらから 寺井良介/Terai Ryosuke 1985年生まれ。野球への情熱は、動物や身の回りにあるものを次々と野球の世界に引き込んでいく。一見すると無関係に思えるものも、元をたどると実は野球を発端に飛躍している。 作家の詳細はこちらから 松本寛庸/Hironobu Matsumoto 1991年生まれ。2〜3歳の頃から絵を描き始め、3歳で高機能自閉症と診断された。彼の作品は、その時の興味や関心を反映したものが多く、自分の考えるイメージに変えて描く。色鉛筆も300本、水性ペンも100本ほどの中から迷うことなく色を選ぶ。定規や消しゴムや修正液などは一切使わず、緻密で繊細で色彩豊かな作品が多い。 作家の詳細はこちらから 世界で評価の兆しが見える日本初アウトサイダー・アート。奇妙にも思える作品は、しかしその内面性故にボーダレスなパワーを持つのだろう。

内容と画法で目を引く作品

Maria Farrar “Too late to turn back now” OTA FINE ARTS Installation view of “Too late to turn back now” (2019) by Maria Farrar at...

Feature Post

アートにおける「青」の物語

私たちの目にうつる生活は、とてつもなく鮮やかだ。 ただ、普段の生活の中、色彩に意識的であるのはアーティストやデザイナーくらいではないか。 ここで一旦、色が我々に与える影響を考えてみよう。例えば赤はアドレナリンの分泌を促進し、黄色はリンパ機能に影響を与えるという。真偽のほどはともかく、色彩がもたらす生理的もしくは心理的機能への影響は、例えば広告などで積極的に応用されている。広告の用途にしたがって、つまりその狙いの違いによって色を使い分けるのだ。 ではアートの世界ではどうだろう? 中でも青は特別と言われ、心理学的には「鎮静」を促すとされるこの色は、例えば印象派の作品では青がよく使われていたし、中世では王族を表す色でもあった。かのイブ・クラインも青に魅せられ、自分だけの色「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」をも作りだした。青は落ち着きの色であり、高貴の色であるのだ。 もちろんアートにとって色彩は無くてはならないガジェットの一つ。明るさや暗さ、豪華さや清らかさ、特定の色はそれぞれに暗喩するイメージがあり、画家が思い描く世界をアプトプットする重要な手段だ。 日南田の作品もまさにそうだろう。クレヨンとアクリル絵の具、ジェッソをベースに塗り重ねる彼女の作品は、壮大なスケールであることが多く、使用される色は青系統が多い。 作品の詳細はこちらから  ロサンゼルス、トリノ、マイアミ、モンテカルロ、パリなど世界を旅しながら作品を発表してきたアーティストユニット Delta N.Aの作品は、現代人が抱える二項対立がメインのテーマだ。明度の低い青の利用は、うっすらと幻想的な色調、そして思考を促すようなゆったりとした時間へ誘ってくれる。 作品の詳細はこちらから  高橋浩規は日本のデリケートな四季を細やかに描き出すアーティストだ。岩絵具の素材としての美しさを出来るだけ活かすように、色彩の透明感や鮮度を保つことに細心の注意を払っている。岩絵具由来の色彩から紡がれる情緒溢れる画面は、どっしりとした深みのある、けれども決して野暮ったくない仕上がりである。  深みのある青で描かれるもっとも日本的なモチーフの一つ、富士山、そして天の川を自宅の椅子に腰をかけてゆっくりじっくりと、時間をかけて眺めてみるのもいいだろう。 作品の詳細はこちらから アートはモチーフや素材、筆致やコンテクストなど無数の構成要素から成る。しかし、生活と密接な作品を選ぶ際には、色を意識してみることだ。

上床加奈 / 中島健太 による新作版画の予約抽選販売を実施致します

この度、TRiCERAではフジテレビのWEBメディア「フジテレビュー」に登場したアーティスト 上床加奈、中島健太による新作版画作品を予約抽選販売致します。   ■ 受付期間 2020年10月25日(日) 10:00 〜 2020年11月10日(火)■ 当選通知 2020年11月17日(火)までに当選者のみメール通知■ 応募方法 応募フォームに必要項目を記載の上、注意事項を必ずお読み頂きお申し込み下さい。     【販売に関する諸注意】(1) 作品にアーティスト直筆サイン、エディションナンバー入り。(2) 本作品は抽選となっており、ご希望の作品が手に入らない場合がございます。(3) エディションナンバーは選択出来ません。(4) 作品発送は本発売(2020年11月16日予定)より約2週間から1ヶ月のお時間を頂きます。(5) 下記の作品の仕様は制作前のものであり変更が生じる場合がございます。(6) お一人様一作品あたり2点までお申込頂けます。     | 上床加奈 《犬神 参》 ©️ Kana Uwatoko / TRiCERA, inc. アーティスト:上床 加奈 Kana...

