日曜日, 5月 29, 2022
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Quick Insight Vol.9 日本のサイバーパンクを具現化するスペイン人作家、Rafa Mataの魅力

日本のサイバーパンクを具現化するスペイン人作家、Rafa Mataの魅力

スペインで未来的な日本像やSNSで煌びやかに注目を集めようとするインフルエンサーを
作家の視点から描く作家、Rafa Mata。彼が何故、日本のサイバーパンクに魅入られたのか、
また、自身のアートキャリアを通じて何を表現していきたいのかに関してお話を伺った。


1.あなたがアーティストになったきっかけを教えてください。

私は、文章を書くことから映画撮影まで、あらゆる芸術が好きです。これまで、あらゆる種類の芸術的プロジェクトを行ってきましたが、
私の原点は絵を描くことです。18歳でメディア研究の学位を取得しましたが、絵を描くことに夢中になっていたので、
2年後に休学してグラフィックデザインのコースに入りました。
これでいろいろな可能性が見えてきたので、美術の勉強を続け、Ogilvy & Mather社にグラフィックデザイナーとして採用されました。
しかし、私はフルタイムのイラストレーターになりたかったので、空いた時間にポートフォリオを作成し、
イラストレーターを探しているすべての企業に送り始めました。

そうしてマドリッドのMcCann Erickson社に採用され、
24時間体制でイラストレーターとして働くことになりました。
6年間働いて、締め切りや広告用語、さまざまなクライアントとの仕事について多くのことを学びました。
広告は私のテーマやスタイルに大きな影響を与えていますが、多くのプロジェクトを遂行する中で、
私はもう一歩踏み出して、一人のアーティストになる必要があると感じたのが最初のきっかけです。

そして、2016年に初めて自主アートプロジェクトを行いました。
2017年にはカリフォルニア州ロサンゼルスに移り、
2年間かけて自分のスタイルとデジタルと伝統的なアートのテーマを深く追求しました。
そこでは、リトル・トーキョーとアメリカにおける日系人の方々に魅了されました。
それ以来、日本とアメリカの美的感覚の融合は、私の芸術的インスピレーションの核となっています。
2019年には「Witchcraft」と名付けた初の展覧会を開催し、
2020年のパンデミックの際には初の作品を販売しました。Get to Work

Get to Work,H 66cm x W 100cm x D 0cm, Art Prints/Multiples, 2020)

作品詳細はこちらから

2.あなたの作品は、日本のサイバーパンクをモチーフにしているように見受けられますが、このようなテーマを選んだ経験はありますか?

私はポップカルチャーと大都市が好きな都会派のオタクです。
テレビを見たり、ビデオゲームをしたり、マンガやコミックを読んだりして育ったので、
私の主な文化的背景は、他の国や異なる文化から来ています。
この影響はとても大きく、日本の漢字を描いたり、日本の物語や伝説を読んだりするようになりました。

私は、アーバンアートやグラフィティがすべての壁を占める労働者階級の地域で育ちました。
同時に、パンクやロッカーなどの都市文化の影響を強く受けていましたが、
これらのムーブメントのすべてが私に探求心を与え、自分の文化的な世界を作る自由を与えてくれました。
そして、大友克洋さんの「AKIRA」を見て、心を揺さぶられました。その後、木城よきとさんの「銃夢」などのマンガを読み、
塚本晋也さんの「鉄男」などの映画を見るようになり、サイバーパンクと日本のイメージが私の主な参考資料のひとつになりました。

それ以来、ネオンと都市文化が、アーティストとしての私のテーマとなったのです。

3.アートスタイルを確立する際に影響を受けたものはありますか?

自分のスタイルを確立するために、自分が参考にしたものを研究し始めました。
その結果、日本のアーティストが私に大きな影響を与えていることに気づきました。
15歳で初めてデッサンの授業を受けたときから、私が主に影響を受けたのは、アキラ・トーラスさんのようなアーティストでした。
しかし、時が経つにつれ、村上隆さんや横尾忠則さんの作品、日本の雑誌や広告を勉強するようになりました。

2011年にはマドリッドの国際交流基金が主催したマンガ家の小川剛さんによるマンガ講座に参加しました。
このコースでは、マンガの色調や伝統的な描き方について学び、現在もマンガだけでなく多くの作品で使用しています。
子供の頃に楽しんだような絵を作る方法を原典から学ぶことができたので、このコースは私のキャリアにとって非常に重要なものでした。MACROBIANS5

(MACROBIANS5, H 99cm x W 69cm x D 2.5cm, Painting (Acrylic art), 2021)

作品詳細はこちらから

4.あなたにとって最も重要なテーマは何ですか?

