金曜日, 1月 28, 2022
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Rafa Mataを知るための6つのポイント

人の視線を集めるビビットでポップなイラスト。でもよく見ると、不気味なクリーチャーのような生き物が描かれていたり、現代を風刺したようなスパイスの効いたキャプションが添えられている。背景に描かれた街には日本語で描かれたネオンに光る看板があったりと、不思議な魅力を持つRafa Mataのアート作品。彼はそこから現代を生きる私達に何を伝えようとしているのだろうか。

Get to Work/66cm×100cm/ジークレープリント
(Get to Work/66cm×100cm/ジークレープリント)

1.経歴

Rafa Mataはスペインのマドリッドを拠点に活動しているアーティスト。大手広告代理店のMcCann EricksonやOgilvy & Mather、Havasなどで広告イラストレーターとして10年間勤務した過去を持つ。アメリカのロサンゼルスに住み、ハリウッドの脚本家と一緒に作品を作る仕事も経験した。彼の作品から感じる、人の視線を集めるようなキャッチーなデザインの魅力は、これらの経験から来ているのだろう。

2.繊細で、生き生きとしていて、不気味

作品全体を通して、都市の中で日常生活を送る女性が描かれており、ぱっと見ただけでは、ポップな印象を与えるただのポスターのように見える。しかしそこには深いメッセージ性が込められていることに気づいた。その1つに「Level Up」という作品がある。ここでは眼鏡をかけた女性が携帯ゲーム機を持ちながら座って休んでいる。休憩中にゲーム機で遊ぶ1日の中の短い時間。そんな短い時間のあいだにも世界では色々な出来事が起きていて、自分の周りの状況は知らないうちに刻一刻と変化している。それはゲーム機を見る前とは少し違う世界だ。右下にある「ゲームオーバー」という文字は、他の事に気を取られて世界から孤立してしまっていることを指しているように思えた。私達は日々忙しく様々なことに気を取られやすい。でもそうやって誰かが作ったものを通して見ているだけでは、変化に取り残されて、孤立してしまうというRafa Mataの込めたメッセージがある。電子機器が身近な存在になっている私達にとって、非常に考えさせられる点だ。

Rafa MataのLevel Up - TRiCERA(トライセラ)
(Level Up/100cm×70cm/ジークレープリント)

3.作品のテーマと「現代」

冒頭でも触れたように、現代を風刺したような私達が抱えがちな問題をテーマにしていることが多い。その中にはソーシャルメディアやセルフイメージ、アイデンティティといったものも取り上げられている。「Macrobian Portrait II」という作品では、女性が不思議な柄の服を着てこちらを見ている。デザイン的な肖像画のように見えるが、読み解いていくと印象が変わった。以前はブランドが人々の注目を集めようとして広告を出していたのに、今ではSNSを通して匿名の人達がブランドの注目を集めようとしている。SNSの中でトップモデルになっても、ファンは携帯電話の向こう側で撮影も一人。服の柄からは、誰もが生活の中でソーシャルメディアや広告、ウイルスに囲まれて生きていることが示されおり、SNSで多くの人気を得たとしても、見方を変えれば孤立しているのでは?というRafa Mataの考えから表現された作品だ。

Rafa MataのMacrobian Portrait II - TRiCERA(トライセラ)
(Macrobian Portrait II/42cm×30cm/アクリル,ペン)

4.アートによるメッセージと私達

脳は情報の約90%は視覚から取り入れているという結果も出ており、アートは私達に必要な多くの情報を与えてくれている。毎日の生活の中で何気なく行っていることでも、アート作品を見ることで深く考え直すことがある。与えられた情報を生活のなかで役立てることは誰にでもできる。Rafa Mataのアート作品から共感したり、自分自身のことについて振り返る機会になっただろうか。もしそうならRafa Mataのアート作品は、私達の人生を豊かに変えるきっかけとなるだろう。

5.「孤立」をポップに描くこと

孤立した女性を多く取り上げているRafa Mata。SNSやスマートフォンの発達からたくさんの繋がりが持てる時代になったからこそ、私達に「孤立とはどういうことなのか」本質をついた視点で教えてくれている。人に囲まれて生きているというだけでは、孤立していないとは言えないのかもしれない。そのような社会的なテーマに対して、東洋と西洋、神話と現代、伝統的な神々と現代のウィルスやバクテリアなどを、固定概念に囚われずにユニークに組み合わせている。その巧みな技が、この作品全体を重い雰囲気にせずに、ポップな印象に仕上げてくれているのだ。