TRiCERAで受賞歴のある作家特集 Vol.1

創立から2年、TRiCERAには120カ国以上の国々から、 4,000人以上の作家がアーティストとして登録をしています。 今回はTRiCERAに登録している作家の中から3名の受賞歴のあるおすすめ作家を特集。 中島健太- 販売中の作品 (Anonymous - Print ver, W 50 x H 20 x D 0 cm,Print) 作家コンセプト 1984年、東京都に生まれる。大学で油絵を学びながら、3年目にプロデビューを果たしました。以来、500点を超える作品はすべて完売。商業的に成功しただけでなく、日本で最も重要な美術展である日展で、その繊細な技術が評価され、2度の特別賞を受賞している。作品制作だけでなく、テレビメディアのコメンテーターとしても活躍するなど、その活動は多岐にわたっています。いかにアートに親しんでもらうか」をコンセプトに、アートと日常生活の解離を解消し、両者の調和を図ることを目指している。 経歴 1984年、東京都生まれ。 大学3年生の時にプロデビューし、これまでに500点以上の作品を制作し、そのすべてが完売している。 繊細で洗練された技術と、温かみのある人間味あふれる作風で、オンリーワンのアーティストとして高い評価を得ている。 20代で日本最大の公募展である日展で特別賞を2度受賞。その作品は、昭和の伝説的芸術家・小磯良平氏と並ぶ記録として注目されている。 また、TBS「NEWS23」やテレビ朝日「白い美術館」など、「売れっ子画家」としてテレビでも紹介されています。 TBS「NEWS23」、テレビ朝日「白い美術館」、フジテレビ、テレビ東京など、多くのメディアに出演。 TBSの朝の情報番組「グッドラック!」のポスターを制作し、木曜のコメンテーターとしても出演している。 中島健太の作品一覧はこちら Zeng Chao- 販売中の作品 (Self Portrait 3, W 46 x H 53 x D 4...

“新しい絵を描きたい”

独学で制作している加藤浩介は、美術史や現代の美術シーンを熱心に研究・研究している若者の一人です。彼の作品は、風景を参考にしながら、情景の中にある視覚情報を分解し、幾何学的な図形に変換することで制作されています。絵画の背景にあるストーリーや制作過程に興味を持ち、「そもそも絵画とは何か」という命題を常に念頭に置き、絵画の境界線を押し広げる姿勢を示しています。 まず、あなたの絵について教えてください。 私の作品のモチーフは風景です。ただ風景を描くのではなく、視覚情報を分解して幾何学的なパターンに置き換えています。私はローラ・オーエンスからインスピレーションを得ています。風景画を描くようになったきっかけは、大きな絵を描きたいと思ったからです。対象物は大きければ大きいほど、その対象物の世界全体を表現するのに適しています。また、ランドスケープは情報量が多く、再統合のために分解しやすい。 Nojima, 91×91cm 最初から風景画を描かれていたのですか? いえ、最初はリアリズムとミニマリズムを組み合わせた作品を描いていました。23歳の時に描き始めたんですが、自分の作風はとてもシンプルで、リアリズムの絵は結構売れるから、日本の文化である「侘び寂び」を組み合わせれば売れるんじゃないかと思っていたんです。しかし、いろいろなことを模索しているうちに、自分の好きな形で何かを作った方がいいと思い、現代美術の歴史や情景を勉強し始めました。都内の美術館にもたくさん行きましたし、美術関係の本も読んで知識を得ました。2019年頃から自分のスタイルで風景を描き始めました。 作品を制作する際に大切にしていることは、アートの文脈なのか、それとも自分の考えや気持ちなのか。 新しいものを作るには伝統や歴史を知る必要があると思うので、私は伝統をより重視しています。古いスタイルを知ることで、新しいスタイルの絵画が描けると思います。私は画家でありたいと思うと同時に、新しい絵画を作るという文脈の中にいたいと思っています。 snowscape, 194×162cm 新しさについてはどのようにお考えですか? 新しさとは違う言葉かもしれませんが、キュビスムは面白いと思います。キュビスムは抽象的でありながら、本質的な目的はイメージの再統合だと思うんです。そういう意味では、私の描き方にも似ていると思うのですが、違うイメージでやっているのかもしれません。 そもそもなぜアーティストになろうと思ったのですか? 絵を描くことは好きでしたが、自分に特別な才能があるとは思っていませんでしたし、人から褒められることもありませんでした。きっかけは、高校時代の美術の先生がいろいろな美術の本を見せてくれたことです。その中にジャクソン・ポロックの本があって、感動しました。そもそも絵ってなんだろう」という好奇心が私の原点でした。 Awkward Tree, 91×117cm 今後の予定を教えてください。 2019年から風景シリーズを始めたのですが、私の焦点は制作過程にあることを再認識しました。私は、絵画とは何か、絵画の歴史を物語るようなものを描くことに興味があります。もう一つ重要なのは、同時代性です。今は誰もが何でもネットで検索する時代です。ソーシャルメディアから画像を引っ張ってきて、それを自分の絵の中に入れたら面白いのではないかと思っています。今の時代の良い部分を取り入れながら、今後も絵画を追求していきたいと思っています。

Editor's Choice