現在の私のテーマは
ソーシャルメディアや広告に影響された一般の人々の生活を捉えることです。
私がロサンゼルスにいたとき、何人かの異なる分野のアーティストに会いましたが、
彼らは皆、自分のパーソナルブランドにこだわっていました。

このパーソナルブランドという概念は、様々な形で私を悩ませています。

そして、私が発見した最も重要なことは、パーソナルブランディングはアーティストだけでなく、
すべての人にとって達成すべきものだということです。
一般の人々が、クライアントや同僚、あるいは家族や友人との関係をどのように構築しているのかを見てみると、
誰もがロゴやTシャツデザイン、ソーシャルメディアのスターになろうとしていることがわかります。

私のメインテーマは、ソーシャルメディアという個人主義の人々が集まる環境を通じて注目を集めようとする人々を捉えることです。
私が作品で表現している女性たちは全員実在し、かなりの数のフォロワーを持ち、
メジャーブランドのインフルエンサーになるために多くの時間とエネルギーを費やしていますが、
実際に有名でもスターでもありません。

これは私自身にも言える事であり、私は自分のパーソナルブランドを作るために、アートギャラリーではなく、
ソーシャルストーカーとしてソーシャルメディアや広告からインスピレーションを得ています。

5.最後に、私たちTRiCERAは、アーティストの海外市場への挑戦をサポートします。
あなたにとって海外に向けて作品を作るということは、どのような意味があるのでしょうか。

私にとって、トライセラの一員となり、海外で作品を発表できることは、私の仕事の集大成です。
私はアーティストとして、デジタルメディアによって距離に関係なく見たり、
考えを共有したりすることができる現代について自分自身の作品の中で語ろうとしています。

だからこそ、TRiCERAでの活動は他の市場に挑戦する機会になるだけでなく
私が「MACROBIANS II」で達成したかった目標と、私が撮影した少女たちの姿を体現する場にもなっているのです。

MACROBIANS 3

(MACROBIANS 3, H 69cm x W 69cm x D 2.5cm, Painting (Acrylic art), 2021)

作品詳細はこちらから


Rafa Mata
<コンセプト>
ラファ・マタは、東洋と西洋、神話と現代の融合、さらにはソーシャルメディア、セルフイメージ、アイデンティティといったテーマに影響を受けています。 彼の作品は、繊細で、生き生きとしていて、セクシーであると同時に、不気味でもあります。 クリーチャーや、伝統的な神々と混ざり合った現代のウィルスやバクテリアが溢れ、都市の風景に広がり、孤立した女性を取り囲んでいます。
<経歴>
Rafa Mataは、マドリッドを拠点とするスペイン人マルチメディアアーティストです。広告イラストレーターとして McCann Erickson社、Ogilvy & Mather社、Shackleton、Havas社などの大手代理店で、 広告イラストレーターとして10年間働いてきました。アメリカのロサンゼルスに住み、 ハリウッドの脚本家と一緒に彼らの作品を形にする仕事をしてきました。現在は、初の出版プロジェクト、 初の展覧会の企画、アジアの文化や都市のスタイルに大きく影響を受けた独自のアートスタイルの開発に没頭している。