6.Rafa Mataが描く独自のアートスタイルの開発

現在では初の出版プロジェクトや、展覧会の企画、新しいアートスタイルの開発をしている。InstagramやTwitterで日々の活動を発信をしており、最新の作品を気軽にチェックすることができる。そこではアナログ作品の線画を実際に描いている様子が短い動画で載せられていたりと、ファンを楽しませる工夫がされていて飽きさせない。これからもRafa Mataからの現代を生きる私達へのメッセージに注目していきたい。

Manami Yonedahttps://www.tricera.net/
高校で3年間美術コースを受講、その後2年制の専門学校を卒業し、社会人経験を経てフリーランスのライター兼デザイナーとして、各種メディアにてアートや生活に役立つ情報を発信。 アート、健康、福祉、ライフハック、インテリア、の記事を得意領域としている。

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集英社によるマンガ原画をエディション作品化するプロジェクト「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」。今回は集英社・デジタル事業部の岡本正史、コレクターの小池藍、アーティストの曾超を招き、それぞれの観点からみた「マンガアート」の可能性、アート業界との交流性について座談会を行った。 方法論としてのアートは漫画の継承を変えるのか - 今回は集英社さんがスタートされた越境EC事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」についてディレクターの岡本正史さん、コレクターの小池藍さん、アーティスト曾超さんを交えてお話できればと思います。まずは岡本さんから簡単にプロジェクトの概要をご案内頂ければと思いますが、今回の事業のきっかけは漫画のアーカイブだそうですね? 岡本正史(以下、岡本) そうですね、そもそもの始まりは2007年頃に集英社が開始した、コミックスのデジタルアーカイブ「Comics Digital Archives」(略称CDA)です。当時はまだ「デジタルアーカイブ」という言葉自体が耳馴染みのない時代でした。それが時を経て、デジタルコミックスへの活用はもちろんですが、それ以外にもアウトプットのあり方、世の中に漫画を伝える方法があるんじゃないかと模索した結果の一つが今回の「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」なんですね。  概要としてお話しすると、まず1つ目には単純な原画の複製ではなく、アート作品としてのクオリティを持たせるということ。2つ目にはスタートバーンのアートブロックチェーンネットワーク「Startrail」に接続して、1点1点の来歴を記録していきます、ということ。最後には漫画の原画アーカイブが文化庁を絡めた事業として始まっていて、紙の漫画をどのように後世に伝えていくのかという問題意識を背景にしていること。少し長くなりましたが、この3つを柱に立ち上げたんですね。 - 漫画の継承のあり方としての作品化と流通という側面があると思いますが、その「アート化」するにあたっては見る方も、もちろんつくる方にも違ったロジックがあると思います。 岡本 これは今日参加して頂いているお二人がどう感じているかお聞きしたいところなんですが、プロジェクト側としては「アートを漫画にする」と考えた時、漫画をファインアートの文脈の中に持ってきて流通させるのが果たして良いのかどうなのかと考えるんですね。あくまでも漫画は漫画、アートはアートという風に異なった文脈と共に発展して来た。だからこその「MANGA-ART」という、漫画とアートの間にハイフンを入れていて。漫画アートの新しいジャンルを作りますよ、という方が良いんじゃないかな、と考えたりしています。 小池藍(以下、小池) 良い考え方というか、とても柔軟な捉え方だと思います。それに今回は越境ECを選択していらっしゃるところもなお良いな、と。市場的なところで言うと、アートの市場って世界全体でも7兆円ほど。日本だともっと小さいし、こうした取り組みをするなら海外を相手にするというのはすごく良い判断だと思うんですね。 岡本 ありがとうございます。それでいうと、日本はだいたい3500億円程度ですよね。 小池 「大きく見積もって」という前置きが付きますね。純粋な売買にフォーカスすると通常では2500億円程度と言われています。 岡本 なるほど。漫画でいうと、デジタルコミックスの去年の売上が3500億円程度と蜜守られているんですね。しかも日本だけの数字です。世界を含めたり、あとは紙のコミックスを含めるともっと大きい市場になる。あえてファインアートの流儀に完璧に合わせるより、漫画は漫画として培ってきた文脈を活かす方が発展の仕方が豊なのかなと考えたりはします。もちろんファインアートの方とコラボすることはアリだと思うんですが。 小池 いや、それは本当にそうだと思います。世界規模で7兆円のアート市場にアニメや漫画の市場規模を足す。以前から、ディズニーのセル画がオークションで破格の値段がついたり、と、その世界にもコレクションという考え方はありますよね。漫画に固有のコンテクストを活かしながらアートとして広げていく、という考えはすごく面白いと思います。 岡本 その「漫画をアート作品にする」ということを考えたとき、これは特にアーティストである曾超さんに伺ってみたいのですが、純粋にどう見えるのかな、と。  曾超さんは油彩を使った、すごくテクスチャーが際立った作品を制作していますよね。作家さんの手が直に関わった、言うならば身体感覚が強く出ている作品だと思うんです。今回の漫画アートは伝統的な油彩であったり、タッチや立体感がある作品とは別物で、まさに平面性にフォーカスしているんですが、ペインターとしてどういう風に感じるのか、その点を伺ってみたくて。 