土曜日, 10月 23, 2021
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「色彩と東欧のノスタルジー」START ARTIST vol.4 ~ Szabó Eszter

TRiCERA発のオークションイベント「START」第一弾の出展作家の”なぜSTARTに出展したか”を主軸にしたインタビュー、ならびに新作の紹介を行います。

オークションイベント「START」とは

2021年2月に行われた「START」。アートに携わる様々な人たちを「セレクター」としてゲストに招き、それぞれの視点からアーティストを選び、そしてその魅力を伝える言葉と共に、その作品をオークション形式で販売いたしました。「アートをこれから始める」という方にも分かりやすい設計を行い、またオークションがはじめての方、オンラインではじめてアートを買う方など、様々なひとたちの「スタート」になるような企画となっております。


作家紹介

エステル・サポー (Szabó Eszter)


1979年ハンガリー出身。ブダペストの美術学校にて装飾芸術を学び、1997年に卒業。動物園、寺院などで様々な仕事についた後、画家としてのキャリアをスタートさせる。これまでイタリアや母国などで展示を行ってきた。ハンガリーの風景や日常生活の光景を、独自の色彩感覚によって視覚言語として提示している。

作品一覧はこちら

「START」に参加したきっかけ

2021年の初めにTRiCERA ARTに参加させていただいたが、その直後にオークションイベントSTARTへの出展の連絡をいただきました。STARTにてまだアートについて学び始めた方や既にアートに知見のある方を含めて、自分の作品をより多くの人に知ってもらう絶好の機会だと思ったので参加させていただきました。

「START」に出典した作品について

作品名:Gymnastic

サイズ:80 × 60cm
技法:キャンバスにアクリル絵具
彼女の作品は環境、その場の状況、存在している人や物、背景を混ぜ合わせたものを明るい色調で表現したものが特徴的である。STARTに出展した”Gymnastic”という作品はデンマークの玩具会社であるLEGO社のおもちゃがモチーフとなった作品である。LEGOブロックの女の子が扇型の敷物の上に置かれているが、ただ横になっているだけでなく足をストレッチしている。青色とピンクの物体が側面に配置されているが、それらにはLEGOで見られる凹凸が見られない。まるでおもちゃの女の子がLEGOの世界から抜け出して体操をしようとしているようにも感じられる。”Gymnastic”は、おもちゃの人形を、あえてアートという芸術作品として表現することで、無生物をいかに生き生きと表現できるかを示した作品である。

既存作品の紹介

作品名:Will you marry me?

作品サイズ:120 x 100 cm
技法:木製パネル / アクリル絵具

 

作品価格

53,000円 + 税

購入はこちらから

“Will you marry me?”は前回人気のあった”Gymnastic”に続くLEGOブロックをモチーフとした作品である。男女のブロックが横に並んでおり、周りにはお花やプレゼントがあしらわれている。“Will you marry me?”というタイトルからも分かるとおり、プロポーズの瞬間のとてもロマンチックな瞬間が切り抜かれて表現されているが、おもちゃのモチーフをポップな色使いで表現することで、プロポーズのドキドキした瞬間を永遠に閉じ込めたような作品となっている。

作品名:Blue night

作品サイズ:100 × 80 mm
技法:木製パネル / アクリル絵具 / 動物画

 

作品価格

36,000円 + 税

購入はこちらから

彼女の作品は自然や動物がモチーフとなることもある。自然のイメージをより抽象的な形に注ぎ込んでいくということを中心に活動をしているが、”Blue night”はその中の一つである。

特に困難に直面ている時などはより自然を感じるようにしていると彼女は語る。”自然の中で、自分の内面に目を向け、瞑想するのです。自然や動物の美しさや穏やは、私を何度も助けてくれました。”Blue night”ではより現実的な方法で彼女が感じた自然や動物の穏やかさ、優雅さを観客に映し出している。見る人により自然を身近に感じてほしいという願いが込められている。

作品一覧はこちら

セレクター

Szabó Eszterはハンガリーの美大で装飾芸術を学び、卒業後はブダペストで壁画修復の仕事の傍ら、自身の作品を制作してきた。ブダペストと聞いて私が思い浮かべるのは、ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」だ。この映画はあくまで仮想の国を描いているが、ペールトーンを基調とした素晴らしい色彩と東欧のノスタルジーがSzabó Eszterの絵画とリンクする。彼女の絵画は日常をフラットかつ幾何学的に切り取り、豊かな彩色表現でリズムを与えている。見ていて飽きない魅力があるといえる。