本日紹介の作品は全てTRiCERAで取り扱っております

Soyhttps://www.tricera.net/
Exhibition Planning Manager/ Artist

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"神々との繋がりを感じ、キャラクターの意味を表現することに集中しています。" 西村有紀子 西村有紀子は、アーティスト、書家、デザイナー、ビジネスオーナー。国際的に認められたドレスデザイナーであり、ミス・インターナショナルやミス・アースの公式デザイナーでもある。また、ウェディングドレスの会社「Ar. Yukiko "というウェディングドレスの会社も経営しています。彼女はその芸術的な才能で人々を励まし、インスピレーションを与え続けています。今回のTRiCERAでは、西村さんの書道作品を紹介します。今回のインタビューでは、西村さんの生い立ち、使用している漢字、そして神々とのつながりについて、独占的にご紹介します。 西村さんが使っている漢字 神々とのつながり 西村の書道作品 西村由紀子のアートを購入する場所 西村が使う漢字 "現在の日本で使われている漢字の原形です。" 西村有紀子さんのフォーチュン 古代漢字の書道を描いている人を見たことがありません。どのようにして始めたのですか? 古代漢字だけを描いている書道の先生に出会ったのがきっかけで好きになりました。その後、勉強してオリジナルの作品を作るようになりました。 古代漢字とは? 紙が発明される前の紀元前3200年頃の古代中国で使われていた漢字で、現在の日本で使われている漢字の原形です。古代中国では、支配者が神託を受け、動物の骨や亀の甲羅に古代の漢字が刻まれていました。 西村有紀子作「龍」 どんなところに魅力を感じますか? 象形文字なので、漢字を読めない人でも意味がわかるところです。また、シャーマニズムと関係があるので、私の書道作品をお持ちの方からは「神聖な力がある」「部屋の雰囲気が変わる」とよく言われます。 神々とのつながり "これらの経験から、神聖な力を宿すと信じている書道を描くことができるようになりました。" 書道をしている時、どのような感情を感じますか? 神々とのつながりを感じ、文字の意味を表現することに集中しています。私の作品のユニークなところは、書道の中に神々がいるかのように文字を表現する、エレガントでありながらも力強い筆致にあります。 現在、古代の漢字を描くことにはどのような意味があるのでしょうか? 16歳から22歳までの7年間、神社で巫女をしていました。また、日本の神社の宮司長の8割を教育してきた大学で神道やシャーマニズムを学びました。神様とのつながりを強く感じ、仕事をしているうちに神様と会話ができるようになったと感じています。そのような経験から、神聖な力を宿すと信じている書道を描くことができるようになりました。 西村有紀子作「花」 西村の書道作品 "自分の作品を見る人の人生に良い影響を与えるようなキャラクターを描くことを選んでいます。" 現在はドレスデザイナー、ウェディングドレス会社の起業家、アーティストとして活躍されています。これらの経験から、書道の仕事に取り入れている要素はありますか? デザインも現代アートもオリジナリティが必要だと思っています。また、私の書道作品は自分の世界観を伝えるものでもあり、真似のできないものです。 描く文字はどうやって決めているのですか? 見てくれる人の人生に良い影響を与えられるようなキャラクターを描いています。 書道の作品はどんな人が買ってくれますか? 何十億円も投資している大口の投資家や、ワールドカップに日本代表で出場したことのあるスポーツ選手など、業績アップのために縁起を担ぎたいと思っている人が買ってくれています。このような人たちは、光(光)、神(神)、福(福)を所有したいと思っているようです。 西村由紀子の作品を購入する場所 TRiCERAでは、西村由紀子の書道作品の多くを展示しています。日本の新進気鋭のアーティストについてもっと知りたい方は、コンテンポラリーアートのページをご覧ください。