曾超 そうですね、一般的にファインアートのペインティングだと確かに物質性や身体性を重視しますね。平面の像よりも物質性の感覚を大事にする傾向にあって、そこは漫画と大きく違う考え方だと思います。  ただ平面性と言った時に思い浮かぶのはやはり村上隆さんのスーパーフラットですね。中国でもアニメや漫画の文脈を持った作品はありますけど、でも批評家の反応はよくない。「日本の方がクオリティは高い」と言うんです。だから、ある意味では日本独特の考え方というか、ものの作り方のような気はします。 - 物質性という話が出ましたが、今回は印刷を特にこだわっていますよね。特別な印刷技術の使用という、テクニカルな部分がモノとしての価値を与えているのかな、と。 岡本 ありがとうございます。それはタイミングの問題もあって、本当に運が良かったと思ってます。というのも特別な印刷機、それから職人さんにお願いをしていて。  少年ジャンプは樹脂板という、凹凸のある版を毎週つくって大きな活版輪転機で印刷にかけるんですが、これは質がいいとは言えない紙に印刷している。週刊のマンガ雑誌の価格にみあった紙と印刷なんです。でも「活版印刷機で、本気で美しく刷ったらどうなるのか」と。それを行うには、高速で印刷する輪転印刷機ではなく、質の高いプリントが行える活版平台印刷機が必要です。昔は都内にたくさんあったそうですが、今はもうほとんどなくて。今回は長野の印刷会社さんにあるのを共同印刷グループに見つけていただき、印刷も熟練の職人の方にお願いしました。 小池 今の話を聞いて思ったんですが、やはりチーム力ですよね。基本的には作家が一人で仕上げていく油彩やアクリルによる作品はそれはそれで魅力があるんですけど、でも漫画は漫画家がいて、編集の方がいて、それから印刷の方がいてって総合的なクリエイションになっている。 岡本 そうですね。漫画の背景って実は意外と知られていないので。でもこの機械も技術も、このままだと失われてしまう。これが継承のきっかけになったら面白いし、すごく意義があるとは思いますね。 小池 いや、それは本当にそうだと思います。世界規模で7兆円のアート市場にアニメや漫画の市場規模を足す。以前から、ディズニーのセル画がオークションで破格の値段がついたり、と、その世界にもコレクションという考え方はありますよね。漫画に固有のコンテクストを活かしながらアートとして広げていく、という考えはすごく面白いと思います。 岡本 絶妙なバランス感覚の世界ですよね。 小池 いや、本当にそう。若手の作家なんか特に気を使いますね。というのは、今まさに国内オークションが盛り上がっていますけど、国内で極端に高くなり過ぎると海外のギャラリーは良い顔をしないというか、扱おうとしなくなるんですね。「これじゃ自分たちがやっても利益が出ないから」と。ただ逆にクオリティに対して価格が低いと「まだ伸び代があるな」となるわけですけど。 岡本 ああ、すでに価格が出来上がってしまうと…。 曾超 中国でもセカンダリーはすごく影響が強いですね。特に香港などはすごく勢いがある。そこに振り回されてしまうアーティストもいたりしますが。 小池 もちろん国内という、決まったエコノミクスの中で活動していくことも方法の一つだと思うんですが、でもアーティストのステージにもよりますけど、やはりセカンダリーの価格ばかりが伸びてしまうと世界に出ていきにくい。  そういうキメの細かいハンドリングが必要になる現代アートの世界に対して、今回のプロジェクトはもっと柔軟な発想ができるな、と。仮にセカンダリーのマーケットができたとして、それが漫画家に大きな影響を及ぼすわけではない。それにブロックチェーンでもしっかり管理されてますし。 岡本 やっぱりブロックチェーンはきっかけとして大きいですね。来歴も記録されていくし、将来的には追求権のようなことも考えられる余地がある。集英社が発表している複製原画ですらセカンダリーですごい値段がついている状況がありますが、ブロックチェーンの仕組みをつかった作家さんへの還元の仕組みも研究していければ、と思っています。 あとキャリアという話で言うと、今回は3名の先生にお願いしているんですが、いずれは新人漫画家さんにお願いしたいな、とも。 紙のマンガ雑誌の仕組みは厳しくなっているところも多いと思います。マンガ雑誌の原稿料と、コミックスの印税に加えて、漫画アートが、収入のひとつに育っていくとよいのではないか、と。デビュー当初の漫画家さんの100万円と、ベテランの100万円って重みが全然違うでしょうし…。 小池 作家にとっての新しい選択肢ですよね。LINEマンガとか、デジタルコミックスのおかげで作家になれるハードルは下がった、でもそれだけで生計を立てるのは難しいという中で今回のような選択肢があるのは良いと思いますね。…実は4月から美術大学で将来のマンガ含む作家に対してアントレプレナーシップを教えるのですけど、まさにそうした部分ですよね。 岡本 そうですね。漫画をどう継承するかという問題と向き合っていくことはもちろんなのですが、一方では変化していく漫画そのもの、漫画家さんのキャリアそのもののあり方にも関わっていける方法とも言えて。まだ始まったばかりではあるんですが、今日頂いた話も含めて、展開はどんどん柔軟に考えていきたいですね。 Profile岡本 正史 | Masashi Okamoto「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」事業責任者・ディレクター。東京芸術大学美術学部卒業後、株式会社集英社入社。女性誌~女性誌ポータルサイトを 経て、マンガ制作のデジタル化に参加。集英社刊行の主要コミックスをアーカイヴしデー タベース運用する「Comics Digital Archives」を企画・実現。 小池...