夫馬 笑奈
FUMA Contemporary Tokyo | 文京アートマネージャー
株式会社F&F 代表取締役社長

Masataka Kuwadahttps://www.tricera.net/
アーティスト・マネジメント責任者。LOVEコンテンポラリーアート。

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私の目標は時代を超越することと語るのは、絵画に装飾や職人技を施すKohei Kyomoriさん。今回は、彼の考えや制作についてお話を伺いました。 詳細はこちら Kyomoriさんは、装飾という文脈で絵画を制作されていますよね。その前に聞いてもいいですか? -私は現代装飾家という肩書きで仕事をしていますが、歴史上の数々の装飾文化を自分なりに解釈し、更新していくことを念頭に置いています。そう考えると、国や地域を問わず、装飾文化を新しい形で紹介する絵画という形での仕事になるのかもしれません。現代美術、特にコンセプチュアルな作品は、ある意味で言語が重要です。でも、少なくとも自分の作品に関しては、言葉に頼らずに、目で見て感動するような作品でありたいと思っています。 詳細はこちら グラフィックデザインや洋服の仕事をされていましたよね。その影響はありますか? -影響を受けていて、重要な要素です。色の組み合わせについては、ヨーロッパでファッションを学んだ経験が活かされていると思います。また、デジタルでも仕事をしているので、平面画の枠を超えて、素材の選択やデジタルとアナログの融合など、複数の技法や素材を組み合わせて作品の力強さを高めようとしています。 詳細はこちら 制作過程を教えていただけますか?-最初にスケッチ、次にデジタルシミュレーション、そして作品のCGデッサン。そして、素材に合った印刷技術で作品をプリントアウトし、鉱物顔料やUV樹脂を使って染色や立体的な加工をしていきます。 手の込んだ作業です。-そうですが、この方法の良いところは、チャンスを生み出すことです。デジタルシミュレーションのプロセスを経ることで、意外な要素が生まれます。自分のアイデアに縛られることなく、そこから解放されたアイデアを制作に取り入れることができます。 作品にはいくつかのシリーズがありますが、それぞれの焦点は何ですか? -今は大体5シリーズあります。例えば、「A-UN」シリーズには、民族間の差別や偏見を克服するための希望のメッセージが込められています。もう一つの重要なシリーズが「JAPAN BLUE」シリーズです。このシリーズは藍染めを使用しています。このシリーズのテーマは「不完全性の肯定」。社会的に相容れないとされているものはすべて個性だと思います。多様性のある社会とは、確立された枠組みに収まらない特性を取り入れた社会のことです。だからこそ、私にとってはとても日本的だと思います。 詳細はこちら 作品を通して伝えたいメッセージや目標はありますか?-メッセージは「不完全さを認め、受け入れること」。目標は「時代を超越すること」です。この目標をずっと考えていました。本番で一番大事なことかもしれません。最近、普遍性について考えることが多いのですが、装飾的な意味では、見たときの感覚でしょうか。一つのデザインには、それに関わる人たちの技量と密度、時間とエネルギーがたくさん詰まっています。それを見た誰もが「素晴らしい!」と思うでしょう。と思えるのではないでしょうか。説明しなくても感動できるものが好きで、素敵だと思います。 今後の予定を教えてください。 -日本の伝統工芸の文脈を、装飾という観点からアートに活かしていきたいと思います。 具体的には、有田焼や徳島の藍染めなど、歴史と伝統の中で育まれてきた技術を、私が制作する装飾画と組み合わせていきたいと考えています。そうすることで、作品/オブジェの価値、力強さ、エネルギーを高めることができると考えています。 また、それぞれの地域と連携することで、日本の未来に残せる技術や伝統を守り、進化してきた伝統を継承することで、時代を超えて未来につなげていきたいと考えています。 詳細はこちら

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ベッドサイドにもアートを-注目したい立体作品たち-

家のどこにアートを置くか、それはもちろんひとの自由だが、例えばベッドサイドに置いてみるのはどうだろうか。サイドボードの住人といえば時計やライト、メガネや水、もしくは読みかけの本が多いかもしれないが、その寝る時そして起きる時に目に付く場所に作品を置いてみるのも生活の刺激になりはしないだろうか。おはようからおやすみまで、1日をアートではじめ、アートで閉めてみる生活ははいかがだろう? Atsushi Kaneoya 作家の詳細はこちらから 日暮勇一 / Yuichi Higure 作家の詳細はこちらから 南村遊/Yu Namura 作家の詳細はこちらから セリア・デブラ / Celia Debras 作家の詳細はこちらから 小倉真 / Shin Ogura 作家の詳細はこちらから 山本恵海 / Megumi Yamamoto 作家の詳細はこちらから Saeka Komatsu 作家の詳細はこちらから

Yutaka Kikutake Galleryでの展覧会レビュー「爪が欲しくて」展

Installation View, Nerhol ‘For want of a nail’, 2019 ©️Nerhol Photo: Shintaro Yamanaka (Qsyum!) Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery 6月6日から7月13日まで、Yutaka Kikutakeギャラリーでは、アーティスト・デュオ「ネルホール」の作品展「爪が欲しくて」を開催します。 ネルホールは、日本の若手アーティストYoshihisa Tanaka and Ryuta...

魅惑のミャンマー・アート

「ミャンマー人アーティスト」と聞いて、思い浮かぶ画家がいるとするならば、あなたはよっぽどの美術オタクと言っていいだろう。  ミャンマーの現地新聞によると、国内のアーティストは正式に登録されているだけで10000人、非登録を含めても60000人しかいないという。さらに、現在ミャンマーには美術専門の大学はふたつしかない。加えて、国立博物館はあっても公立の美術館はまだ創設されていない。最新のアートに触れるには、民間なり個人運営の小規模アートギャラリーを歩いて回るしかない。アジアは世界各国に比べアートの構造化が遅れているとはいえ、日本からすれば考えられない状況である。 玉石混交なミャンマー人アーティストの中から本記事では、River Galleryの扱うアーティスト10名の作品を紹介しよう。 Aung Thiha 作家の詳細はこちらから Dawei Tu Tu 作家の詳細はこちらから Kyaw  Lin 作家の詳細はこちらから Kyee Myintt Saw 作家の詳細はこちらから Maung Aw 作家の詳細はこちらから Mor Mor 作家の詳細はこちらから Nann Nann 作家の詳細はこちらから Ni Po U 作家の詳細はこちらから Thar Gyi 作家の詳細はこちらから Zaw Win Pe 作家の詳細はこちらから  熱帯、多民族国家、日常生活への仏教の浸透、長きに渡る軍政などさまざまな歴史と顔をもつミャンマーには、とてもユニークな作品を創るアーティストが存在する。本記事を機に、注目していただきたい。

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