アートと食の甘いマリアージュ − 渡辺おさむの作品に見る

食への愛とは世界に不変の物であろう。 どうやらアメリカでは7月は料理月間であるらしい。様式は違えども料理は芸術であるし、両者とも私たちの生活を豊かにするという点は世界共通の認識だ。 海外では寿司やラーメンしか知られていないが、日本は食の伝統や文化が比類無いほど豊かな国である。また、レストランで見る「食品サンプル」のディスプレイは、よだれが垂れる程のリアルさとその珍発想で人気を博す。今回は、アートに食べ物(スイーツ)を取り入れた個性的な日本人作家の作品をお届けする。 人前で愛を表現することが敬遠されている日本だが、食への愛については過剰な程に公にされていると見える。海外在住の筆者は、日本の友人らがインスタグラムで食べ物の写真をお披露目しているのを頻繁に見かける。自宅であろうがレストランであろうが関係ない。私としては彼らの胃袋事情には興味がなく、近況を知りたいだけなのだ。残念ながら、今さらフォロー解除はできないし、どうしたものか。 海外で大人気のデート相手を探すTinder系のアプリでも、日本では顔写真の代わりに食べ物の写真が溢れていて、もはやUberEatsのメニューよりも充実している。今日のデートはオムライスさん、明日は焼肉さん、と選ぶのが楽しみなのだろうか。そんな私の戸惑いはさておき、スイーツデコレーションアートのパイオニア、渡辺おさむの紹介に戻るとしよう。 作品の詳細はこちらから 渡辺は自身の作品を「フェイク・クリーム・アート」と呼ぶのだが、確かに例のお菓子づくりで使う、袋から絞られたクリームで出来ているのだから納得だ。ただ、ケーキの上にクリーム製の聖母マリア像を優雅に建立するなんて、誰が想像したろうか。お釈迦様なんて、甘い誘惑を纏いつつも、世俗的な考えに邪魔されることなく涼しげに禅に浸っている。クリームは実際は樹脂で出来ているが、レストランの食品サンプルのように、彼の再現力(美味しそうな偽のキャンディー、果物、カップケーキ)には、抗いがたい魅力がある。筆者もこの記事を書くだけで口がヨダレで溢れそうだ。 作品の詳細はこちらから 芸術とパティシエの才能を用いたスイーツアートを通して人々に幸せをもたらすことを使命とする彼曰く、「インスピレーションの源は、パティシエであり製菓学校の教師である母」であるという。印象派の大家であり、仕立て屋の息子でもあったピエール・オーギュスト・ルノワールが服を描くことに長けていた事実を鑑みても、親からの影響には合点がいく。そのルノワールの著名な肖像画「レースの帽子をかぶった少女」を、渡辺が味わい深いオマージュ作品としたのも偶然ではないと思えてくる。味覚では理解できないとしても、視覚で楽しませる料理の達人による逸品であることは疑いの余地がない。 作品の詳細はこちらから アジアと西洋文化が融合する土地、日本。歴史的にも日本人は、火縄銃やカメラ、自動車など高品質に改善された製品を産出している。文化や芸術も例外なく融合し変質し輸出してきている。渡辺おさむのユニークなキッチンで、西洋のアートと製菓術が日本の独創性とカワイイムーブメントとの幸せな出会いを果たしたのだ。 作品の詳細はこちらから もっと芸術と食の至福のマリージュ、渡辺おさむの作品を見たい読者の方々についてはTRiCERA.NETでメニューをお手に取られてみてはいかがだろうか。また、この記事が舌に合う様であれば是非、ニュースレターへの登録をお薦めする。 渡辺おさむの詳細はこちら