魅惑のミャンマー・アート

「ミャンマー人アーティスト」と聞いて、思い浮かぶ画家がいるとするならば、あなたはよっぽどの美術オタクと言っていいだろう。  ミャンマーの現地新聞によると、国内のアーティストは正式に登録されているだけで10000人、非登録を含めても60000人しかいないという。さらに、現在ミャンマーには美術専門の大学はふたつしかない。加えて、国立博物館はあっても公立の美術館はまだ創設されていない。最新のアートに触れるには、民間なり個人運営の小規模アートギャラリーを歩いて回るしかない。アジアは世界各国に比べアートの構造化が遅れているとはいえ、日本からすれば考えられない状況である。 玉石混交なミャンマー人アーティストの中から本記事では、River Galleryの扱うアーティスト10名の作品を紹介しよう。 Aung Thiha 作家の詳細はこちらから Dawei Tu Tu 作家の詳細はこちらから Kyaw  Lin 作家の詳細はこちらから Kyee Myintt Saw 作家の詳細はこちらから Maung Aw 作家の詳細はこちらから Mor Mor 作家の詳細はこちらから Nann Nann 作家の詳細はこちらから Ni Po U 作家の詳細はこちらから Thar Gyi 作家の詳細はこちらから Zaw Win Pe 作家の詳細はこちらから  熱帯、多民族国家、日常生活への仏教の浸透、長きに渡る軍政などさまざまな歴史と顔をもつミャンマーには、とてもユニークな作品を創るアーティストが存在する。本記事を機に、注目していただきたい。