Feature Post

ART & MOVIE ーシーンとイメージが導く映画と絵画の共振

今回は、映画とアートという2つをペアリングしていこうと思います。 映画には画、音楽、物語など多くの要素があり、 人によって映画の着眼点や感じ方はさまざまでしょう。 そのため、一口にペアリングをすると言ってもどのようにペアリングをしていくのか、 最初に決める必要があります。まずは映画を構成する要素を考え、 それらを様々な芸術へと当てはめてみることにします。 カット、シーン→絵画、写真 シーン、シークエンス→ビデオアート サウンド(BGM)→サウンドアート 演技、役者の身体→パフォーマンス 脚本、プロット→小説、文学、詩など セット、役者の身体→彫刻 こうしてみてみると映画というのは、舞台などと同様に総合芸術であると言えます。 総合芸術であるところの映画を一つの芸術作品をもって表現することは、 不可能ではありませんが、少し難しいため今回は映画全体と作品をペアリングするのではなく、 映画の中で印象に残ったシーンと作品をペアリングしていくことにします。 それでは、今回は3作の映画についてペアリングをしていきたいと思います。 映画のネタバレを含むことがありますので、ご注意ください。 1: バッファロー’66(1998)x 《E=MC2》(Jan Smeltekop) and 《A Moment》(Ken Sakamoto)   ヴィンセント・ギャロが監督と主演を務めたバッファロー’66は、刑期を終えた主人公が「フィアンセを連れて帰る」と実家に嘘をつき、 フィアンセ役を立てるため途中で出会った少女レイラを拉致し、 彼女と過ごす中で少しずつ変化していくという物語です。この映画の中で印象的なシーンの1つは、 ボーリング場でキング・キリムゾンの“Moonchild”をBGMにレイラがダンスをする場面です。 このシーンには、Jan Smeltekopの《E=MC2》をペアリングしてみました。 この作品は暗闇の中に佇む女性を描いています。女性の妖艶な姿と暗い画面が、キング・クリムゾンの曲の中で踊るレイラを想起させます。 また、画面に描かれた「E=MC2」はエネルギーの計算式を表しており、作品と映画シーンの両者がもつ独特な吸引力を感じることができます。 《E=MC2》(Jan Smeltekop) また、この映画でもう一つ印象的なのは、実家に戻った主人公と家族が食卓を囲んでいるのですが、 両親はあまり彼に興味がなく、ほとんど相手にされていないというシーンです。主人公のやるせなさや苛立ちとともに、 家族というものの歪なバランスが表れているように思います。 このシーンには、Ken Sakamotoの《A Moment》をペアリングしてみました。この作品は人の痕跡が残った食卓を描いており、 その粗雑な雰囲気とモチーフの荒削りな描き方からは、そこに集う人々の関係の危うさを感じます。 それは、彼らがいなくともそこに横たわり続ける「家族や家庭という形式的な現実の空虚さ」と、 映画の中で食卓を去った主人公が最後に道中を共に過ごしたレイラを抱きしめたように、「互いに向き合うこと、 その事実の重み」を想起させます。 《A Moment》(Ken Sakamoto) 2: 花とアリス(2004)x 《7,PM1913.》(MIZUKI)   岩井俊二監督によるこの作品は2015年に前日譚となるアニメーション「花とアリス殺人事件」が公開されたことでも話題となりました。2人の高校生の少女の恋と成長を描いた本作品は、岩井俊二作品特有の淡い光と、どこか不器用な人物たちの日常が印象的です。 朝靄の中の街を描いたMIZUKIの《7,PM1913.》には、映画と近い匂いを感じることができます。また、画面に並んでいるスッと伸びた角度の異なる電柱たちは、映画の最後に蒼井優演じる有栖川徹子がバレエを踊りながら、部屋の中を自由に動いてゆくシーンを連想させます。 《7,PM1913.》(MIZUKI) 3: インターステラー(2014)x 《Cornfield》(Alexander Levich) クリストファー・ノーランによるこの映画は、環境問題が深刻化し、人間が住むことすら困難になってきた地球において、現状を打開するために元空軍パイロットのジョセフ・クーパーが移住可能な惑星を求めて宇宙へと旅立つ話です。この作品には、別の惑星やブラックホール、四次元空間の描写など印象的なシーンが多々ありますが、個人的にはクーパーが出発前に子供たちと過ごした家と、その周りを囲むとうもろこし畑のシーンが印象的です。それは、今の地球上にもある風景であるとともに、近い未来その風景が変わってしまうのかもしれないということを考えさせられます。 Alexander Levichの《Cornfield》はまさにこのシーンと同じようなとうもろこし畑を描いています。そこに人影はなく、映画の中のディストピア的シチュエーションを感じさせますが、人との営みとは関係なく、畑は黄金色に輝いており、地球上の自然界にもお独自の時間、環境があり、彼らはその世界線で生きているのだということを再認識させてくれます。クーパーと彼の娘マーフィーはトウモロコシ畑の前でマーフィーの法則について話します。「起こる可能性のあることは、いつか実際に起こるのだ」と。 《Cornfield》(Alexander Levich) 以上、今回はバッファロー’66(1998)、花とアリス(2004)、インターステラー(2014)の3本の映画について ペアリングをしてみました。このペアリングは、自分が映画やアートを普段どんな視点で観て、どのような要素に反応しているのか明らかにしてくれます。 また、実際にペアリングをしていくと1つの画面の中に映画のもつ多様な要素に意識がはたらき、 作品や映画の新しい一面を発見することができます。他者のペアリングも、映画と芸術作品の新しい見方を知る機会になるのではないでしょうか。           本日紹介した作品はTRiCERA ARTで購入できます

作品とアーティストの心の距離-ドローイングの魅力をめぐって

 美術にまつわる言葉は膨大な上に、定義の境界が不明瞭である。  ドローイングやその周辺の言葉は特にその傾向を如実に表しているのではなかろうか。  ドローイングは「線画」と訳される。つまり、単色の鉛筆やペン、木炭などで線を引くという行為に重きをおいて描かれた絵を指す。フランス語ではデッサンに当たるドローイングであるが、異なる点を挙げるならばドローイング作品は歴とした作品でも捉えられるということだ。デッサンが対象を正確に描き写すことに念頭が置かれ、絵の練習的側面が前面に押し出されるのに対し、ドローイングは表現の要素が強い。  美術館でもアーティストの技術的・観念的創造プロセスの一旦が垣間見えることから展示されているドローイング。本記事ではドローイング作品10点を紹介し、是非アーティストの本性を探ってほしい。 MATSUMOTO SAYAKA 作家の詳細はこちら 沼田愛実/Aimi Numata   ボウル太郎/Bowl Taro 作家の詳細はこちら Takashi Fujita 作家の詳細はこちら マーティン・ゼイナー/Martin Zeihner 作家の詳細はこちら