「”もの”・”こと”の潜在的な等価性への挑戦」START ARTIST vol.6 ~ Kou Kikuchi

TRiCERA発のオークションイベント「START」第一弾の出展作家の"なぜSTARTに出展したか"を主軸にしたインタビュー、ならびに新作の紹介を行います。 オークションイベント「START」とは 2021年2月に行われた「START」。アートに携わる様々な人たちを「セレクター」としてゲストに招き、それぞれの視点からアーティストを選び、そしてその魅力を伝える言葉と共に、その作品をオークション形式で販売いたしました。「アートをこれから始める」という方にも分かりやすい設計を行い、またオークションがはじめての方、オンラインではじめてアートを買う方など、様々なひとたちの「スタート」になるような企画となっております。 作家紹介 菊地 虹 (Kou Kikuchi) 1994年東京都出身。2020年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。主な個展には「菊地虹 個展」(Room_412, 東京, 2020)、「KO KIKUCHI EXHIBITION」(GALLERY b. TOKYO, 東京, 2019)があり、主な受賞歴には「ターナーアクリルガッシュビエンナーレ2018 入選」がある。 作品一覧はこちら 「START」に参加したきっかけ コロナウィルスの影響で展示会などのイベントが無くなっていた中、オンラインで作品をみていただける機会が貴重と感じました。 STARTのセレクションに選定いただいてとても嬉しく感じています。 「START」に出典した作品について 作品名:馬、鉛筆の足跡は斑の中。 サイズ:27.3 × 19cm 技法:アクリル / 石膏 / 二水石膏 / 墨汁 / キャンバス STARTでは、"馬、鉛筆の足跡は斑の中。"というキャンバスの周りに特徴のある作品を出展している。もともと過去の作品には自作で額縁を作成した状態で販売を行なっていた菊池紅、絵画が造形物として扱われるということが増えている中で、キャンバスに余白を持たせるという意味も込めてフレームという機能をキャンバスの耳のようにアートとして演出できたらと考えてこの作品を製作した。このシリーズは"みみシリーズ"の作品であり、ものの存在のあり方を人々がどのように捉えるかに焦点を当てたものである。 作品は馬をモチーフとしているが、菊池虹がオランダのアムステルダムに行ったときに、インスピレーションを受けたものである。 "放し飼いにされている馬が何十頭も並んでいる姿が、海岸の石ころのように見えた" それは、本当は同価値ではないものが同じ価値に見えた体験であり、この馬をモチーフとした作品はその後の菊池虹の製作の原点とも言える代表的な作品である。 既存作品の紹介 作品名:Boy 作品サイズ:91...

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コラージュをめぐる錬金術

 アートの世界では「錬金術」ともいわれる手法、コラージュ。  その方法論的な歴史は深く(本や新聞の切り抜き、身の周りの雑多な物体などを組み合わせる方法)、紀元前200年ごろの中国まで遡ることができるという。  ファインアートの一ジャンルとして確立することとなったのは、20世紀にシュールレアリストを中心に劇的なムーブメントを起こし、同時期に”コラージュ"という言葉がジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソによって作られたことによるだろう。  その後、現在まで途切れることなくアッサンブラージュ、フォト・モンタージュとコラージュ的手法は様々に展開されてきたわけだが、近年ではテクノロジーの発達により新たな分野も産まれた。それがデジタルコラージュだ。本記事では、デジタルコラージュを制作する作家を紹介していく。 上田タカヨシ/Takayoshi Ueda 作家の詳細はこちらから WELCOME BOY 2ND 作家の詳細はこちらから IL VENTO Nakajima 作家の詳細はこちらから 平田尚也/Naoya Hirata soryo 作家の詳細はこちらから

作品とアーティストの心の距離-ドローイングの魅力をめぐって

 美術にまつわる言葉は膨大な上に、定義の境界が不明瞭である。  ドローイングやその周辺の言葉は特にその傾向を如実に表しているのではなかろうか。  ドローイングは「線画」と訳される。つまり、単色の鉛筆やペン、木炭などで線を引くという行為に重きをおいて描かれた絵を指す。フランス語ではデッサンに当たるドローイングであるが、異なる点を挙げるならばドローイング作品は歴とした作品でも捉えられるということだ。デッサンが対象を正確に描き写すことに念頭が置かれ、絵の練習的側面が前面に押し出されるのに対し、ドローイングは表現の要素が強い。  美術館でもアーティストの技術的・観念的創造プロセスの一旦が垣間見えることから展示されているドローイング。本記事ではドローイング作品10点を紹介し、是非アーティストの本性を探ってほしい。 MATSUMOTO SAYAKA 作家の詳細はこちら 沼田愛実/Aimi Numata   ボウル太郎/Bowl Taro 作家の詳細はこちら Takashi Fujita 作家の詳細はこちら マーティン・ゼイナー/Martin Zeihner 作家の詳細はこちら

銀座柳画廊: 東京の洋画の道標

銀座柳画廊に足を踏み入れる 銀座柳画廊オーナーのインクルーシブミッション 日本の芸術的評価の強化 銀座柳画廊で紹介されたアートを購入する場所 銀座柳画廊に足を踏み入れる 東京には様々な文化の中心地がありますが、その中でも銀座は芸術性の高さでは群を抜いています。銀座柳画廊をはじめ、銀座には都内でも有数のアートスペースが数多く存在しています。銀座にあることを誇りとし、その壁の中での個展は、日本でのアーティストの道を永遠に変えてしまいます。 1994年から日本画家による洋画の発信基地として、ゆったりとしたモダンな空間で、ゆったりとした時間を過ごしていただけるようになっています。 ギャラリーに一歩足を踏み入れると、オーナーの野呂 好彦氏が作家の美学を個人的に評価してセレクトした、日本の現代美術家の洋画作品が目に飛び込んできます。風景やポートレート、静物などの具象的な題材を油彩で描いたオリジナルの作品が多く展示されており、独特の温かみのある表情を見せてくれます。 風景画の岡野宏、フレスコ画の有田巧、肖像画の廣田稔、島村信行......これらは、野呂氏との長年にわたる強い絆から、銀座柳画廊でもたびたび紹介されてきた作家たちです。また、風刺画で人気の福永明子や精密な風景画で知られる松沢真紀など、女性作家の注目を集めています。 この他にも、最近入室した北尾玲子・ボンタンなどの新進気鋭の作家を中心に、マティス、ルノワール、ダッフィー、シャガール、ピカソ、藤田晃司などの世界的な印象派の古典的な画家や、東洋的なテーマや技法を重視する日本の著名な画家の作品を随時展示していきたいと考えています。 銀座柳画廊オーナーの包括的な使命 野呂さんのアートへの情熱は、ギャラリーの金銭的な成功だけではありません。野呂さんは10年以上前から「銀座ギャラリーツアー」と称して、銀座の画廊で同時に開催されている展覧会を案内し、アートにしかない創造と発見への情熱を取り戻すことを目的としたイベントを開催しています。 ツアーではどうしても競合する画廊に足を運ばなければならないが、野呂さんは「日本のアート産業を活性化させること」を最終目標にしているため、顧客を失う可能性を気にしていない。銀座の豊かな芸術文化を継承していくためには、多様性が重要だと考えており、その多様性をアートコレクターと共有するために、他の画廊の存在を歓迎している。 日本では、個人で美術品を収集することはあまり一般的ではありません。家にアートがある家庭は全体の3割程度と言われています。私は日本人の心に個人的なコレクションの考え方を植え付けたいと思っています。欧米では逆で、美術品がない家庭は珍しい。だからこそ、私のギャラリーでは質の高い作品を集めるようにしています。 あるお客さんから「アートのおかげで自殺願望がなくなった」という話を聞いたことがあります。本当のアートは、見る人の心に直接語りかける力を持っています。もっと多くの人にアートを体験してもらいたいと思っていますので、私のギャラリーでは優れた技術を持つアーティストを紹介し、日本のアート界を盛り上げていくことに力を入れています。 野呂さんが日本の芸術文化を盛り上げたいという思いの背景には、彼の生い立ちがあります。美術商の家系に生まれ、美術の美しさに囲まれて育った野呂さんは、その人生経験を誰かに伝えたいと考えています。 3歳の頃、両親に連れられて、小磯良平のアトリエや軽井沢の脇田和や伊藤清長など、時代を代表する洋画家の多くの名画家や芸術家たちと長い時間を過ごすなど、恵まれた環境の中で、私は絵の師匠や芸術家たちと出会うことができました。私の家の伝統では、一族の一人一人が芸術家との強いつながりを築いていたので、とても親しくさせていただきました。 野呂さんは、生まれながらにして様々な意味で芸術鑑賞の才能を持っていたが、日本文化によくあるような家業を継ぐことを両親に頼まれたことはなかった。大学を卒業して商学部を卒業した野呂さんは、最初は大手商社への就職を考えていた。就職活動をしているうちに、美術業界が自分を呼んでいることに気づき、日本とフランスで活動を続ける国際的なギャラリーのディーラーとして働き始めた。その後、家業を継ぎ、数年後には銀座のギャラリー梅田東京店の店長に就任。3年間のギャラリー経営を経て、東京のアートシーンの中心地に独立することを決意。 優れた作品に囲まれた生活で培われた美術の知識を武器に、優秀な画家を集め、日本の芸術家の新しい拠点を作った。 日本の芸術的評価を高める 野呂氏は、日本には国際的に注目されるべき優秀なアーティストがたくさんいると強く信じています。その最大の障害の一つは、日本政府によるアーティストへの支援の不足と、芸術作品を購入する際の税制上の優遇措置の欠如だと考えている。そのために、野呂氏は日本のアーティストを代表して政治家に積極的に働きかけています。 しかし、野呂氏は希望を信じている。2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博を控え、アーティストとそのアウトプットを支援する動きが活発化している。この2つの国際的なイベントは、日本のアートにとって分岐点になるかもしれません。すでに香港では、日本のアーティストの現代アート作品がオークションに出品されるケースが増えてきています。 国際的に見ても、日本のアートマーケットは未開拓の可能性を秘めています。日本はアジアで最も長い洋画の歴史を持つ国であるため、様々なスタイルのアーティストがまだ発見されていません。日本の伝統工芸文化の豊かさも、日本のアートシーンが国際的に注目される理由のひとつです。 銀座柳画廊で紹介されたアートを購入するには このエキサイティングな時代に、野呂氏と銀座柳画廊は国際的な成功のチャンスを待っています。日本の現代美術を世界に発信することを使命とし、日本の現代美術を世界に発信していくために、野呂氏とのパートナーシップを誇りに思っています。 銀座柳画廊への行き方 営業時間 月~金:10:00~19:00 土曜 11:00 - 18:00 駿台・祝日。定休日 住所 104-0061 東京都中央区銀座5-1-7 数寄屋橋ビル3F TEL:03-3573-7075 FAX:03-3573-7076