大橋麻里子個展「Unexplored」開催のご案内

大橋麻里子個展「Unexplored」開催 TRiCERA MUSEUMでは、3/5(土)から3/18(金)の会期にて、大橋麻里子個展「Unexplored」を開催いたします。 異なる歴史性を持って営まれてきたいくつもの時間を、時にはレイヤーのように重ね、時にはパッチワークのようにつなぎ合わせ、イメージを構成するー大橋麻里子は、過去-現在-未来の時間の断片を丁寧に拾いあげ、自らの身体によって新たなコンテクストに位置付ける試みを行っています。そのコンテクストは固定的なものからほど遠く、それゆえに私たちの投影を誘うものでもあります。 大橋の作品において、時間同士の関係性は、直線的な枠組みの内部にはなく、有機的に絡まり合い新たに構成され続ける、超-時間的なものとして提示されています。その軽やかさは、イメージの集積と、それが鑑賞されて生まれる解釈のインタラクションの、徹底して開かれたありようにも重なり、ふっと力を抜いた瞬間に、時間・身体性についてのプリミティブな気づきを促す、そんな力を大橋の作品は持っていると言えるでしょう。 また、今回の展示では、大橋麻里子の完全新作となる、変形パネルを使用した作品が初公開されます。 今まで、大橋の身体性を反映する線の数々は、キャンバス内部で縦横に画面を構成してきました。 今回、その影響力は、もはや画面の内部に留まることを止め、キャンバスの<境界線>へと及びます。物理的な境界をも新たなコンテクストに置き直そうとする試みによって、我々は、その境界線の非-自明性と、その物自体の持っていた固有の歴史性に気づかされるはずです。 時間性・身体性の表現という根源的な希求、その影響力を枠づけない大橋の視点が見て取れる、必見の作品です。 展示作品一覧     Movement40 2021 H91×W91×D3cm パネルに綿布, アクリル, メディウム         Movement41 2021 H80.3×W80.3×D2.5cm パネルに綿布, アクリル, メディウム         Movement43 2021 H80.3×W80.3×D2.5cm パネルに綿布, アクリル, メディウム         Movement23 2021 H91×W91×D3cm パネルに綿布, アクリル, メディウム         Episode15 2022 H42.7×W43.2×D1.8cm 変形パネル, アクリル, メディウム           Episode16 2022 H47.7×W29.6×D1.8cm 変形パネル, アクリル, メディウム             Episode17 2022 H41.5×W33.7×D1.8cm 変形パネル, アクリル, メディウム           Episode18 2021 H162×W130.3×D3.5cm パネルに綿布, アクリル, メディウム               Plot6 2022 H36.4×W25.7×D2.0cm パネルに綿布, アクリル, メディウム               Plot7 2022 H36.4×W25.7×D2cm パネルに綿布, アクリル, メディウム             Movement15 2021 H27.3×W22×D2cm パネルに綿布, アクリル, メディウム               Movement26 2021 H18×W14×D1.8cm パネルに綿布,...

Francesca Borgo – 光と影の影

イタリアのアーティスト、フランチェスカ・ボルゴは、抽象的な風景を土のような自然の色調で表現しています。彼女の周りにある自然からインスピレーションを受け、アクリル絵の具、ゲッソ、アクリル樹脂を砂に混ぜたものを使ってテクスチャー効果を加えることで表現を豊かにしています。 絵画は常に彼女の情熱を注いできました。それは彼女の想像力をかき立て、人類と地球の異なる未来を表現したいという願望を駆り立てていました。しばらく家に閉じこもっていた病気の期間を経て、彼女は色と絵筆を使った「毎日のデート」をするようになり、ますます自分自身との接点を感じるようになりました。 彼女の作品は、全体の効果を形作るために濃く希釈された色を使用し、光の反射を作り出すためにメタリック顔料を使用しています。これらを組み合わせることで、影と光のコントラストが生まれます。彼女は最近、ペンとタブレットを使ってデジタルペインティングを作成するために新しいメディアを模索し始めました。この技法は、彼女の内面世界の葛藤を表現することを可能にしている。 ヨーロッパ各地のフェアや展覧会に積極的に参加している。また、彼女の作品はアメリカ、イギリス、日本、スイス、スペイン、マルタ、イタリアの個人コレクションにも出品されています。下にスクロールしていくと、彼女のエフォートレスな抽象的な風景画が見られます。             See Francesca Borgo's Artworks

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