Michael Toenges, “Paintings on Paper 1995-2019”

8月24日から10月12日までタグチファインアート主催。 タグチファインアートでは、この夏から秋にかけて、ドイツ人画家ミヒャエル・テンゲスの個展を開催いたします。テンゲスはレヴァークーゼンを拠点に活動する1952年ドイツ生まれの画家です。作品の一部はケルンのコロンバ美術館やスイスのアーラウ美術館に収蔵されています。ヨーロッパを中心に活動している彼の作品をアジアで見ることができるのは、今回の個展「紙に描かれた絵画 1995-2019」がきっかけです。本展の特徴は、展示されている作品がすべてダンボールに描かれた小品であること。ギャラリーによれば、これらの小さな作品は、他の大きなスケールの作品やキャンバスに描かれた絵画に比べて、あまり注目されていないとのことです。段ボールに描かれた小品は、これまで準備的で断片的な作品とされてきましたが、その小品は、彼の色との実験と葛藤の証拠ともいえるものであり、注目に値するものです。今回の展示では、1995年に制作された旧作から今回の展覧会のために準備された最新作までを紹介します。 テンゲスは、木の板やキャンバスに油絵の具を重ねることで、色の多様性を追求しています。テンゲスは、イメージや形にとらわれることなく、色の配置、コントラスト、構築に主眼を置いていると言います。絵画の基本的な要素とされる色彩や絵の具の物質性の探求に力を注いでいます。 テンゲスは通常、事前にスケッチを用意することはなく、参考となるイメージや計画を持たずに絵を描いています。テンゲスは、ある特定のイメージを持たずに自発的に絵を描きますが、同時にジョット、フラ・アンジェリコ、ボッティチェリ、ゴヤなど、歴史上の他の画家たちが使った色の構成を研究しています。絶え間ない研究から得た知識の蓄積が、躊躇することなく絵を描くことを可能にしているようです。 実際、彼の作品は無計画に作られているというだけで、一気に作られているように見えますが、技術的には、板に色をつけて、乾燥させて、それを何度も繰り返すというプロセスを経ています。このように、彼の絵は美術史における色の使い方の研究としても長い時間をかけて描かれていると考えられます。 彼の作品は高速と低速の両方の特徴を持っているので、私たちはまた、2種類の魅力を感じることができます。第一に、テンゲが躊躇なく絵を描く瞬間のように、私たちの注意を一気に惹きつける。二つ目は、その努力の過程と同じように、私たちを作品の前に長く滞在させてくれること。10月12日までタグチファインアートにて、ゆっくりと作品を楽しむことができます。 Michael Toenges, “Paintings on Paper 1995-2019” 開催日:2019年8月24日(土)~10月12日(土) 2019年8月24日(土)~10月12日(土)営業時間。午後1時~7時日曜・月曜・祝日は休館> 記事を書いた人:Jeongeun Jo韓国出身、日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。彼女自身もアーティストとして活動している。 

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